倉岳山(前道志縦走)

 

 舟山 818m 鳥屋山 808m 細野山 838m 倉岳山 990.0m
 天神山 876m 高畑山 981.7m 大桑山 980m
 山域:前道志

記録
 山行日1997年10月12日(日)
 ルート梁川駅→寺下峠→立野峠→倉岳山→高畑山→鈴ヶ音峠→朝日小沢
 コースタイム1120 梁川駅 → 1230 寺下峠 → 1245/1255 舟山 → 1320 鳥屋山 → 1340/1345 細野山 → 1350 立野峠 → 1415/1425 倉岳山 → 1440 穴路峠 → 1505/1520 高畑山 → 1540 大桑山 → 1605 車道 → 1615 鈴ヶ音峠 → 1650/1700 朝日小沢上 =バス= 1715 大月営業所 → 1725 猿橋駅
 天候晴れ

三連休の最終日の素晴らしい天気の日、どこにも行かないと必ず後悔すると思い、ゆっくりの起床にめげず、地図と空のザックとカメラを持って、あとは現地調達ということで家を飛び出した。地図は「高尾・陣馬」で、駅から直接登れるルートが多く、出発が遅い時には重宝する。以前大地峠から寺下峠を歩いたことがあるので、今日はその続きを歩くこととした。

梁川駅から国道を新宿方向に向かって歩き始める。駅前に倉岳山の道標があるが、今日はまず以前矢平山からの下りに通った寺下峠への道を目指す。国道を新宿方面に10分程歩いたところの「梁川小入口」の信号から右に下って行き、塩瀬集落の奥の民宿「やまみち」まで歩いて登山道に入る。しばらくは沢沿いの緩やかな登りを、小沢を渡りつつ登っていくが、なんとも優しい峠道である。しばらくすると道は沢から離れ、舟山から北に向かう尾根の西側の斜面を登る様になる。傾斜を増して急斜面をジグザグ急登するようになり、かなりの高度を一気に稼ぐ。目指す方向の稜線のあかりが低くなってくると、道はやがて尾根の東側に回り込む。そして寺下峠までのほぼ水平な道となり、途中で東側の視界が開け矢平山が正面に立派な姿を現した。
寺下峠から緩やかな樹林の中のあと、南斜面の植林が育ってない所を通るようになる。少し薮があるが、展望は良く道志の稜線が見渡せる。途中およそ山頂と思えないところに舟山の標識が木に打ってあった。鳥屋山へは一旦かなりの急降下となり、下ってからいくつか小さなピークを越えながらじわじわ登って鳥屋山に着くが、ここは展望は無い。次ぎの細野山を目指して進んでいくと、正面に倉岳山が時々見えかくれし、とても高くまた立派な山容である。細野山は倉岳山側の展望があり、ここから立野峠までは標高差が10mくらいしか無いのでほとんど水平のまま到達する。
立野峠からは随分道が良くなり、今までほとんど出会わなかった登山者と一気にどんどんすれ違うようになる。南側から回り込む様にしながらも、最後は一気の急登である。倉岳山山頂はもう時刻も遅く誰もいない。山頂からは、矢平山からの今まで歩いてきた尾根が良く見えて行程を振り返るのが楽しい。
倉岳山からはかなり下って穴路峠に降り、高畑山に向かう。すぐに天神山に立ち、以後小さな緩い登り下りを繰り返し、最後に一気に登って高畑山に立つ。今日一番の展望の良いピークで富士山や道志の山並が美しく、ここで少し休憩した。高畑山から大桑山までは道は細くなり時々薮が被る様になる。中間に小ピークがあり、細い踏み跡の道はあまり展望はないが、黄色くなり始めた葉や桔梗・薊など秋の花にかこまれ、自然の密度の濃い区間だ。大桑山の山頂は展望は無く、振り返って木の間から高畑山を見たあと下りにかかる。ますます薮が濃くなってくるが、一面に黄色い草花の咲いている尾根を一気に下るところがあり美しかった。道は全く細くなり急斜面で立ち止まれない様な踏み跡を木に捕まりながら拾ってどんどん下っていく。突坂峠の少し下あたりで右に車道が見えて合流した。
ここからは、もしバスが無ければ猿橋駅までの2時間の車道歩きを覚悟していた。無線通信所の専用道路から、林道に出ると少し登って峠に出て、北に下っていく。九鬼山から北に延びる尾根を眺めつつ歩いていくと朝日小沢の集落に入っていき、何軒かの家の前を通ってバス停に着くと、なんと午後に3本しか無いバスが8分後にあり幸運であった。小さな富士急都留中央バスに乗ると、乗客は終点まで私1人であった。大月営業所からさらに猿橋駅までは10分ほどの歩きであった。


