鍋割山

 鍋割山 1272.5m 茅ノ木棚沢ノ頭 1040m 1108峰
 山域:丹沢

記録
 山行日2014年4月28日(月)
 ルート寄→雨山峠→茅ノ木棚沢ノ頭→鍋割山→後沢乗越→二俣→大倉
 コースタイム0940 寄バス停 → 1032/42 登山道入口 → 1126/36 雨山峠まで1.7km → 1140 釜場平 → 1234/46 雨山峠 → 1322 茅ノ木棚沢ノ頭 → 1340/1400 鍋割峠 → 1425/1500 鍋割山 → 1544/52 後沢乗越 → 1610 林道終点 → 1630 二俣 → 1740 大倉バス停
 天候曇り時々晴れ

前日に新しいザックを買いました。早速使ってみようということで本棚からガイドブックを散々めくって選んだのが鍋割山。まだ登ったことの無い山です。選んだのは、1995年発行の「ハイグレードハイキング東京周辺」。その最初に照会されています。どんなルートなのかとても楽しみです。

1.登山口まで

新松田から寄行きのバスは、沢山の高年ハイカーで、まるで小学生の遠足なみの賑やかさでした。それも田代向までで、終点では数人になっていました。寄を訪ねるのは1999年のシダンゴ山以来で、15年ぶりですが、記憶にあるバス停のあたりは変わっていませんでした。寄から稲郷への道は中津川に沿って、正面に山を見ながらの広い直線道路。いかにもこれから山に入るよという、大変雰囲気のいい道です。
寄大橋を越えると、やどりき水源の森のエリアに入ります。このあたりの雰囲気は、正面に山を見て、左手に広い河原があり、ミニ上高地といった風情です。ちょっと大げさですが。そして舗装も尽き、登山道の入口に到着しました。

2.雨山峠へ

登山道は右の斜面に取り付きます。ある程度登ると水平になり、堰堤を越え、上の河原を歩く。こんなパターンが何度か続きました。捲く方向は左に右にと入れ替わり、その度に河原を横断していきました。沢も細くなり、道は左岸をしばらく行くようになります。ここの入口には遭難碑がありました。この道は有刺鉄線のある鹿柵に沿っており、引っ掛けはしないかと、ちょっと圧迫感がありました。再び沢に降りたところは上部に大きな崩壊のある地点で、雨山峠まで1.7km地点。このあたりで小休止としました。しかし沢を渡って小尾根に上がると、直ぐに釜場平というベンチのある場所があって、ちょっと休憩が早かったようでした。
尾根を回りこんでいく道を進んでいくと、だんだん崩壊が激しくなり、落ちた桟道なども自然の厳しさを窺わせます。コシバ沢で鍋割峠への道を分けますが、×印がつけられています。さらに尾根を越えて寄沢本流の詰めに入りますが、このあたりは花崗岩で出来ているのか、白くザレた山肌が多くなりました。テープやマークに導かれ、桟道や梯子を使い、最後まで詰めたところが雨山峠。厳しい道のあとの峠付近は桜が咲き、穏やかな風情で迎えてくれました。

3.鍋割山

雨山峠から鍋割山までは、コースタイムでもまだ1時間30分近くあり、幾つかのピークを越えなければなりません。稜線の道は初めての本格的な登りで一気に汗をかきます。最初のピークへは80mの登りで到着。足元に咲くタチツボスミレや紫のツツジの見送られながらの芽吹きの森の登りでした。さらに下って登り返すのが、茅ノ木棚沢ノ頭。この間鎖場がありますが、支える程度で、基本は岩角などを掴みながら登っていけます。道中、樹間から蛭ヶ岳や塔ノ岳の稜線が眺められ、気持ちのいい稜線歩きです。
茅ノ木棚沢ノ頭から1108Pまでは、80mの急峻な登りで、長い鎖があります。ザレた急坂に掛けられ、掴むものも乏しいので、鎖に頼って一気に体を持ち上げて登ってしまいました。1108Pは一転穏やかな広い山頂で、タチツボスミレの群落の多い所でした。そして僅かに下った鍋割峠で最後の登りに備えてゆっくりと休憩しました。
鍋割峠から鍋割山までは200m弱の登りです。急斜面ですが登りやすく、順調に高度が上がって行きます。後半は階段が整備されて歩きやすくなっています。急坂を登り終えると、広い緩斜面にでます。どこの山でもこの瞬間は素晴らしいと思います。草つきの緩斜面にブナの木が点在し、素晴らしい風景です。振り返ると大きな富士山がありました。雲の多い日でしたが、富士山には雲は全くかかっていませんでした。緩斜面の最後の登りを終え、山頂に到着。10数人程度の思ったより静かな山頂で、意外なほど晴れて展望も申し分なく、鍋割山荘では鍋焼うどんがどんどん売れていました。

4.下山

下山は大倉へと向います。後沢乗越までは一気の下りですが、久しぶりの本格的な下りで、かなり足にきました。後沢乗越から林道に降りるまでは、緩やかに道がつけられているので、まだ歩きやすく良かったのですが、そこからの長い長い林道歩きは痛む足の訴えの耳を貸さず、ただただ足を動かすだけという感じでした。やっと林道と別れ、大倉へのショートカット道に入ると随分歩きやすくなりましたが、それも束の間、大倉集落の上に出てアスファルトの道を、先に見える吊橋を目指して下り、バス停が見えてくると、丁度折り返しのバスが入ってくるところでした。

雨山峠から鍋割山へのルートは変化に富んで丹沢の楽しみを堪能できるルートでした。また、久しぶりにしっかり歩くコースを歩きましたが、まだまだ大丈夫そうです。新しいザックも軽くて使いやすく合格です。しばらくは良いパートナーになりそうな気がします。ハイグレードハイキングも結構食指をそそるコースが沢山でていて、改めて楽しめそうです。しかし、丹沢の表尾根は歩く距離が長いですね。

本文中の写真

  • 荒れた雨山峠への道
  • 静かな雨山峠
  • 鍋割山への最後の登り
  • 伸びやかな鍋割山頂
  • 鍋割山山頂の風景


  • 参考図書・地図
    ハイグレードハイキング東京周辺(山と渓谷社1995年改訂2刷)
    25000図 秦野 大山
    50000図 秦野

    鍋割山山頂と鍋割山荘
    その他のコース
    ・二俣〜小丸〜鍋割山
    ・雨山橋〜雨山峠〜鍋割山
    ・塔ノ岳〜金冷やし〜大丸〜鍋割山
    ・寄〜雨山峠登山道〜コシバ沢〜鍋割峠〜鍋割山
    交通機関
    新松田駅から寄
    詳細時刻については、以下のホームページを参照願います。
     富士急湘南バス
    渋沢駅から大倉
    詳細時刻については、以下のホームページを参照願います。
     神奈川中央交通