大山三峰山

 大山三峰山 934.6m
 山域:丹沢

記録
 山行日1999年7月20日(火)
 ルート煤ヶ谷バス停→物見峠分岐→大山三峰山→不動尻→広沢寺温泉入口
 コースタイム0930 煤ヶ谷バス停 → 1045/53 物見峠分岐 → 1120/30 稜線 → 1250/1325 大山三峰山山頂 → 1430/45 不動尻 → 1550 広沢寺温泉入口
 天候

梅雨明け間近で、来る夏に備えて体力向上を図らねばと考え、あまり登ったことの無い丹沢の山を計画した。主脈の方とも思ったが、体調もすぐれずということで、比較的標高の低くて、アクセスの良い大山三峰山を目指したが、想像以上の手応えだった。

曇りで、降水確率は20%程度だったので、明日からの晴れの予報に、後半は良くなってくれるだろうと考え出発した。しかし本厚木で降りてみるとなんと雨。これで3回連続雨の山かと多少うんざりであった。駅前に停まっていた上煤ヶ谷行きのバスに駆け込み、登山口を目指す。煤ヶ谷のバス停で降りても雨はやまず、バス停の先でさっそく雨具を着込んで出発した。
不動尻への道と別れて、物見峠への道に入る。民家が切れて山道の入り口になると、そこには衝撃的な看板が出ていた。「ここでヒルを落とさないで下さい。民家の中に入ってきて困ります。」とのことである。時節柄いやな看板で、おまけに今日はいかにもという、蒸し暑い雨の日なのであった。久しぶりのご対面を覚悟しつつ畑の横の道を辿って山の中に入っていった。
物見峠への道は、峠道らしくゆったりと高度を上げていく歩きやすい道である。しかし、稜線を通らないこともあって暑いことこの上ない。なんとか物見峠と山の神との分岐まで1ピッチで頑張ろうと思ったが、途中で暑さと体調不良であえなくダウンする。道に座り込んだら、顔から汗が滝の様に流れてくる。そして座っていると、ヒルが雨具の膝のあたりを登ってくるのが見えた。なるほど、丹沢のヒルは初めて見たが細くて糸のようなヒルであった。とりあえずつかまえて丸めて指で遠くにとばしてやった。
物見峠の分岐までは扉に開いた穴をくぐる鹿柵を2つ通過する。分岐にはベンチがあり、雨もやんだようなので、雨具を脱いでTシャツ姿になった。分岐から稜線に直接出る道を辿る。雨具をとったら、いきなり道に草木が被るようになり濡れてしまったが、面倒なので適当に払いながら構わず進む。しばらく登ると山の神である。山の神は広場やベンチのある祠で、山中のこのような場所にあるものとしては立派に維持されていると思った。再び、しばらく登ると稜線に出て、ここにもベンチがあり休憩した。
三峰山に向かっての稜線の道は、あと600mの地点までは、一カ所だけの階段の急登以外は、概ね緩やかなアップダウンで、明るく風も通るようになり、だいぶん気分良く歩けるようになった。その後右側が崩壊している場所を通るところは、草木がよく茂り道を覆っている中で、道の脇が崩壊しているため、注意が必要である。やがて左側の樹林の中に、まるでテント場のような広場が見えて、あと600mの標識があり、三峰山の山頂部への登り口である。
長い階段の急登をいくつかこなし、高度をどんどん上げていく。上り詰めたところで尾根は直角に左に曲がる。どうもこのあたりが北峰なのかもしれない。もやもやした雲の中を歩いてきたが、このあたりで霧が晴れた様に視界が澄んできた。とりあえず低い雲の中から抜けた様だ。ハシゴや鎖のあるアップダウンを越えていくと、正面に2つピークが並んでいるのが雲がかからずにハッキリと見えた。中央峰とその手前のピークのようである。登り返すと、あと100メートルの標識。そしてもう一度登り返して中央峰の山頂であった。
山頂はベンチがあり、木の下では3人の先行者が休んでおり、ヒルにやられたと言っている。しかも、いま見つけている最中で、お互いに背中などチェックしあっており、時々あっ!!と驚きの声がとぶ。1人は足が鮮血に染まっており、今しがたお腹にいたヒルを取った方は、しばらくしてシャツが赤く血に染まってきた。小さなヒルだが、斯様に血が止まらない。私はとりあえず被害が無くて一安心である。
山頂を発って、時折振り返りつつアップダウンを繰り返すと南峰のちょっと平らな山頂に着く。そこから大きく急降下して、穏やかな尾根となり、大山に続く尾根と別れて不動尻に向けてどんどん下っていく。つづら折りに下る急降下は自然林の中で、登りにとった道よりは雰囲気が良い。下るに従って、だんだん沢音が近づいてきて、やがて沿うようになり、滝を眺めながら下っていく。沢を渡り返したり、1枚岩の鎖場を下ったりしながら降りていくと、今度はなぜか薄日もさして来始め、不動尻のキャンプ場に到着した。
あとは広沢寺まで車道を歩く。道中はユリの花なども咲いていて初夏を思わせる。途中長く暗いトンネルの中を歩いて行くことになるが、ここはあまり気持ちが良くない。車道は不動尻から1時間。だんだん日差しも強くなり、仏果山の方は雲はもう全く無くなっていた。広沢寺温泉入り口バス停前のコンビニの前でジュースを買って飲んだが、すでに日差しは夏の日差しであった。梅雨明けももう近い。


