「道の駅どうし」の片隅に車を止め、出発準備とします。地図を見ながら目指す鳥ノ胸山は？と探してみると、どうも正面にある山がそのようで、あまりにも近くて拍子抜けという感じです。それでも、ここから標高差で５００ｍ。冬の日溜まりの、丁度いいハイキングコースといった感じでしょうか。道の駅から道志川を渡り、バンガローなどのある車道にそって歩いていきます。もう道の駅が対岸の下の方になっているので、随分登った気分です。グリーンロッジの前を過ぎ、林道の終点の広場に着くと、登山口を示す標識などがありました。
しばらくは、薄暗い植林地を歩きます。少し進むと足元に小さな標識があり、左へと登って行く道を示しています。ここは、注意していないと、そのまま直進してしまうかもしれません。緩やかな尾根道をしばらくはゆっくり登って行きます。片側は雑木林になっていて、明るい日差しが差し込んでいました。
しばらく登ると、再び林道に出ます。といっても荒れた崩壊の激しい道で、車輌の通行は無理のようです。日陰になって雪の積もった道を回り込んでいくと、登山道への標識があり、再び山道の登りとなりました。
ここからは、階段も時々現れる急坂になり、つづら折りに登る部分もあります。しかし、時々植林地が現れるものの、全体に冬枯れの雑木林の中の明るい道で、大変楽しく登っていけました。時々振り返ると、富士山や御正体山、甲相国境の山々とその中で一際目立つ菰釣山などを眺めることができます。このあたりは西側の日当たりの良い尾根のため雪も無く、時々休みながら冬枯れの登りと展望を楽しみました。急坂を登り終えると、小さな笹の生えた肩に着きました。１１５０ｍ地点で、前方間近に山頂が見えてきました。日当たりの良いポカポカした場所で、ここで小休止し、最後の登りに備えました。山頂への最後の登りは、少し岩もある急登で、北面の尾根になる為、凍った場所もあり、滑らない場所を選びながら身体を持ち上げて行きます。しかし、それほど時間もかからず、秋葉山への分岐がある山頂の一角に立ち、あとは緩やかな道を進めば三角点のある山頂に到着しました。山頂には２人の先客がいるだけでした。
山頂は、富士山の方向が切り開かれ、いい展望がありました。そして同僚の一人が用意していた鍋を全員で腹一杯楽しみました。風が吹くとさすがに肌寒いのですが、楽しいひとときでした。
山頂からは、雑木ノ頭経由で下ります。南に稜線を辿り少し下って一旦小さく登り返したあと、植林地の中の急坂を一気に鞍部まで下りました。そして緩やかに登り返すと、きれいな雑木林の道になります。そしてたどり着いたピークは落葉樹に囲まれた静かなおちついたピークで、冬枯れの樹間越しに鳥ノ胸山の山頂が大きな双耳峰となって見えていました。
雑木ノ頭からは道志の森キャンプ場に向けて下山しました。途中から切り開かれた、若い植林地となり、国境の稜線の展望が広がりました。植林が育つまでの束の間の風景かもしれませんが、明るい道が続きました。やがて、右の植林地に入り、後は踏み跡に従って下って行きます。最後になって、キャンプ場の水を採っているあたりで、左に下れば良かったのですが、そのまま取水場を直進してしまったので、キャンプ場の上の荒れ地に出ました。そこからは少し遠回りにはなりましたが、荒れた車道を歩き、正規の登山口に出ました。道志の森キャンプ場からの道は日陰の車道で、道がカチカチに凍っていて、氷の上を歩くようで、かなり苦労して歩きました。あとは、のんびりとした田園の中をゆっくり歩き、比較的短い時間でスタートした道の駅に着きました。今日は一日穏やかな青空のいい一日でした。
