土岳

 土岳 599.2m
 山域:阿武隈

記録
 山行日1998年4月19日(土)
 ルート津智岳橋登山口→土岳→土岳林道→中戸川登山口→津智岳橋登山口
 コースタイム0925 0525 津智岳橋登山口 → 0550 土岳神社分岐 → 0605/0615 土岳 → 0630 土岳林道 → 0705 中戸川登山口 → 0735 鳥曾根 → 0800 津智岳橋登山口
 天候晴れ時々曇り

近々我が家にも新しいメンバーが増えるということもあって、しばらく山から遠ざかっていると、やはりそれはそれで禁断症状があらわれてなんとか出かけたいと思うようになる。そして何とか間隙を縫って寄り道をして短時間に登れる山へと向かったのであった。

久しぶりの山ともなると、たとえ行程の短いコースであろうともなかなか嬉しいものだが、ほとんどの山が霧の中という残念な天候が恨めしい限りである。ただ花貫ダム周辺は桜の花が最後の盛りで、新緑の色と重なって山肌のパステルカラーに染まっているのが美しい。
津智岳橋の登山口からのよく整備された登山道はしばらく暗い植林地の中をジグザクに登ったあと尾根の直登となる。湿った冷たい空気の中に、強い森の香りが漂っており、久しぶりのこの空気をとても懐かしく感じた。道に大きな露岩が目立つ様になり、手も添えながら登っていくと、土岳神社への分岐があった。興味はあるが濡れた笹がかぶっており、今日は通過してしまう。周囲の笹の背が少し高くなってきて露岩がなくなるとまもなく尾根の肩に登りつき、そこからは頂稜上のゆるやかなアップダウンを、どちらかというと下り気味くらいの雰囲気で進んでいく。やがて周囲が大きく開けたところに出ると、頂上はすぐその先であった。
山頂部は芝の庭園といった風体で、庭石の様にいくつかの岩も配置されている。晴れていれば、なによりのんびりと横になりたい様な風情のはずである。今日は残念ながら、山頂部の端から反対側が霞んでしまうくらいの霧であり、多賀山地の展望台ともなるらしいこの山頂も深く霧の中に沈んでしまっているのだった。
下山は中戸川を目指す。少し下ると道が広くなった。こちら側は最近木を切り出す為に通したのか、頂上近くまで車道が交錯しながら延びてきて、かつての山道を寸断している様だ。途中下山の道標が壊れており妙に中途半端な方向をしめしていた。かまわず広い道の方に下ったが、しばらく下ると立派な舗装された林道に突き当たってしまった。山頂からわずか15分である。どこに出るか解らないので不安ではあるが、ここから中戸川と思われる方向へと林道を下っていった。
林道は長い植林の中を抜け、三叉路で山間の穏やかな農村風景の広がる明るい道に飛び出した。霧雨の中の風景を楽しみつつのんびり歩くと、中戸川に本来下ってくるべき土岳登山口の標識があった。車道をひたすら歩き、鳥曾根から花貫渓谷に沿って登っていく。途中の釣り橋付近の大きな釜を持った小滝と津智岳橋登山口周辺の小滝を含む緩やかな流れはなかなかの見所で、時々沢に降りて渓流を楽しみつつ車道歩きの長かった山行を終えた。


参考図書・地図
分県登山ガイド茨城県の山(1993年5月初版)
25000図 竪破山 高萩
50000図 高萩

花貫渓谷にて
その他のコース
基本的には本文コースのみのようです。
交通機関
バスは平日朝の上り1便と夕方下り2便のみ。
高萩駅→大能行き
詳細時刻については、以下のホームページを参照願います。
 日立電鉄交通サービス
マイカーを推奨します。


Nifty FYAMA 投稿文

土岳 【阿武隈】

しばらく山に行ってないと禁断症状があらわれてうずうずしてきます。しかし、諸般の事情で最近の休日は山に行けない日が続いていますが、そうであれば間隙を縫ってということで、妻の実家の銚子に帰る途中で、昼から行くということにして、寄り道してみました。

【日 程】98年4月19日(土)
【目 的】土岳
【天 候】曇時々雨
【コース】0525 津智岳橋登山口 → 0550 土岳神社分岐 → 0605/0615 土岳 →
     0630 土岳林道 → 0705 中戸川登山口 → 0735 鳥曾根 →
     0800 津智岳橋登山口
【山 名】土岳 599m
【メンバー 】単独
【山 域】阿武隈
【参考書】ヤマケイ・分県登山ガイド茨城県の山

