百蔵山

1003.4m

山域:中央沿線
2000.6.17


権現山周辺の3つの山はよく繋げて歩かれるが、多少行程も長くなる。また一つ一つ独立した山容を見せているだけにアップダウンも大きい。最近おもに午前中の時間を利用して歩いていた私は、これらの山を一つ一つ山を訪ねていた。そして百蔵山が最後となった。

立川発6:43の甲府行きは猿橋駅でちょうど7:40発の上和田行きに接続する。曇り空ではあるが、車窓から百蔵山がくっきり見えているのを見て、梅雨時としてはまずまずかなと、迷わずバスに乗り込んだ。今日は、福泉寺からのコースをとる。以前新ハイから出ている「中央沿線の山を歩く」の記事を読んで、このコースが面白そうだなと考えていた。
福泉寺入口でバスを降りて、参道に入っていく。突き当たりに寺があったので右の道に進もうとすると、通りかかったおばさんに、一つ北側の道が正しいと教えられた。下山後ガイドブックを読めば、確かに参道に入らずバス通りを少し先に進んだ、剥製製作所の看板のところを曲がるとある。教えられた時は、多少思いこみもあり、恥ずかしながら半信半疑だったが、ともかく大いに助かったことであった。
一つ北側の車道に出て、福泉寺の墓地を右に見ながら登っていく。集落が切れると、舗装路は竹林の中を通過し、そのままくねくねと切り返して登っていく。やがて車道の終点に達すると、そこには白杭に百蔵登山道の標識があり、ほっと一息である。
山道はしばらく荒れた畑に沿って登り、やがて森の中へと入っていく。道はしっかりしているが、若干草が被り気味で蜘蛛の巣が顔にかかることもあった。アカマツの多い森の中の道は比較的ゆったりとしており、踏み跡が乱れていくつか道が並行するが、どれを通っても特に差し支えはない。展望の無い道だが、一瞬見えた岩殿山に、自分の高度を推し量る。金比羅宮も遠くはないだろう。
ゆっくりと登って、切り開かれた平地の金比羅宮に立つ。小さな祠の中に不動尊がまつられており、またここからは百蔵山の山頂方面が眺められる。ひと休みして少し登ると小さな石碑や祠が2つあり、そこからは傾斜が一気に増してくる。それほど距離があるわけではないが、ここから稜線までがこの日一番の急登であった。
稜線に出ると、左から合流するはずの道は荒れぎみで、あまりはっきりしていなかった。すぐに、四等三角点の標識があり、ゆったりとした稜線の道を歩いていく。道ばたにキイチゴを見つけ、一つ二つ摘んでみる。甘酸っぱい味が口の中に広がり、清涼剤のようである。以後907mを過ぎるまでは、断続的にキイチゴが現れ、その度に足を止めて少しづついただいた。ゆるやかな傾斜で登りつく907mのピークは大同山とある。これを過ぎれば総合グランドからのルートを併せて広い道となり、緩やかな道を行くと広い百蔵山山頂であった。広いと言っても開けっ広げではなく、廻りを疎らに木々が囲んでおり、その間から展望が得られ、なかなか好ましい風情である。30分くらいいるうちに、三々五々と登山者が登ってきて、そのうちに何人かは扇山の方へと向かったようだ。
ここから権現山まではアップダウンの多い縦走路で、かなりのハードコースとなるが、今日はここまで。丁度パラパラと雨が落ちてきた中を、扇山側の分岐から急坂を木に掴まりながらひとしきり下る。あとは幅の広い歩きやすい道となり、傘を指して下っていった。程なく工事中のキャンプ場に着き、あとは車道をどんどん下るのみ。静かな山を楽しんだ一日であった。

百蔵山へは、猿橋駅から歩く総合グランドからのコースがよく歩かれているようだが、車道歩きが長いわりにはちょっと物足りないかもしれない。この福泉寺からのコースは、信仰の道でもあり、また緩やかな稜線歩きも楽しめ、百蔵山を楽しむコースとしてはお勧めである。



記録

日 程

2000年6月17日(土)

天 候

曇りのち雨

コース

0752 福泉寺バス停 → 0810 登山口 → 0837/47 金比羅宮 → 0918大同山(907m) → 0935/1000 百蔵山 → 1115 猿橋駅

キャンプ場付近から見上げる百蔵山


参考図書・地図 その他のコース
エアリアマップ 高尾・陣馬
25000図 大月
50000図 大月
総合グランドから直登(2コースあり)
扇山からの縦走
バス時刻(猿橋駅)
上和田行き 7:40 以後1時間に1本程度