加波山

709m

山域:筑波
2001.10.6


この日は少し風邪気味で、山もお休みかな?という感じでしたが、日が高くなってみれば天気もいいみたいだし、少し歩けば風邪もよくなるかもしれないと、比較的近くで、楽に歩けそうな加波山に向かいました。低山を歩き回るにはまだ少し季節が早かな?という雰囲気でした。

常磐道から降りて、関東平野のただ中に横たわる筑波山塊の麓を北進する。格好のいい筑波山への登り口を過ぎて、さらに山の裾野に沿って行くと、やがて真壁に入り、目指す加波山が見えてくる。加波山神社の標識に従って右折し、神社の脇を通って登っていく。採石場のためか、なんとなく荒れた感じの裾野をいくと、鳥居のある分岐に着く。ここが親宮道と本宮道の分岐点で、周辺の広いところに車を停めて出発した。
この先もさらに車道が延びている。不動沢に沿った道ではあるが、上流の採石場のために水は濁っている。やがて右側が採石場になり、殺伐とした雰囲気になる。四合目の看板があるところを過ぎる。「かつて寄進された石標は、採石業者により破壊された」とその看板には書いてあった。道は傾斜を少しづつ増していき、採石場が終わったところで、山道に入る。このあたりが五合目である。
道は暗い植林地の中を登って行く。今日は急ぐ旅でも無いので、ゆっくりと足を出す。やがて六合目を過ぎると、流れが道に沿ってくる。山椒魚谷であるが、なんとなく清冽なという感じではない。七合目で谷を渡りさらにジグザグに登っていく。このあたりにはノジギクなど秋の花が咲いている。10月に入っているが、標高も低く、まだまだ初秋の雰囲気だ。
少しあたりが荒れた雰囲気になると、林道に出る。これを横切り、暗い道を少し行くと稜線である。稜線にも車道が上がってきているようだ。少し石段を登ると鳥居があって、立派な加波山神社拝殿と加波山親宮拝殿の並ぶ境内に着いた。お参りして、その横から石段の道に入る。やがて左右に祠のある、苔むした露岩の道となり、一部では手すりも作ってある。そして、加波山親宮本殿・たばこ神社・加波山神社本殿と、次々と立派な祠が稜線上に現れてくる。この加波山神社本殿は、露岩の坂道を登り詰めた所にあり、一見山頂のような風情をもっていた。また、この本殿の前には、「自由の魁」と刻まれた石碑がある。加波山事件にちなむものである。
さて、行く手にはもう少し高いピークがあるようだ。ゆったりとした尾根道を行くと、祠のあるもう一つの三角点のあるピークに出る。ここは加波山本宮本殿だ。残念ながら、それほど展望のある場所ではない。山頂からは緩やかに巨石群のある道を下り、加波山本宮拝殿に出た。ここには大きな建物があり、宿泊施設もあるようだが、古くなっており、今ではあまり使われてはいないのかもしれない。
本宮拝殿の前からはいよいよ下山である。石碑の建ち並ぶ間を抜けると雑木林の道に入る。親宮道は植林が多かったが、こちらは自然林が多く、なかなか雰囲気がいい。しかし、足元から採石場の音がガラガラと聞こえているのが興ざめである。少し下ると再び林道に出た。今まで石碑などの建ち並ぶ中で、ゆっくり休む気分では無かったので、林道端に腰を下ろす。なんとなくこちらの方が落ち着くのは不思議な気分である。土の道の上を見ると、アメンボのような虫がたくさん走り回っている。ハンミョウだ。近寄ってみると、なかなか美しい虫だった。
再び林の中を下る。雑木林の明るい道だが、相変わらず採石場の音が耳障りである。長年歩かれてきた道は雨で深く掘れている。また、松の立ち枯れが下るほどに多くなり、下の方ではたくさんの倒木を越えて行かなければならなかった。
道からは見えないが、きっと採石場の縁を通っているだろうなという雰囲気の所を過ぎると、車道にでる。ここからは車を停めた分岐まではすぐであった。

加波山の花崗岩はこの地方の名産品となっているようで、石屋さんなど街道沿いに多くあります。その分、山麓は採石が進んでおり、一部殺伐とした雰囲気になっていました。しかし麓から見る加波山は、さすがに信仰を集める山らしく、格好の良く風格のある山でした。

本文中の写真

  • 七合目で、山椒魚谷を横切る
  • 加波山神社拝殿への石段
  • ハンミョウ(すばしこくて、うまく撮れませんでした)



  • 記録

    日 程

    2001年10月6日(土)

    天 候

    晴れ時々曇り

    コース

    1150 分岐 → 1213 車道終点 → 1228/32 七合目 → 1247 林道 → 1253親宮 → 1310 本宮山頂 → 1322/30 林道 → 1405 分岐

    麓から見る加波山


    参考図書・地図 その他のコース
    分県ガイド 茨城県の山(山と渓谷社)
    阿武隈・奥久慈・八溝の山(随想舎)
    25000図 加波山
    50000図 真壁
    北は岩瀬駅から、雨引山を経て縦走して加波山に至ることができます。またこの道はさらに南下して、足尾山へと続いて行きます。
    バス
    土浦駅から筑波・真壁を経て水戸線の岩瀬駅への関東鉄道のバス路線(HPには路線バスの時刻表は無いようです)があります。かつては鉄道を走らせていた区間ですが、廃線になりました。バスは1時間に1本程度で、1部途中の筑波駅で分かれるような運行形態になっており、岩瀬駅から乗る方が便利かもしれません。
    TEL 0298-66-0510