1.登山口まで(千葉〜高萩・登山口)

久しぶりの山ともなると、たとえ行程の短いコースであろうともなかなか嬉しいものである。最終的には銚子に行くので、そちらに近い山ということで茨城の山にした。阿武隈はかつて竪破山を登ったことがあるので、そのご近所ということで土岳を選んだ。
千葉を午前3時過ぎに出発して久しぶりの常磐道を走る。水戸あたりでうっすらと明るくなり始めたが、日立あたりのトンネル地帯はほとんどの山が霧の中で、残念ながら予報通り天候は良くない様だ。途中花貫ダム周辺を中心に、桜の花が最後の盛りで、新緑の色と重なって山肌はパステルカラーに染まっており、この季節ならではの風景が広がっていた。
津智岳橋の登山口は高萩ICから意外と近く、着いたのは低山への出発時刻にしては非常に早い5時15分くらいであった。

2.土岳

よく整備された登山道は、しばらく暗い植林地の中をジグザクに登ったあと尾根の直登となる。湿った冷たい空気の中を適度な傾斜で登っていくと、強い森の香りを感じる。久しぶりのこの空気はとても懐かしく、低山にいても深い山にいる雰囲気である。そこそこの傾斜に汗をかきつつ登っていくと、だんだん道に大きな露岩がも目立つ様になり、時折手も添えつつ登っていく。しばらくすると、土岳神社の標識があったが、興味はあるものの濡れた笹がかぶっており、遠慮することにした。そこから周囲の笹の背が少し高くなるが露岩はなくなり、やがて尾根の肩に登りつく。
頂稜上はゆるやかなアップダウンの道となり、どちらかというと下り気味くらいの雰囲気で進んでいく。やがて、周囲が大きく開けたところにでた。晴れていればとても気持ちのいい所だと想像できるが、今日は白く煙っている。そこから程なく頂上の一角にたどりついた。
山頂部は芝生の庭園といった風で、庭石の様にいくつかの岩も配置されている。晴れていれば、なによりのんびりと横になりたい様な風情のはずである。残念ながら、山頂部の端から反対側が霞んでしまうくらいの霧であり、今日のところは多賀山地の展望台ともなるらしいこの山頂も靄の中に深く沈んでいるといったところであろうか。山頂には三等三角点もあった。

3.下山

下山は中戸川を目指す。少し下ると道が広くなった。今は草が繁っているが、どうやらかつて車を通した道のようだ。山頂部はかつて牧場になっていたというから、その頃の名残であろうか。やがて道は広くなりいろいろと交錯するようになる。下山の方向は道標が時折現れて示してくれるが、登って来ると山頂を示す道標は無く、交錯した道に何度も迷ってしまうのではないだろうか。
荒れた車道が少し広いところにでたところで、下山の道標が壊れており、妙に中途半端な方向をしめしていた。かまわず広い道の方に下ったが、どうもこれが間違いだった様だ。そこからしばらく下ると、立派な舗装された車道に突き当たってしまった。山頂からわずか15分である。どこに出るか解らないので不安ではあるが、中戸川と思われる方向へと林道を下っていった。どうも方向がずれながら下っているので不安でもあり、本来の下山口からでも、駐車場まで1時間行程なので、さらなる距離延長を考えると少々うんざりするが、ここは平行して流れる小川のせせらぎに励まされつつ、植林地の中の暗い道を下っていった。
やがて道は三叉路で明るい道に飛び出した。山間の穏やかな農村風景である。霧雨の中ではあるがなんとなく楽しみながらのんびり歩いていく。そしてやっと、中戸川に土岳登山口の標識を見つけた。中戸川の集落を抜けていくと1日1便しかないバスが小学生を1人乗せて走っていった。かなり歩き飽きたあたりで鳥曾根に着き、そこからは花貫渓谷に沿って登っていく。途中の釣り橋付近の大きな釜を持った小滝はなかなかのものである。見所はこの滝と津智岳橋登山口周辺の小滝を含む緩やかな流れである。時々沢に降りて渓流を楽しみつつ車道歩きの長かった山行を終えた。



途中道を誤ったせいもありますが、2時間半のうち1時間半が車道歩きという、大変アンバランスな山行になってしまいました。天候も午後から晴れてきただけにちょっと残念でした。ただ、久しぶりの山の空気の中を歩けたことは良かったと思います。コースとしては、往復プラス花貫渓谷の散策程度がいいところだけ見られていいかもしれません。
ガイドブックに書いてある下るコースは、どうも別のコースみたいな気がします。結構いいコースみたいに紹介されているので。