大室山

 1587.6m

山域:丹沢
2002.12.21


TeihaiMLの忘年会が丹沢のコテージで行われるとのこと。最近泊まりは無理という事情もあり、見送りかなと思っていたのですが、当日に登るプランがあったので、参加させていただきました。天気は決して良くはなかったのですが、久しぶりの雪の山でした。

天気予報は雨で、松田に着いた時にはすでに重い雲がかかっていました。新松田の駅前で、本日同行していただける方々と合流です。MLで良く存じ上げているつもりでも、実は初対面。こういうのは楽しいものです。一通りのご挨拶のあと、西丹沢自然教室を目指しました。
車が丹沢湖にかかるころにははっきりと雨になりました。もう少しもってくれるかと期待していたのですが、これではスタートからずっと雨か雪が降ったままになってしまいます。車も疎らの駐車場についてみると、濡れるのがはっきりと気になるほどのしっかりした雨でした。今日の行動について再考することとなりましたが、最終的には予定通りの出発となりました。
近郊の山では珍しく、最初から雨具をつけての出発です。用木沢出合まではキャンプ場が並ぶ中での車道歩きですが、前回ここを歩いたのは1997年のこと、5年ぶりですが、少しづつ記憶が蘇ってきます。といっても、見て初めてそういう場所があったということを思い出す程度ですが。いくつかのキャンプ場を通過しそれらも見えなくなると道は用木沢にかかる橋を渡って登山口の用木沢出合に到着しました。
用木沢出合からは大きな堰堤を渡る立派な橋を渡ることからスタートします。そのあとは、堰堤を越えたり、そのためにできた河原を歩いたり渡渉したりの道が続きます。立派な橋や小さな木橋も何度か渡りました。雨は降り続きますが、幸いメンバーに恵まれ、楽しく賑やかに歩いて行きます。雨具が視界を遮るため、どちらかといえば地面ばかりを見て歩いているのですが、時折見る苔むした岩に風情を感じたりしておりました。
用木沢をどんどん登っていくと、やがて流れも細くなり豊かな自然の中を行くようになります。このあたりは、足元に鹿の糞も多く、たくさんの小動物の生活する森でもあるのでしょう。やがて用木沢の本流から分かれ、枝沢に沿うようになると、傾斜も急になってきます。そして、ついに雨がみぞれのようになり、それも僅かで本格的な雪となりました。最後の急登を登り笹を分けてたどり着いた犬越路はすでに銀世界でした。
犬越路の避難小屋は満員の盛況でした。この天候のためここで打ち止めとして宴会に突入したグループもあれば、これからの為に鋭気を養うグループもありといったところです。喧噪の中で休憩するうちに先を目指すグループは次々と出発して行きましたので、我々も腰を上げます。この休憩の間に木々にも雪が降り積もり、全くの雪山の様相なりました。
小屋からでて、しばらくはジグザグの急坂を登りきると緩やかな笹の平地を通ります。このあたりが大杉丸なのかな?と考えながら進みます。その後アップダウンがあり、ベンチのある小さなピークで先行していた3人グループに追いつきました。ここから我々がバージンスノーに足跡を残しながらの道となります。鎖のある急な下りがあったあとは、概ね緩やかな登りが続きました。四囲はまったく白い世界で周囲の山々との相対的な位置を計るすべもなく、ただひたすらの登りです。時折顔を上げて回りを見ると、木々に雪の積もった姿が美しかったことが印象に残りました。
コースタイムからしてそろそろ稜線では?と思う頃からだんだん傾斜が増してきました。気温も下がり、風も出てきています。急坂に足を滑らせて手を付いたりすることも多くなりましたが、問題は普通の毛の手袋であることです。雪が付くと溶けて水になり、それが外気に触れてとても冷たく感じます。もう少ししっかりしたものを持ってくるべきでした。最後の登りはどうもジグザグになっているような雰囲気もありますが、すっかり隠れてしまっている中で、我々はほとんど直線的に登っていきました。コースタイムはとうにオーバーしてしまい、稜線のい標識を見た時はやっと着いたかという感じでした。
ここから先頭を歩かせていただき、雪を蹴ってほとんど平坦な大室山の山頂への道を辿ります。ブナ林に囲まれていると思われる大室山の山頂は全く静かなもので、今日初めての客を迎えてくれました。やがて、途中で追い越したの3人も到着し、束の間のにぎわいとなりました。
これからの行程は、計画では加入道山経由となっていましたが、登りに予想以上に時間のかかったことや、トレースもまったく埋まっていることから、途中で日没になってしまう可能性もあるため、往路を引き返すことになりました。もちろん、下りは快調ではありますが、僅かの間にすでにトレースは埋まってしまっていました。それほど間違いやすい所はないので、登りの記憶を遡って下って行くわけですが、雪が木の階段や斜面を隠してしまっているので、うっかりするとすぐ足を取られてしまいます。長い下りのあと、数回のアップダウンを経て、最後の犬越路への急坂を下りますが、特に最後の下りでは何度も転んでしまいました。
犬越路の避難小屋は行きとは違って深閑としていました。行きに食事をしなっかた私はやっと弁当です。しかし箸や暖かい飲み物も持ってきていなかったので、皆さんのいただきながら、一人お世話になりっぱなしの食事でありました。
犬越路から源頭部の急坂を下るとほっと一息というところでしょうか。下るにつれて積雪も少なくなり、シャーベット状になってきました。チェーンも何も無い車が雪に埋まってやしないかという恐怖と戦いながらの登りでしたが、これで大丈夫と確信しました。往路の通りの道を行き、用木沢出合から西丹沢自然教室の方へと下っていくと、途中で今晩の忘年会幹事の方々に会いました。忘年会参加に後ろ髪を引かれつつ、ここは残念ながら失礼をさせていただきました。シャーベット状に水の貯まった車道を歩き、自然教室に着いた頃にはすっかりあたりは暗くなっていました。

大室山はいつかはと思いつつ、なかなか行けなかったのですが、ついに初登頂です。ブナに囲まれた雰囲気のいい山頂のようでしたが、今日は一面の銀世界で、また違った大室山の姿だったと思います。このシーズン初めての雪は、降雪途中に登っていくという厳しいものになりましたが、なかなか充実したものでした。 今回はいろいろと皆様にはお世話になりありがとうございました。私としては、ただひたすら後ろをくっついていただけのラッセル泥助でした。この場を借りて御礼申し上げます。

本文中の写真

  • 苔むした犬越路への道
  • 雪の積もり始めた犬越路
  • 大室山への登りでの積雪の木々



  • 記録

    日 程

    2002年12月21日(土)

    天 候

    雨のち雪

    コース

    0925 西丹沢自然教室 → 0953 用木沢出合 → 1108/30 犬越路 → 1330/40 大室山山頂 → 1440/1515 犬越路 → 1617 用木沢出合 → 1645 西丹沢自然教室

    すっかり雪に埋まった大室山頂


    参考図書・地図 その他のコース
    エアリアマップ 丹沢
    アルペンガイド 丹沢(山と渓谷社)
    25000図 中川 大室山
    50000図 秦野 上野原
    月夜野・道志方面からは、
     神ノ川の日陰沢橋から
     道志の大渡・野原・笹久根などから
     のコースがあります
    西丹沢自然教室からは本コースの他に
     白石峠から加入道山経由で到達できます。
    バス
    富士急湘南バス
    新松田発 西丹沢自然教室行き 約70分