参考図書・地図
ブルーガイド 東京付近の山(1998年第1刷)
アルペンガイド 東京周辺ワンデイハイク(山と渓谷社1993年7月第2刷)
エアリアマップ 丹沢(1995年版)
25000図 厚木 大山
50000図 藤沢 秦野

大山三峰山山頂
その他のコース
・土山峠〜辺室山あるいは大山から稜線をつなげて歩くことができます
交通機関
本厚木駅から上煤ヶ谷・宮ヶ瀬行き「煤ヶ谷」下車
厚木バスセンターから七沢行き「広沢寺温泉入口」下車
詳細時刻については、以下のホームページを参照願います。
 神奈川中央交通


Nifty FYAMA 投稿文

大山三峰山〜雨の中、蛭出没

そろそろ梅雨明けかと考えつつ、体力向上を図らねばと思っていましたが、山を予定した20日は天気予報は曇り、体調もすぐれずということで、当初考えていた、丹沢主脈はやめて楽そうな大山三峰山に挑戦しました。しかし想像以上に登りがいがありました。

【日 程】99年7月20日(火)
【目 的】もう少し丹沢の山を歩いてみる。の手始め。
【天 候】雨のち晴れ
【コース】0930 煤が谷バス停 → 1045/53 物見峠分岐 → 1120/30 稜線 →
     1250/1325 大山三峰山山頂 → 1430/45 不動尻 → 1550広沢寺温泉入口
【山 名】大山三峰山 934.6m
【メンバー 】単独
【山 域】丹沢
【参考書】東京付近の山(実業之日本社)
     東京周辺ワンデイハイク(山と渓谷社)
     エアリアマップ 丹沢
曇りの天気予報だが、降水確率は20%程度だったので、降らずに保ってくれれば、明日からの晴れの予報に、後半は確実に良くなってくれるだろうと考えて出発した。しかし電車を乗り継いで本厚木で降りてみるとなんと雨が降っているではないか....これで3回連続雨の山かと多少うんざりしながら駅前に丁度止まっていた上煤ヶ谷行きのバスに駆け込んだ。車内には中高年ハイカーのグループが1組賑やかに乗っていたが、彼らは最初から温泉に直行することに決めたらしい。結局山が近づいてきてもほとんど雲の中で、煤ヶ谷のバス停で降りても、やはり雨。バス停の先でさっそく雨具を着込んで出発した。
不動尻への道と別れて、物見峠への道に入る。しばらくして民家が切れて山道の入り口になると、そこには衝撃的な看板が出ていた。曰く「ここでヒルを落とさないで下さい。民家の中に入ってきて困ります。」ということである。この様な看板が2つくらい立っていた。時節柄いやな看板である。おまけに今日はいかにもという、蒸し暑い雨の日なのであった。こりゃ久しぶりにご対面かなと思いつつ畑の横の道を辿って山の中に入っていった。
物見峠への道は、峠道らしくゆったりと高度を上げていく歩きやすい道である。しかし、稜線を通らないこともあってとにかく蒸し暑いことこの上ない。歩き出してすぐに、Tシャツに雨具という格好にしたがそれでも相当不快である。スカッと晴れて暑くて汗が出るのはいいが、こういうのはいまいちである。途中道の傍らで休んでいる人が、あっヒルだっ、などと言っていたので本当にいるらしい。でもとりあえず足下でうろうろしているのは見えないので、大丈夫だろうと先に進む。なんとか物見峠と山の神との分岐まで1ピッチで頑張ろうと思ったが、途中で暑さと体調不良であえなくダウンする。道に座り込んだら、顔から汗が滝の様に流れてくる。そして座っていると、ヒルが雨具の膝のあたりを登ってくるのが見えた。なるほど、丹沢のヒルは初めて見たが細くて糸のようなヒルであった。かつてお友達だった鈴鹿のヒルはもっと太かったと思う。とりあえずつかまえて丸めて指で遠くにとばしてやった。
物見峠の分岐まではさらに鹿柵を2つくぐる。扉の開閉でなく、あいた穴をくぐる様になっている。まだまだ暑い中、先を思いやりながらゆっくり登る。物見峠との分岐にはベンチがあり、雨もやんだようなので、雨具を脱いでTシャツ姿になった。しかし、コースタイムを相当オーバーしているのでちょっと情けない。まあ、丹沢のエアリアマップはコースタイムが全体的にきつめという印象はあるのだが....
物見峠には向かわず稜線に直接出る道を辿る。雨具をとったら、いきなり道に草木が被るようになり濡れてしまったが、面倒なので適当に払いながら構わず進む。しばらく登ると山の神である。山の神は広場やベンチのある祠で、山中のこのような場所にあるものとしては立派に維持されていると思った。再び、しばらく登ると稜線に出て、ここにもベンチがあり休憩した。
