雨巻山

533.3m

山域:鶏足山塊
2002.11.16


都会の街路樹もすっかり色づいて、かなり葉が落ちるようになってきました。そろそろ近郊の低山もいい紅葉が楽しめるのではないかと思い、朝ゆっくり出発して、山に向かいました。やはり紅葉は期待通りで楽しいひとときでした。

岩瀬から県境を越え、田園の中を走り、陶芸の町益子町へと入っていきます。そして、色づく山々を眺めながら一つ峠を越えて栗生、上大羽と目指してすすむと、あたりは小さな高原のようでした。沢沿いに大川戸に向かい、流しそうめんの新しい店を過ぎると、登山口と地図が掲げてありました。ここから登れば、足尾山〜雨巻山〜三登谷山と周回コースがとれるようですが、今日は意図していなかったこともあり、予定通りさらにすすみます。途中から未舗装の道になり、休業中の大川戸鉱泉に着きました。
さらに林道は続きますが、このあたりが潮時と、車を止めて歩き始めます。未舗装の林道は木の葉がはらはらと落ちてきて晩秋のいい雰囲気です。やがて右に広い道が分岐しますが、これがメインルート登山道です。今日は沢コースを行くつもりなので、そのまま進みます。程なく林道終点で、右には危険を知らせる看板があります。きっと迷い込む人がいるのでしょう。山道は、沢に沿って延びていきます。尾根コースの分岐を過ぎ奥へと入っていくとだんだん傾斜も出てきます。小さな沢ですが、小滝もあり、またその巻もありと、変化に富んだ道でなかなか楽しいところです。要所要所はきっちり整備されており、登りであれば危険はあまりありません。岩を穿つような沢にそって往く道は、紅葉の季節ということも相まってとてもいい雰囲気でした。
やがて沢の源頭になると正面が壁のような斜面になります。ガイドブックには立木につかまって這い登るという、まさに沢登りの最後の藪こぎのような表現がありますが、実はきれいな道が斜面をジグザグに作られています。少し植林地の中を横切って、折り返しながら登ると、雨巻山の北の尾根に出ました。ここからはゆったりした尾根歩きです。斜面には立派なブナも多く生えており、近郊の低山とは思えないような素晴らしい風景でした。
三角点のある山頂は南側が切り開かれ、明るくなっています。ポストには記録簿や、登山道整備に関する意見を書く用紙と、立派な雨巻山のコース図が入っていました。いろんなコースが楽しめる山のようでした。山頂で弁当を広げながら、しばらくブナの紅葉を楽しみました。
下山は尾根コースを選びました。最初は三登谷山への稜線コースを歩きます。緩やかな尾根を少し歩いたあと、急な下降を下りしばらくいくと分岐があります。三登谷山への道と分かれ、植林の中の道を下ったあとは、はっきりした小尾根となり、雑木林のトンネルのような道を行きます。なかなか雰囲気が良く、右側には紅葉に染まった雨巻山の山頂部が樹間越しに見えていました。やがて、沢の流れが聞こえてくると、沢コースに降り立ちます。あとは往きに通った道を辿れば林道に出て、車までの僅かな歩きを残すのみでした。とても小さな行程ではありましたが、美しいブナ林に囲まれて、大満足の山歩きでした。

本文中の写真(順に)

  • 沢コースの周囲には岩場もあります
  • 尾根に出ればブナの紅葉が美しい


  • 記録

    日 程

    2002年11月16日(土)

    天 候

    曇り

    コース

    1232 大川戸鉱泉 → 1237/42 登山口 → 沢コース → 1317/35 山頂 → 尾根コース → 1355 沢コース合流 → 1405 大川戸鉱泉

    山頂付近のブナの紅葉


    参考図書・地図 その他のコース
    栃木の山120(随想舎)
    25000図 中飯 羽黒
    50000図 真岡
    大川戸から、足尾山・雨巻山・三登谷山の周回コース。
    登山口より、雨巻山〜三登谷山の稜線に上がるメインコース
    栗生側から、三登谷山や雨巻山への各コース
    など、多数あります。
    バス
    マイカー/タクシー利用となります。