菊花山

 菊花山 643.7m 沢井沢の頭 740m 馬立山 797m 植野山 667.3m

山域:前道志
2004.2.14


2月の半ばとはいえ、かなり気温が上がるという予報でした。相変わらず晴れ渡った日で、どこか気持ちよく歩けるところと考えているうちに思いついたのが菊花山です。先輩との話の中で、菊花賞の日に登るといいね..。などと話題になったり、山の本が創刊されたころ本の中で見たりと、いろんな局面で記憶には留めていたのですが、なぜかこの日の朝ふと思い出したのでした。この日踏んだ4つのピークの中で最も低い菊花山ですが、目標はこの山なので、大月からの登りと決めました。

今日は八王子から「かいじ」に乗り換えて大月までやって来ました。この区間は八王子大月間の特急料金は500円なので、ついつい利用してしまいます。しかし、あくまでも八王子でないといけません。立川からだと900円になってしまいます。
大月駅で降りて、途中コンビニに寄ったりしながら南への広い道を行きます。20号を渡り、次の角を右折。道なりに歩いていくと、学校の手前で左手に広い墓地が見えてきました。あらかじめ山の本などを開いて仕入れた情報で、「大月東小学校・墓地・神社..」などのキーワードを覚えていたので、ひとまず道路の下のトンネルをくぐり、墓地へと上がりました。墓地の中をウロウロしながら周りを見渡すと、墓地の東の端に赤い鳥居が見えています。墓の間を横切って鳥居まで行くと、おなじみの大月市の道標がありました。大月駅から真っ直ぐどん詰まりまで坂を上がって右折すると、ここに真っ直ぐ着くのかも知れません。しかし、これで一安心です。
赤い鳥居をくぐって山道に入ると、つづら折りのいい道が続きます。踏み跡程度かと思っていたので、ちょっと拍子抜けですが、歩きやすい道で満足です。少し上がると鉄塔を通過、そしてさらに歩きやすい道を登っていくと金刀比羅神社の祠に出ました。
道の良かった理由が解ったような気がしました。ここから道は少し細くなりますが、充分良い道です。急坂ですが、雑木林の中で気持ちのいい登りです。但し、地面がザラザラしていて滑りやすく、時々足を取られました。急坂を一気に登り詰め、緩やかになったところで少し進むと、無辺寺からの尾根が合流しました。そちらの方が気持ちだけ緩やかで歩きやすそうな気がしました。
さて、もう最後の登りです。上を目指して緩急の道を登っていくと、やがて明るい山頂の一角に出ます。ここから10メートルくらいが山頂のやせ尾根ですが、素晴らしい展望がありました。手近では百蔵山や扇山などの中央沿線の山、滝子山から大菩薩嶺。意外と大きく立派な高川山とその奥に三ツ峠。南には九鬼山などなど..。それぞれの山に登った事が思い起こされました。
開放的な山頂には三角点と、丸い岩がありました。今日は気温が高くもやっていて、うっすらとしか見えないのですが、南の方に富士山の輪郭が見えていました。なるほど、この山頂からの富士山はなかなかいい感じだと思いました。
さて、ここから先はどうするかは明確に決めていません。そのまま下るのはあまりにあっけないので、まずは沢井沢の頭を目指すこととします。急坂を一下りして、その先のごく小さな高まりを越えて行きます。このあたりは倒木も多く、それも焦げた木が多いのは、かつて山火事があった名残でしょうか。少し山深い感じがして静かな道が続きました。
さらに下る当たりで、道は右に折れます。何も無ければついつい直進しがちですが、間違わないように木を置いて、直進を防いでくれています。これを下りきったあたりが沢井峠の鞍部で、ここから沢井沢の頭への登りとなりました。しばらくは今までと同様に若干藪っぽい、倒木が現れる道を登って行きます。しばらく緩やかな登りが続くと、植林地があり、ここから左に仕事道が下っていっていました。そしてその先に反射板があり、周りはまだ若い植林地で広々としていました。ここで今日初めて人とすれ違いました。
ここから、沢井沢の頭へ向けての急坂にかかります。左の開けたあたりから扇山や、御前山の岩場、そして振り返れば菊花山が見えます。しかしもう菊花山よりは高い所にいるので、見下ろす格好になります。道がジグザグになり斜面をどんどん登って行くと、やがて九鬼山への縦走路と合流します。そしてあとひと登りで沢井沢の頭に到着しました。
さて、以前に猿橋から九鬼山まで歩いたので、せっかくですから猿橋に下るのではなく、田野倉へ下ることとしました。電車の時間を調べると、田野倉は、14:19か15:12発です。ここは15:12発を目標に札金峠を目指すこととしました。
山の雰囲気は、いつもの近郊のハイキングコースに戻りました。沢井沢の頭を下り、次の馬立山への登りは壁のようです。立ちはだかる岩場の下まで来ると、左にトラバース道がありました。以前はそのまま直登した記憶があり、巻き道はあまり覚えが無かったので、今回はこの巻き道を登って見こととしました。一旦東に張り出す尾根に登り、折り返すように頂上に立ちました。
馬立山の山頂から少し下ると、道は左に折れて大きく落ちていきます。そしてここは田野倉駅へ伸びる尾根の分岐でもあります。ここには植野山を経て田野倉駅へ1:25と書かれた板があり、見た感じも非常にしっかりした道のようでした。尾根の入口は、札金峠へのいやな下降の道よりは遙かに楽しそうな感じを主張していたので、この尾根を歩いてみることにしました。電車の時間まで1:20でもあり、うまくいけば一本前の電車に間に合うかもしれません。
この尾根はなだらかで、快調に下っていけます。静かな雑木林の道が主体で、その中に、アカマツの木が目立ちます。少しだけアップダウンがありますが、気になるものでもなく、非常に快適です。しばらく下ると、左側に切り開きがあり、丸太の腰掛けを作ってあるところに出ました。ここからは九鬼山がとても大きく堂々としていて、また正面に大きな富士山が見えました。いい展望台です。
その先で、北に尾根を張り出した小さなピークが見えてきます。道は南側を巻いていきますが、ここがこの尾根の唯一の三角点峰の植野山であるのは明らかなので、真っ直ぐ登って行きました。山頂は別に展望がある訳ではありませんが、三角点のある小さな切り開きで、また一つピークの登れたことが喜ばしく、少し休憩しました。
植野山から下ると登り口には巻き道の方をさして「九鬼山」の標識がありました。この尾根に入って初めての標識ですが、どうやら九鬼山の登山道との位置づけのようです。植野山を過ぎると道は下りになります。つづら折りに付けられており、また菊花山のように滑る感じがないので、とても下りやすく、この道を選んで正解と思いました。途中に大岩という、それほど大きくない?岩が鎮座していました。
やがて、眼下に田野倉駅が見えてきました。ちょうど一つ前のフジサン特急が駅を通過しているところでした。駅に向かって下るという道も久しぶりだなと思いました。急な場所には歩きやすく階段が作ってあり、あっという間に九鬼山登山口の標識のある所にでました。道か?と思いましたがどうやら暗渠の上で川を渡り、さらに小道を下ると車道に出ました。あとは標識に導かれて田野倉駅についてのは電車の20分前。随分早い下山となりました。

