中央蔵王

 熊野岳 1841m 刈田岳 1757.8m
 山域:蔵王

記録
 山行日2003年8月19日(木)
 ルートユートピアリフト終点→イロハ沼→熊野岳→刈田岳→レストハウス
 コースタイム0850 ユートピアリフト終点 → 0905 イロハ沼 → 0925/30 御田之神 → 0955/1000 ワサ小屋跡 → 1020/25 熊野岳 → 1035/1100 馬の背 → 1130/35 刈田岳 → 1140 レストハウス
 天候晴れ

夏休みの東北の山も最後になり、山形に泊まって蔵王に向かうことにした。蔵王といえば、樹氷・スキー・お釜と観光地として馴染み深く、またわずかな歩きで美しい景色が楽しめそうでもあり、疲れのみえる行程の最後には丁度いいかもしれない。とはいっても少しでもハイキングを楽しもうと、ロープウェイの途中から登って行った。

山形駅前のバス停には、登山者が数人たむろしていたが、ほとんどが月山口行きのバスを待っており、蔵王温泉行きに乗ったのは2人だけだった。温泉周辺で働く人たちを乗せた始発のバスは、緑鮮やかな道を山の中腹に登って行く。青空が澄んでおり、今日も展望が楽しみである。バス停からは一番遠くにある蔵王ロープウェイは、2本乗り継ぐと1700mの地蔵山付近まで行ってしまうが、少しは歩いて登るべく中間駅の樹氷高原で降りて、イロハ沼までのリフトに乗りつぐことにした。リフト終点から振り返ると、飯豊と朝日連峰が雲の上に頭を出してどっしりと聳えており、山行のスタートから空気も澄んで素晴らしい展望を楽しむことができた。
観松平の周遊をパスすると、すぐにイロハ沼に出る。あまり広くはないが、綺麗に整備された荒れていない湿原で、地塘も多く美しい所であった。イロハ沼を過ぎると整備された道をただただゆったりと登っていくこととなり、途中右側が開けたところでは、これから登る熊野岳の急峻な西面が眼前に広がって、なかなか荒々しい山だと思った。
蔵王温泉からの道を合わせると、御田碑に着く。ここから少し傾斜が急になり、すぐに森林限界から出て、地蔵山や熊野岳、そしてとりあえずの目標のワサ小屋跡まで見渡せるようになった。明るく気持ちいいが、あまりにも遠望が効き、結構気ばかり焦ってしまうところであった。地蔵山の山腹を巻く道はだんだん傾斜が緩くなり、最後は砂ザレた道を登ってワサ小屋跡に着く。一人だけの静かな道は終わり、地蔵山の方からのロープウェイで登ってきた人たちと歩くようになった。
ワサ小屋から熊野岳への登りは急登で、岩のゴロゴロした道をペンキに沿って登っていく。左方向の避難小屋に斜めに登る道もあるが、そちらに行って戻った方が楽なのかもしれない。息を切らして登りきると、熊野神社のある平らな山頂で、360度の大展望が広がった。雪の白く残る月山、大きな朝日と飯豊、ゆったりとした吾妻と東北の大きな山々を見渡せる贅沢な展望を楽しむことができた。
山頂から斜めに下る道を馬の背に降り立つと、あの蔵王の象徴のお釜である。写真でしか見たことがなかったが、これはなかなかのもの。さすがに日本を代表する観光名所だ。熊野岳寄りは観光客も疎らで、しばらく座り込んでお釜の見ながら休憩した。
最後は馬の背を歩いて刈田岳に向かうと、お釜は少しづつ角度を変えていく。観光客でごった返す広い道を刈田岳に登って、神社の脇にある半ばコンクリートに埋もれかけた三角点を確認し、熊野岳を振り返る。お釜を前景にした熊野岳だが、こっちからみると台地状で今一つ。やはり、登ってくる道から見た西面が急峻でいい。次回は是非行ってみようと、南蔵王の杉の峰や屏風岳の穏やかな稜線を眺めつつ、レストハウスから白石蔵王駅行きのバスに乗った。