参考図書・地図
エアリアマップ 高尾・陣場(1994年版)
25000図 上野原 大室山 都留
50000図 上野原 都留

細野山の方向からの倉岳山
その他のコース
梁川駅から立野峠
鳥沢駅から穴路峠
鳥沢駅から高畑山(直登)
無生野から立野峠あるいは穴路峠
尾崎から寺下峠
交通機関
大月駅、猿橋駅から朝日小沢上
詳細時刻については、以下のホームページを参照願います。
 富士急山梨バス


Nifty FYAMA 投稿文

寺下峠から鈴音峠まで(倉岳山など)

三連休の最終日ですが、こんないい天気なのに、結局どこにも行かなかったなんてきっと後悔すると思い、朝8時のゆっくりに起床にめげずに出かけました。
服だけ着て、地図と空のザックとカメラと電車の中で読む本を持って、あとは現地調達ということで飛び出しました。地図はエアリアマップの「高尾・陣馬」ですがさすがに連休の最終日に車で出かける勇気はありませんし、この地図は駅から直接登れるルートが多いので、出発が遅い時には重宝します。なんとか、梁川駅には11時20分に到着しました。

【日 程】97年10月12日(日)
【目 的】倉岳山など
【天 候】晴れ
【コース】1120 梁川駅 → 1230 寺下峠 → 1245/1255 舟山 → 1320 鳥屋山 →
     1340/1345 細野山 → 1350 立野峠 → 1415/1425 倉岳山 →
     1440 穴路峠 → 1505/1520 高畑山 → 1540 大桑山 → 1605 車道 →
     1615 鈴ヶ音峠 → 1650/1700 朝日小沢上 =バス= 1715 大月営業所 →
     1725 猿橋駅
【山 名】舟山 818m 鳥屋山 808m 細野山 838m 倉岳山 990.1m 天神山 876m
高畑山 981.9m 大桑山 98Xm
【メンバー 】単独
【山 域】前道志
【参考書】昭文社エアリアマップ 高尾・陣馬

1.寺下峠まで

梁川駅前の店で食糧と飲み物を仕入れ、国道を新宿方向に向かって歩き始める。駅前からはすぐに倉岳山の道標があるが、寺下峠から立野峠の間を歩き残したくなかったので、何年か前の冬に矢平山からの下りに通った寺下峠への峠道を今日は目指している。
登山口を示す道標は梁川駅からは見あたらず解りにくいが、国道を新宿方面に10分程歩いたところの、「梁川小入口」の信号から右に曲がって下って行く。寺下峠への登山口は塩瀬集落の奥の「やまみち」という民宿の脇から出ているが、その民宿への案内の看板がたくさん出ているので、それを辿れば登山口に出ることができるというわけである。
さて国道から急坂を下ると、桂川にかかる吊り橋を渡り対岸の塩瀬集落に入って行く。集落の中の道を登っていけば、やがて民宿「やまみち」に到着し、道標に沿ってやまみちに入っていく。しばらくは沢沿いの緩やかな登りを、小沢を時々渡りつつ登っていくが、記憶の中のすごく急な下りだったというイメージと違い、なんとも優しい峠道である。さてしばらくすると道は沢から離れ、舟山から北に向かう尾根の西側の斜面を登る様になる。だんだん傾斜を増していき、いつのまにか急斜面をジグザグ急登するようになる。ここでかなりの高度を一気に稼いでしまう。記憶の中の急下降はここのことだったようだ。目指す方向の光が低くなってくると、道はやがて尾根の東側に回り込む。そしてもう寺下峠まではほぼ水平な道となる。この水平な道の途中で東側の視界が開け矢平山が正面に姿を現す。なかなか立派である。
駅から寺下峠まで1時間10分。コースタイムを短縮し少しでも出遅れを回復しようと必死なのだ。(^^;;

2.立野峠まで

寺下峠から緩やかに樹林の中の道を辿るが、やがて南斜面のまだ植林が育ってない所を通るようになり、ちょっと薮っぽい。まだ少しこの山を登るには季節が少し早いのかもしれない。ただ展望は良く、道志の稜線が見渡せる。そのような道の途中のおよそ山頂と思えないところに舟山の山頂標識が木に打ってあるが、ちょっと休みづらいところなので、少し先の樹林の中で休憩した。
鳥屋山へは、一旦かなりの急降下となる。濡れたりすると滑りやすい道だと思う。植林された檜は、滑った登山者が思わずつかんでしまうのか、道沿いには梢の折りとられてしまったものが多い。下ってからはいくつか小さなピークを越えながらじわじわ登って鳥屋山に着くが、ここは展望は無い。次ぎの細野山を目指して進んでいくと、正面に倉岳山が時々見えかくれし、とても高く感じまた、立派な山容である。細野山は倉岳山側の展望がある。細野山から立野峠までは標高差が10mくらいしか無いのでほとんど水平のまま到達する。

