能岳

542.7m

山域:中央沿線
2004.10.2


前回、山を歩いたのは5月。今は10月。こんなに間が空いたのは久しぶりです。いい季節になったので、少し歩いてみようと思い、久しぶり山の地図を取り出しました。行きやすい所はほとんど行った感じがあって、いままでちょっと敬遠してきた山ばかり残っているような感じで、最近は行き先がなかなか絞りきれない感じですが、今回は、「高尾・陣場」の登山地図の中に堂々と実線では出ているが、情報がそうある訳でもなく、妙に気になるけど、あまりに行程が短すぎて..。という能岳を、久しぶりの練習という感じで選びました。

上野原駅から新井までは、比較的バスの便が多い。駅が町から離れていて、中心部に向かう為にはバスの利用が便利だからである。駅から吐き出された人でほぼ席が埋まったバスに乗ること10数分。新井より先は、平日の朝のみ向風までバスがあるが、普通はここから歩くこととなる。
新井バス停から、鶴峠への広い道を左に見送り、向風への道を進む。右手すぐ近くに、裏山のような風情で見えている小さな山は、きっと468mのピークで、能岳はさらに奥にあるようだ。
左手に工場が沿うようになる頃から、右上に併行する道へと上る場所を探す。「三井住友海上」の看板のところに路地があり、これを通って上の道へ出て左に行くと、すぐに曲がり角にぶつかるが、地図の点線は、この手前当たりから発しているようだ。見当をつけて斜面の壁に作られた階段を登ると、その上には、農家の庭先のような、雑多な畑があり、道は続いていなかった。そして、その先の森へと、踏み荒らさないように気をつけて横切ると、そこから山の中に向けて、小さな踏み後が登っていた。踏み跡に沿って植林地の中をジグザグに登ると、やがて右手から立派な山道が合流し、これで一安心である。
山道は、468mの山腹を巻くように、緩やかに登っていく。ここより上は雑木林が多く、標高の低い山の割りには珍しいと思った。山腹を回り込んで、468mから能岳へと繋がる稜線へ出た。このあたりは、松ノ木の倒木が多く、また晩秋の良く肥えた女郎蜘蛛の巣も時々かかっていて、ちょっと鬱陶しい感じであった。
一旦尾根に出たが、すぐ反対側に降りて小さなコブを巻くように進む。再び尾根に出て、少し進むと、右下に道が見えてくる。地図に点線のある、谷に沿って下る道のようだ。やがて合流してきたが、ちょっと荒れているようであった。
少し高度をあげ、能岳から南北に繋がる主稜線が近づいてくると、稜線の下を平行に、南北に行く巻道と交差した。ここには今日唯一の標識である「能竹山登り口」という看板があった。
ここからは道が細くなり、急坂で登山道らしくなるが、わずかで主稜線に出た。尾根上は広い踏み跡が通っていて、左に僅かで山頂であった。山頂は丸く刈られた平地で真ん中に三角点があるが、四方を木に囲まれているので、展望はなかった。この山の東側はゴルフ場になっているはずだが、それも見えなかった。
静かな山頂でしばらく休憩したあと、下山は北への尾根をたどる。少し進んだあと、急坂になるところで、両側がまるで防火帯のように切り開かれていた。その急斜面にはジグザグに、道が整備されていた。短い区間であるが、ここだけ雰囲気が違うようで、そのかわり展望が一気に広がった。正面には笹尾根から三頭山への山並み。左には権現山への山並み。標高が低いのでこれだけではあるが、開放感があった。
この急斜面を下ったところに、登りの時に横切った巻き道が合流してきて、それ以降は再び静かな稜線の道に戻る。このあたりはゴルフ場がかなり接近してきているはずだが、声は聞こえてもあまり様子は見えない。そういえばこのゴルフ場はかなり昔に一度だけプレイをしたことがあるのであった。
尾根を下っていくと、左への下降点が現れる。特に道標はなく、それらしい感じの所にテープが巻いてあるだけである。この道も西に落ちる尾根上ではなく、その横を巻くように附けられている道で、傾斜が緩やかだ。この道を少し下ると、道幅が1mくらいになり、ごく数日前に作り直したばかりというようなフカフカの土の道になった。さて何のための整備だろう。間伐でもするのだろうか?と考えてしまう。鍬も道の脇に置いてあるような、湯気の立っている道である。柔らかで歩きやすい道をどんどん下り、顕著な尾根を回り込むと、少し傾斜が急になって下っていく。このあたりは古い道で路盤も締まっている。やがて、小さな資材置場跡のような広場があり、程なく、向風の先の車道に降り立った。入り口には「ハイキング道・登山道整備工事」との看板があった。山頂以来の謎がとけた。どうやら小さなハイキングコースに整備して、売り出すつもりらしい。今は道中にあった、たった一つの標識しかないが、それも、やがてたくさん整備されるだろう。その時のルートは、今回登った荒れ気味の、山風呂からのコースではなく、きっと主稜線を南にまっすぐたどるコースになるのではないか?という気がした。

新井のバス停まで戻っても、歩き始めてから2時間程度。ちょうどバスが行ったとろで、1時間以上の待ち時間があったので、駅に向かって歩くこととしました。途中の停留所発のバスがあれば乗ろうという感じでしたが、結局駅まで歩いてしまいました。40分程度でした。
上野原の駅には富士急バスの企画で、奈良倉山のコース案内がありました。鶴峠から登るコースがが紹介されています。また、松姫峠〜大マテイ山〜小菅の湯なんていうコースの紹介も。このあたりは、あまりガイドブックに載らず、歩く人も少ないところですが、ついにこんなところまで..。という感じです。10人以上あつまればバスがチャーターできますとのパンフレットです。坪山は今やメジャーになりつつあるようですし、能岳もちゃんと整備されて。目新しさもお客を呼ぶには大切なようですが、こうなってくると、逆に、かつて登山地図では実線コースだった。なんていうコースが面白くなりそうな感じです。

本文中の写真

  • 能岳登り口の看板
  • 能岳山頂


  • 記録

    日 程

    2004年10月2日(土)

    天 候

    晴れ

    コース

    1020 新井バス停 → 1030 山風呂登山口 → 1048 尾根上 → 1100 巻道分岐 → 1110/30 能岳 → 1145 下降点 → 1207 車道 → 1230 新井バス停 → 1312 上野原駅

    山頂付近からの笹尾根


    参考図書・地図 その他のコース
    エアリア 高尾・陣馬
    25000図 上野原
    50000図 上野原
    一般的な道は本コースですが、他もありそうです。
    バス
    上野原駅から新井まで、1時間に1〜3本程度のバスが運行されています。