参考図書・地図
アルペンガイド 東北の山(1993年8月第1刷)
昭文社エアリアマップ 蔵王(1999年版)
25000図 蔵王山
50000図 上山

イロハ沼付近からの熊野岳
その他のコース
坊平〜熊野岳
賽の磧〜熊野岳
その他東側、西側双方から多数コースがあります。
交通機関
山形駅より蔵王温泉行き。
(休日は刈田岳山頂までの運転あり)
時刻は山交バスをご参照ください。
白石蔵王駅より蔵王刈田山頂行き。
時刻は宮城交通をご参照ください。


Nifty FYAMA 投稿文

蔵王熊野岳〜刈田岳 お釜観光

No.1999-21

安達太良/吾妻は予定通りどころか予定より早くこなしてしまったので、次はどこにしようというところですが、選択肢としては、西吾妻から南に下って、翌日に磐梯山か、北に下って蔵王かというところでした。しかし疲れた〜って感じで北に下ったので、蔵王に行くことにしました。
本当は蔵王は南蔵王を不忘山まで縦走してみたいのですが、熊野岳とかで遊んでいると時間切れになりそうですし、もう2日歩いたので、きついのはいいやって感じで、観光コース的登山に徹することにしました。

【日 程】99年8月19日(木)
【目 的】蔵王登頂とお釜観光
【天 候】晴れ
【コース】0850 ユートピアリフト終点 → 0905 イロハ沼 → 0925/30 御田之神
     → 0955/1000 ワサ小屋跡 → 1020/25 熊野岳 → 1035/1100 馬の背
     → 1130/35 刈田岳 → 1140 レストハウス
【山 名】熊野岳 1840.5m 刈田岳 1758.0m
【メンバー 】単独
【山 域】蔵王
【参考書】ヤマケイアルペンガイド 東北の山
     エアリアマップ 蔵王

