仏頂山

430.8m

山域:鶏足山塊
2003.12.28


年末は天気のいい日が続きます。この日は予定が変わってなにをするとも無く過ごすような感じになっていたのですが、青空がきれいで、思い切って家を出て、手軽に低山が楽しめる笠間あたりに出かけました。

笠間から宇都宮へと向かう県道から分かれ、細い道を楞厳寺に向けて入っていくと、歴史を感じさせる山門は田園の中に立っていました。山門の脇に車を停め、歩き始めると5分で楞厳寺に着きます。このあたりの段々畑は、先日の雪で白く埋まっていますが、楞厳寺の広い駐車場も凍っていて、今日のところは山門に車を置いてきて正解でした。
楞厳寺の下から遊歩道の看板に導かれて山道へと入ります。ここは関東ふれあいの道として良く整備された道になっています。谷間の道を少し登ると、楞厳寺からの道と合流し、雪のおかげで泥んこになった杉林の中の暗い登りになりました。時々木に着いた雪が頭に落ちてきて、多少鬱陶しい感じです。やがて急な階段が現れ、これを登り切ると、植林に混じって常緑樹の多い道となります。ここには大きなモミの木などがありました。やがて尾根へと合流するように登っていきます。尾根に出ると明るい冬枯れの雑木林に変わり、その中をゆったりと登って行くようになりました。
緩やかに登り切ると、右の奥に仏頂山の山頂部が見え、やがて左側に筑波の山々が眺められる稜線歩きになりました。このあたりの清々しさは、冬の低山歩きの中でも、とても楽しい一瞬です。道は白くうっすらと積もった雪に覆われて、そして、西に傾き書けた日に霞んだ山々のシルエットは、とても美しいものでした。
道は右に向きを変え、左側が植林地になった道をゆるやかにアップダウンしたあと、登って行くようになります。やがて急な階段となり、これを登り切ると仏頂山の山頂部が大きく眼前に迫ってきました。再び緩やかなアップダウンで山頂直下までくるとここからは、山頂に向けて一直線の見上げるばかりの階段になります。段差も大きく急な階段に息が切れるところです。半分以上登ったあたりで、右側にジグザグに登ってくる道がありました。どこから登ってくるのか解りませんが、これ幸いとそちらに移ると随分歩きやすく、階段の終点まで行けました。あとはほとんど平坦な道になって、ベンチのある仏頂山の山頂に着きました。
木々に囲まれ、あまり展望のいい頂ではありませんが、北側が冬枯れの樹間越しに眺められます。長い山頂部を少し先に進むと、反対側の端は、高峯方面と茂木方面の分岐になっていました。いつか余裕のある時に高峯まで行ってみたいところです。
すっかり遅い時間なので長居も出来ず、さっそく往路を引き返します。途中、筑波の山並みが見えるあたりで、傾いた太陽に照らされる連山が美しく、しばらく眺めていました。しかし、日没まで稜線に留まるわけにはいけないので、急いで暗くなった杉林の中を一気に下り、帰りは楞厳寺の境内を通って登山口へと向かいました。楞厳寺は長い歴史を感じさせる立派な建物でした。
行きには気づきませんでしたが、降り立った遊歩道の入り口あたりは、道の上に一面にモミジが散っており、見上げるとたいそう大きな木で、晩秋の紅葉のころはとても美しいのではないかと思いました。

鶏足山塊の山を訪ねるのはもう3〜4回目になりますが、歩く時間は短くてもいつもどこか愉しい山になります。のんびりした田園の風情と、所々に残された雑木林によるものかもしれません。ずいぶんと削られてしまった山も多いのですが、この雰囲気はいつまでもそのままであって欲しいと思います。

本文中の写真

  • 樹間越しの仏頂山
  • 仏頂山山頂風景



  • 記録

    日 程

    2003年12月28日(日)

    天 候

    晴れ

    コース

    1430 楞厳寺山門 → 1435 楞厳寺 → 1520/35 仏頂山 → 1630 楞厳寺 → 1635 楞厳寺山門

    展望の尾根から、夕陽の筑波山


    参考図書・地図 その他のコース
    分県ガイド 茨城県の山(山と渓谷社)
    25000図 羽黒
    50000図 真岡
    池亀から奈良駄峠に上がり、稜線を辿る道があります。
    山頂には茂木への道標がありましたが、詳細は不明です。
    バス
    かつては、笠間駅より片庭までバスがあったようですが、今は無いようです。