権現山

 権現山 1312m 雨降山 1177m 二本杉909m

山域:中央沿線
2000.5.2


権現山は、中央沿線の山の中でも一つの位置を占めており、気になる存在であった。しかしその高さ故どうも気軽にという訳にもいかず、またあらたまって計画をすれば、他の山とくっつけて欲張ったプランにしてしまい、結局登り損なっていた。
以前にたまたま読んだ新ハイキング誌に、浅川からの登路が紹介されており、それ以来登る時は浅川峠経由でと考えていたが、百蔵山も両方候補にもちながら猿橋の駅に降りたとき、ちょっと長いコースの方が良いなと思って、ついに権現山に向かうことに決めた。

浅川のバス停から右に入る車道に大月市特有の浅川峠をさす道標があった。15分ほど車道を行くと、終点からそのまま植林の中の小道に入っていき、暗い緩やかな道を経てやがて明るい峠道となる。足元にはスミレがたくさん咲いており、開けた北側に麻生山から権現山に続く実になだらかな山稜が見える。このあたりは伐採されたあと植林していない状態のようで、背丈より低く潅木が育っている最中のようだ。まったく急登の現れない道をのんびり歩いていくと、だんだんと権現山と扇山を結ぶ稜線が近づき、最低鞍部より少し南よりにある浅川峠に着いた。上野原側への道は少々薮に覆われているようであった。
浅川峠から少し北に向かうと、正面に権現山が大きく展望できる。広々としたいい眺めだ。また、振り向くと百蔵山が意外とすっきりした山頂部を見せている。稜線を下り、両側が切り立ったやせ尾根状の最低鞍部を通過する。登りはじめは、しばらくは植林地と雑木林の間の緩やかな道で、やがて雑木林ばかりとなると、尾根は傾斜を増してくる。ただし道はジグザグにつけられており、それほど急登にはならず、スミレの花やツツジの花のある、落ち葉を踏みながらの登りは快適である。尾根の傾斜が一旦緩んだあたりで、もうそろそろかと思ったが、少し尾根が狭くなって、直登気味の登りとなり、けっこう絞られた。そのぶん高度も稼いでくれる道ではある。最後に登りらしい登りのあと稜線に出て、右に最後の登りを頑張れば、木々に囲まれてはいるが、展望もまずまずの権現山頂である。
残念ながら富士山の方は雲の中で良く見えないが、奥多摩の山々の展望が素晴らしく、笹尾根から三頭山、その横には鷹ノ巣山が頭を出し、雲取から飛龍へと稜線が続いている。しばらくの間、北側に向いて腰を落ち着けていた。
下山は稜線を東に辿る。大ムレ権現へと急坂を下ったあとは、雨降山までは気持ちのいいゆったりとした縦走路が続く。下は笹に覆われた、若葉の芽吹く雑木林の道は素晴らしく、完全な新緑までは少し時期が早いものの、この区間は最高の楽しみを与えてくれる。和見分岐の手前に、北側を刈り払った場所があり、ここからは奥多摩の山々が一望できた。鉄塔のある雨降山を過ぎ、二本杉までの間は、概して植林の中の暗い歩きが多く、急ぎ足になる。道は右側の植林地の中を巻くことが多く、途中の入山や二ツクラ山は知らずに通り過ぎた。間伐材を使ったベンチのある場所に通りかかると、植林の中の赤テープに二本杉とあり、三角点があった。
二本杉からすぐに、芦垣への道を分け稜線をしばらく下ると、墓村への分岐となる。墓村にジグザグに下る右の道を選ぶと、すぐに新緑の初夏のような明るいポカポカした道となり、足元にはスミレやヒトリシズカがたくさん咲いていた。足任せにどんどん下れば民家の屋根も見えて墓村の集落に入る。ここからは舗装路の下りが続き、かなり足に応えた。用竹まで下って、バスの時刻表を見れば2時間以上も無く、上野原に向けて歩いているうちに、向風の対岸あたりまできたころで、タクシーを捕まえることができた。



記録

日 程

2000年5月2日(火)

天 候

晴れ時々曇り

コース

0810 浅川 → 0825 車道終点 → 0850/0900 浅川峠 → 1010/45 権現山 → 1115 雨降山 → 1155/1200 二本杉 → 1230 墓村 → 1255 用竹

雨降山への稜線から振り返る権現山


参考図書・地図 その他のコース
エアリアマップ 高尾・陣馬
25000図 上野原
50000図 上野原
杉平入口から麻生山を経て権現山
初戸から玄房尾根を経て雨降山・権現山
雨降山から高指山・不老山を経て不老下
扇山〜権現山縦走  等々多彩なルートをとることが可能
バス時刻(猿橋駅)
浅川 行き 8:18
上和田行き 7:40(麻生山方面です・浅川へは行きません)