前日バス停を確認しておき、駅の近くのホテルを出てバス停に向かった。山形駅前のバス停には、登山者が数人たむろしていたが、蔵王温泉行きのバスに乗ったのは2人だけ。実はすぐあとに月山口の方に行くバスが出るのである。そこそこのザックの人が月山・大きなザックの人は朝日と見たがいかがなもんだろう。しかしその様な人たちの前で、蔵王温泉行きのバスに乗るのは、「なんだ蔵王か」と思われているような気がする。
さて、朝の温泉行きのバスは途中から温泉周辺で働く人たちを乗せて走っていく。蔵王温泉は銀行もあるなかなかの町で、昨日のうちに入っていれば良かったと思った。温泉街というより、スキー場街を歩いて一番遠い蔵王ロープウェイまで行く。まだ動いていないので待っていると、突然観光バスがやってきて、団体で〜す、とか言ってまだ切符売り場が開いていないのに、臨時のロープウェイを出してどやどやと乗っていってしまった。なんとなく気分悪いので、係員に「いつ切符売るの?」とブツブツと不機嫌そうに言ってしまった。あっ、この件だけで、ロープウェイに人たちはみんな親切でいい人でした。単に、制度上の問題です。ハイ(^^;;
切符を買って乗り場に行くと、始発の前の係員輸送の段階だったが、客3人も一緒に乗せて貰った。ロープウェイは2本乗り継ぐと1700mの地蔵山のあたりまで行ってしまうが、それだとあまりにも情けないので、中間駅の樹氷高原で降りて、イロハ沼を通り登っていくことにする。コースタイムで山頂まで、2時間弱。これなら山登りと認められてもいいだろう。樹氷高原からイロハ沼までは、リフトに乗ってしまう。スキー場の中をうろうろするだけだろうから、歩いてもしょうがないと思ったからである。
リフト終点から振り返ると、おお素晴らしい展望ではないか。飯豊と朝日連峰が雲の上に頭を出してどっしりと聳えている。東北の大きな連峰の展望をクリアに間近に見るのは初めてかもしれない。いつも遠くてなんとなく良く解らないからである。
観松平といって、いろんな立派な松に名前をつけたやつをグルッとまわる道があるが、パスする。五葉松なんて適当にそのあたりの公園にあるではないかと思った次第....しかし、ここの五葉松はアオモリトドマツが極相になる地域で極相になる一歩前の段階ということらしい。そして老木が多いらしい。やはり見る価値はあったかも。
次はイロハ沼になる。吾妻にもイロハ沼が2つもあった。何でイロハ沼なんだろうか。しかし、綺麗な整備されて荒れていない湿原で地塘も多く美しかったイロハ沼を過ぎると整備された道をただただゆったりと登っていくこととなる。途中右側が開け熊野岳の急峻な西面が眼前に広がった。蔵王温泉から登ってくる、さすがにこちらよりは踏まれていない道を合わせると御田碑である。ここから少し傾斜が急になるが、すぐに森林限界から出て、地蔵山や熊野岳や、とりあえずの目標のワサ小屋跡がずっと目に入るようになる。展望がいい歩きは気持ちいいが、あまりに良すぎると気ばかり焦ってしまうという効果もある。地蔵山の山腹を巻きながらだんだん傾斜が緩くなり、最後は砂ザレた道を登って行くようになる。途中沢になっているところを辿ればなんとなく地蔵山に山頂に出そうな気がしたが、やめておく。ワサ小屋跡につくと、地蔵山の方からたぶんロープウェイで登った人たちがパラパラ降りてくる。ちょっと登り返して地蔵山頂に寄ろうか....というのもやめた。今日は半分観光モードなのである。
ワサ小屋から熊野岳への登りはちょっときつい。岩のゴロゴロした道をペンキに沿って登っていく。左方向に避難小屋の方向に斜めに登る道もある。そちらに行って戻った方が楽かもしれない。
結構息を切らして登ると、平べったい熊野岳山頂である。360度の大展望で、東側は雲が多いが、西側は月山、朝日、飯豊、吾妻とそうそうたる展望。月山はさすが夏スキーのメッカ、まだ雪がある。
ただなんとなく不満は、あまりにだだっ広い運動場みたいな山頂なので、お釜も見えないし....と思って、お釜の方にさっさと下って行ってしまった。斜めに下っていく道を歩いていると、刈田岳の方から30名くらいの団体が1列縦隊で整然と歩いてくる。こんな道なのでだれも遅れず、しっかり縦隊がくまれでくるのであろうが、これだけ開けっぴろげのところなので、遠くから見えてそれがシズシズとこられるとなんか不思議である。かたや、観光客がバラバラと散策している蔵王なのに..
馬の背に降り立つと目の前は例のお釜だ!実は写真でしか見たことがなかったのだが、やはりこれはすごいですねぇ。なかなか絵になります。ここで座り込んで余った食糧を少し処分する。見上げると、避難小屋のあたり。しまった、あっちから回ってくるんだった。そうすれば、もっと違った角度からお釜が見えたハズなのに....
最後は馬の背を歩いて刈田岳に向かう。お釜は角度を変えていくが、だんだんガスがかかり始めた。広い道を刈田岳に登って神社の脇にある半ばコンクリートに埋もれかけた三角点を確認し、熊野岳を振り返る。お釜を全景にした熊野岳だが、こっちからみると台地状で今一つ。やはり、登ってくる道から見たのが急峻でいい。今度は是非行ってみようと、杉の峰や屏風岳を眺めつつ、山頂から白石蔵王駅行きのバスに乗った。
白石蔵王で新幹線がすぐに来て,16時過ぎに東京駅についてしまいました。勤務先のビルの前を、ザックを背負って通過し、写真屋さんにフィルムを出して帰ってきました。3日間でしたが、いろいろと楽しめた夏休みでした。また行きたいところが増えました。
蔵王は綺麗なところです。本当に。