三峰山に向かっての稜線の道は、あと600mの地点までは、緩やかなアップダウンでとガイドブックには書いてある。事実そうなのであるが、一カ所だけ階段の急登があった。その後右側が崩壊している場所を通るが、このあたりは草木がよく茂って道を覆っているため足下が見えず、しかも登山道のすぐ脇から崩壊して切れ落ちているため、あまり気分は良くない。稜線はいままでの登りとは違って、自然林が主体となり、また明るく樹間からほとんど雲に覆われてはいるが、主脈の方も見渡せるのでそれなりに気分が良い。それに稜線にでると少なくとも風が通って暑くない。
やがて左側の樹林の中に、まるでテント場のような広場が見えてくると、あと600mの標識があり、三峰山への登り口である。ここからは長い階段の急登りをいくつかこなし、高度をどんどん上げていく。上り詰めたところで尾根は直角に左に曲がる。どうもこのあたりが北峰なのかもしれない。今までもやもやした、雲の中を歩いてきたが、このあたりで霧が晴れた様に視界が澄んできた。とりあえず低い雲の中から抜けた様だ。いくつかハシゴや鎖のあるアップダウ ンを越えていくと、正面に2つピークが並んでいるのが見え、雲がかからずにハッキリと見えた。中央峰とその手前のピークのようである。下って登り返すと、あと100メートルの標識。そしてもう一度登り返して中央峰の山頂であった。
山頂はベンチがあり、少し小雨がパラついたがベンチで軽食をとった。木の下で3人の先行者が休んでいたが、ヒルにやられたと言っている。しかも、いま見つけている最中で、お互いに背中などチェックしあっており、時々あっ!!と驚きの声がとぶ。見せて貰ったが1人は足が鮮血に染まっており、今しがたお腹にいたヒルを取った方は、しばらくしてシャツが赤く血に染まってきた。刑事ものの一シーンのようである。小さなヒルだが、斯様に血が止まらない。私は被害が無かったが、ひょっとしたら先行した方が連れていってしまったのか、また休むとき一応足下を眺めて気をつけていたからかもしれない。
山頂を発って、時折振り返りつつアップダウンを繰り返すと南峰のちょっと平らな山頂に着く。このあたりの道標の三峰山の三を、八に書き換えてあった。気持ちはわかる。そこから大きく急降下して、穏やかな尾根となり、道標は無いが、大山に続く尾根と別れて不動尻に向けてどんどん下っていく。つづら折りに下る急降下は、自然林の中で登りにとった道よりは雰囲気が良い。このあたりで、また雨が落ちてきたので雨具を着た。下るに従って、だんだん沢音が近づいてきて、やがて沢と沿うような道になり、滝を眺めながら下っていく。ちょうど道の近くから水が湧きだして流れとなっていたので、冷たい水を楽しむことができた。沢を渡り返したり、1枚岩の鎖場を下ったりしながら降りていくと、今度はなぜか薄日もさして来始め、不動尻のキャンプ場に到着した。
不動尻のキャンプ場は閉鎖中であるが、施設やバンガローは荒れてはいるものの、まだまだしっかりしているように見える。やめたのか、季節でないので開いていないのかはよく分からない。あとは広沢寺まで車道を歩く。道中はユリの花なども咲いていて初夏を思わせる。途中長く暗いトンネルの中を歩いて行くことになるが、ここはあまり気持ちが良くない。でも、真ん中あたりで、拍手したり、声を出したりはしてみた。当初余裕があれば鐘ヶ岳にでも寄っていこうと思ったが、いざ現地になるととてもその気になれないのは、いつものことである。広沢寺までの車道は不動尻から1時間。だんだん日差しも強くなり、仏果山の方は雲はもう全く無くなっていた。広沢寺温泉入口バス停前のコンビニの前でジュースを買って飲んだが、すでに日差しは夏の日差しであった。梅雨明けももう近い。



今回は、体調が思わしくなく、また雨で暑いという条件の中で、コースタイムをかなりオーバーするような、情けない行程になってしまいました。とにかく登りは鬱陶しいというか、疲れたというか....山頂近くまでいくと涼しくなってよかったのですが。しかし、ヒルの被害はひどいもんですね。
季節はもう夏の予感を感じました。そろそろ梅雨明け宣言が期待できそうです。