風が強い日でしたが、暖かい一日で静かな低山が楽しめました。帰りは普通電車で、暖かい車内でウトウトしているとあっという間に高尾まできました。そして西八王子で中央特快に乗り換え、予定より早い帰着です。
ところで高尾・陣馬のエアリアが使いこんで地図が切れてきたので、新しいのに買い換えました。まだ、このエリアはリニューアル前で、基本的に内容は変わりませんが、赤い線はやはり増えています。今回の道は登りも下りも線無しですが、道標もあり、道も良く、そろそろ赤実線に昇格かも?と思いました。

本文中の写真

  • 菊花山への登り(分岐付近)
  • 菊花山山頂から扇山・百蔵山
  • 植野山付近の稜線からの九鬼山
  • 静かな植野山山頂


  • 記録

    日 程

    2004年02月14日(土)

    天 候

    晴れ

    コース

    1045 大月駅 → 1105 登山口 → 1111 鉄塔 → 1115 金刀比羅宮 → 1125/30 無辺寺分岐 → 1140/55 菊花山 → 1240/48 沢井沢の頭 → 1300 馬立山 → 1310 分岐 → 1330/35 植野山 → 1352 登山口 → 1356 田野倉駅

    明るい菊花山の山頂


    参考図書・地図 その他のコース
    山の本 2号・37号
    エアリア 高尾・陣馬
    25000図 大月
    50000図 都留
    菊花山へは、本文の道の他に無辺寺からの道があります。途中で合流します。
    沢井沢の頭へは、猿橋駅から到達へきますので、そちらから菊花山へと回ることも可能です。
    田野倉駅を起点とすれば、札金峠経由で馬立山へと向かうことができます。
    バス
    このコースは、バスの利用は特にありません。