竪破山

 竪破山 658.3m
 山域:阿武隈

記録
 山行日1995年8月14(月)
 ルート登山口→竪破山→太刀割石→登山口
 コースタイム1430登山口→1510/1530竪破山→太刀割石→1600登山口
 天候晴れ

阿武隈山地は標高は低いが、どこまでも山並みの続く緑の絨毯のような山脈である。個々の山は道路がなければとても山深い場所にある。そんな阿武隈を一度訪ねてみたいと考えていたが、苗場山から帰宅した翌日の好天にさそわれコースタイムも短い竪破山に向かった。

竪破山の由来は、八幡太郎義家が遠征途中山頂の黒前神社で戦勝祈願を行った時、授かった太刀で大きな岩を割ったと伝えられ、後年それ水戸光圀公が太刀割石と名付けた。この太刀割石が変化して、「たつわれ」から竪破山となったといわれている。
林道を少し入り、駐車場のある登山口から登り始める。よく踏まれ整備された道は巨木も点在し、またいろんな形の岩を見ながらの登りである。「不動石」「烏帽子石」「畳石」などと名付けられている。やがて雨乞池までくると鳥居をくぐり石段を登って黒前神社に達する。神社の境内にも奇岩が配され、名前がつけられている。神社の裏手に回ると三角点のある山頂で展望台が設置されており周囲の阿武隈の山並がぐるりと見渡すことができた。その光景は期待に違わずどこまでも続く緑の穏やかな山並であった。
帰路太刀割石の方に回る。みごとに真っ二つにすっぱりと割られた岩だ。確かに伝説を作り上げるような不思議な光景である。
そろそろ夕刻を迎えようとしている。このように人々の歴史が刻まれた里山で迎える夕刻は、中部山岳の山深い場所での夕刻とは異なり、かつてこの山の歴史に刻まれた人々の思いがじわじわと染みだしてくるような気がして、異様な畏怖の様な感覚におそわれた。


参考図書・地図
アルペンガイド奥日光・足尾・那須(1993年7月第2刷)
25000図 竪破山
50000図 高萩

太刀割石
その他のコース
登山口から林道を直進し、峠より尾根伝いに神楽石などを経て山頂に至るコースがあります。
交通機関
常磐線十王駅より「黒坂」行き椎名観光バスで終点下車
時刻は、日立市ホームページを参照下さい。
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