3.倉岳山・高畑山

立野峠からは随分道が良くなる。そして今までほとんど出会わなかった登山者が、一気にどんどんすれ違うようになる。南側から回り込む様にしながらも、最後は一気の急登である。倉岳山山頂からは20人くらいの団体さんが降りてきたところで誰もいない。もう時間が時間だけに以後すれ違う人もかなり減ってしまった。山頂からは、矢平山からこちらの今まで歩いてきた尾根が良く見えてあのピークはこうだったと振り返えられるのが楽しい。他の方向は展望が無い。
またかなり下って穴路峠に降りる。ここからは少し道が細くなる。すぐに天神山に立ち、以後小さな緩い登り下りを繰り返し、最後に一気に登って高畑山に立つ。今日の一番展望の良いピークで、南面が開けており、道志の山並が美しい。富士山は頂上が雲がかかっているが、さすがに夕方に南西の方向の展望は見づらい。ここで今日一番の15分休憩をとる。

4.下山

今日最後の900m峰である大桑山に向かうが、道は一気に細くなり、時々薮が被る様になる。この時間に歩くにはちょっと不安な道ではある。大桑山までは、中間に小ピークがあり、他は細い踏み跡の道を行くが、一部岩のやせ尾根があったりもする。道中あまり展望はないが、黄色くなり始めた葉や桔梗・薊など秋の花を愛でながら行く。今日の中では一番自然の密度が濃い区間でもある。大桑山の山頂はやはり展望は無く、来た方向を振り返って木の間から高畑山を見たあと、下りにかかる。
ますます薮が濃くなってくるが、一面に黄色い草花の咲いている尾根を一気に下るところがあり、美しかった。地図では途中から右にジグザグに降りるようになっているが、テープ通りすすむと、道は全く細くなり急斜面を木に捕まりながら急すぎて立ち止まれ無いような踏み跡を拾ってどんどん下っていく。これを登るのは相当苦労することと思われる。道はそのまま尾根を直進して少し下の突坂峠のちょっと下あたりで右にガードレールが見え車道に出ることができた。
ここからはひたすらの車道歩きとなる。バスが無ければ猿橋駅まで車道歩きとなるので、2時間は覚悟して歩き始めた。大桑山の全容が見える所があったがあまりパッとしない形をしている。見る方向が悪いのだろう。
無線通信所の専用道路から、林道に出ると少し登って峠に出る。そして普段は車で通過してしまうのであまり注意していない林道の下の植林地斜面を覗きながら降りていくが、ここはあらゆる電化製品が捨ててあるのではないかと思うほどいろいろなものが落ちている。別にかためて落ちている訳でなく、少し行くとテレビ、また少し行くと、扇風機、洗濯機、ついには崖から転がして落とした軽自動車....とまあよくもこれだけ捨てたものだ....。これはこの場所だからであろうか?
あきれながらも、九鬼山から北に延びる尾根を眺めつつ歩いていくと集落に近づいてきた。何軒かの家の前を通り、朝日小沢上のバス停に着くとなんと午後に3本しか無いバスが8分後にあるではないか!ラッキーと思ったが終点なのにバスがいない。おかしいなあと思って諦めかけたころ、下の方からバスが上がってきた。
小さな富士急都留中央バスに乗り、乗客は最後まで1人。運転手と話をしながら終点の大月営業所まで行く。本当にありがたいバスだ。さらに猿橋駅までは10分ほどの歩きである。



帰りの電車は登山客で満員でした。地図を見て今日の行程を振り返ろうとしましたが、隣の人が甲斐駒の地図を見ていたので、高尾陣馬の地図を見るのが何となく恥ずかしくてやめてしまいました。
地図のコースタイムを足しただけでも、この時刻に梁川を出れば、朝日小沢着はどっぷり日のくれた時間になるのですが、単独でかつ急坂の連続という所が無く、またちょっとコースタイムも甘めの様ですのでなんとかなったみたいです。
これで、大地峠から鈴ヶ音峠まで繋がったので、いつか猿橋から九鬼山を経て鈴ヶ音峠に繋げてみたいと思います。