禿岳

 禿岳 1261.7m
 山域:鬼首周辺

記録
 山行日2003年8月15日(金)
 ルート花立峠→禿岳(往復)
 コースタイム1310 花立峠 → 1352/57 5合目 → 1432/40 禿岳 → 1503 5合目 → 1541 花立峠
 天候

最近もっぱら夏休みは家族旅行となっているのですが、旅行中合間を縫って山を巡ってきました。今回の旅行先は、鳴子・鬼首だったので、手軽に行けるのは禿岳が一番と思い、予定しましたが残念ながら未だに梅雨のような気圧配置で冷たい雨です。しかし、せっかくなので、風雨の中、山頂まで行ってきました。

花立峠に登る道は、途中からすっかりガスの中になってしまいました。峠は、宮城側は舗装路ですが、山形側はあまり道が良くなさそうな雰囲気でした。そして終始細かい雨が吹き付けているのですが、ここまできてしまったので、あとは準備するのみです。最初からしっかり雨具を着込んで、登山口の草原の中へと入っていきました。
しばらくは、笹の草原の尾根が続きます。ここはヤマユリの花がたくさん咲き、またツリガネニンジンも良く咲いているお花畑です。しかし、木がないぶん風雨に吹かれます。ゆっくりと草原を行くと、ちょっとした裸地がありますが、小さな石積みがあり、登山口の看板の言うところの賽の河原のようです。そして、そこからブナ樹林の中へと入り、早くも一合目の標識がありました。
この調子で合目の標識が出てくれば、山頂もあっという間だなぁと思いましたが、標識の間隔は実は不揃いなのでした。実際は一合目までと、五合目から七合目のあたりが、特に短く、二合目から四合目や、七合目から九合目が比較的長いのですが、初めて歩く身にはそんなことは解りません。現金なもので、急な坂道が続いたり、疲れてくると、次の合目の標識が気にかかり始めるのです。
さて、一合目はブナ林のスタートでもあります。ここから四合目までは特に素晴らしいブナ林で、樹林の中は風雨も届かず、山歩きの楽しさを堪能させてくれます。道はしばらくは緩やかにアップダウンしていきますが、平坦なところは水が溜まり泥んこ状態になっていました。
三合目を過ぎると、傾斜が少しきつくなり、四合目から五合目は本格的な急登になりました。ここは一歩一歩じっくりの登りですが、路傍には、道中でもこのあたりだけ鮮やかな青のエゾアジサイが咲いており、目を楽しませてくれました。そして急坂を登り詰めた五合目で道を横切る木に座って小休止としました。
五合目も過ぎると低い灌木帯が多くなり、明るい尾根道になります。時折右手が開けますがもちろん今日はすべて雲の中です。七合目を過ぎると小さな岩稜も出てきます。またこのあたりのアジサイはベージュ色で、かなり木の背丈が高く伸びていました。
八合目を過ぎると吹きさらしの稜線を歩くことも多くなってきます。右手東側の急峻な谷間から、ガスがとんどん上がってきて、風雨とともに吹き付けてきます。行く手にはいくつか高まりが見えますが、それも霞の中でした。九合目は石の祠のあるピークでした。晴れていれば気持ちの良さそうな場所です。そして、九合目から山頂にかけては、明るい稜線で、普段ならば素晴らしい稜線漫歩の場所なのでしょう。そして雨に打たれながら進み、立派な石の標識のある山頂に着きました。
山頂は、申し分のない展望が得られそうな場所でした。きっと、栗駒山や荒雄岳、高松岳、神室山とこのあたりの名だたる山を一望にできそうです。しかし今日は、さらに激しくなった風雨に吹き付けられる中、風を背に三角点に腰掛けてビールを飲んだのでした。
8月15日にしてはあまりに寒い日でした。濡れた手がかじかんでくるくらい気温の低い日です。山頂をあとにしばらくは吹きさらしの稜線を、風雨にしばき回されながら下って行き、八合目を過ぎて樹林の中に入って一安心でした。あとは往きの道を下るのみですが、やはり四合目から下のブナ林はとても素晴らしいと改めて感じました。そして、車にたどり着き、再び家族の元へと戻っていったのでした。

禿岳の山頂付近は晴れていれば本当に気持ちよさそうな感じでした。でも、雨のブナ林もなかなか良かったのでよしとします。せっかくの機会だったので、登ってこれただけでも良しとしましょう。ただ、困ったことにもっとこのあたりの山を登りたくなったのでした。

本文中の写真

  • 登山道のブナ林
  • 九合目南峰の石祠
  • 九合目から山頂に向かう道より山頂を見る

  • ヤマユリエゾアジサイ
    参考図書・地図
    昭文社エアリアマップ栗駒・早池峰(1994年版)
    25000図 向町
    50000図 鳴子

    禿岳山頂
    その他のコース
    鬼首側の田野原より、新中峰コースがあります。
    もともとは中峰コースがあったのですが、地震による崩壊の為、新たにもう一つ北側の尾根に付け替えられて、新中峰コースとなったようです。
    また、山形県側は最上町からも、水無沢川の上流の二股から尾根通しの最上コース登山道があります。
    交通機関
    鬼首へは、陸羽東線鳴子温泉駅より大崎市営バスの利用になります。
    時刻は鳴子温泉郷をご参照ください。
    温泉
    一帯は鬼首温泉郷になります。鳴子温泉郷をご参照ください。
    日帰り専門としては、すぱ鬼首の湯などが便利かもしれません。