木曾駒ヶ岳

 木曽駒ケ岳 2,956.1m 中岳 2,925m 木曽前岳 2,826m
 山域:中央アルプス

記録
 山行日1999年4月3日(土)〜4月4日(日)
 ルート千畳敷→乗越浄土→木曽駒ヶ岳→木曽前岳(泊)→敬神の滝→上松駅
 コースタイム 1日目 千畳敷〜木曽駒ヶ岳〜木曽前岳
1000 千畳敷 → 1140/1300 乗越浄土 → 1320 中岳 → 1410/30 木曽駒ヶ岳 → 1510 玉ノ窪小屋 → 1550 木曽前岳
2日目 木曽前岳〜上松
0650 木曽前岳 → 0800/0815 八合目 → 0900/0915 七合目 → 1110/1120 五合目 → 1305 敬神の滝 → 1500 上松駅
 天候3日 晴れのち時々曇 4日 晴(稜線上は曇)

今年初めての日本アルプスのそのまた初めての春山登山で木曽駒ヶ岳を目指した。もともとは爺ヶ岳を予定したが荒天が予測されたため、場所日程ともずらせたのである。むしろ行程が楽になりホッとしたところであった。

前日の夜、特急列車で岡谷駅に降り立った時は、風雨が強く吹き付け天候は大荒れの様相であった。しかし、明日の天気予報は晴れを告げており、期待は大きい。駒ヶ根に宿泊して、翌朝窓から快晴の中に白い稜線が輝く風景が見ると、気分はもう稜線であり、始発に併せて駅に向かった。
千畳敷の駅で装備を整えて外にでると、快晴の日差しの中ですり鉢の様な雪のカールは威圧する様な宝剣岳の岩壁とともに、壮大な風景を形作っていた。先頭を行っている人たちはすでにカールを横切り登りにかかっているのが見える。前日雨が降った為、表面が凍った状態ということであった。カールの底から登りにかかる。だんだん傾斜を増していく中で、疲れてきて足が出なくなってきたが、休む場所は無いので、時々立ち止まりながら少しづつ登っていく。登るに従って傾斜は急になり、堅い圧雪を噛むアイゼンを便りに高度を上げる。終点が見えてくると、一部夏道の形が少し露出するようになり、斜上して乗越浄土に到着した。
乗越浄土では、宝剣を中心に中央アルプスの展望が広がった。風もなく絶好の晴天である。周辺で雪訓をした後に中岳に向かう。中岳に登ると正面に木曽の御岳が見える。一旦鞍部に下り、木曽駒ヶ岳に登り返す。この山脈の最高峰はなだらかな山頂で、すばらしく展望の良い所であった。相対する南アルプスの主稜線は長く大きく、また、南に続く主脈は意外なほどクネクネと曲がっており、その奥で空木岳と南駒ヶ岳がひときわ立派で目を引いていた。三ノ沢岳もピラミダルで立派である
玉ノ窪小屋から、目の前のピークを登り返して木曽前岳の山頂に立つ。ここから先も雪稜が続いており、樹林帯までには相当距離がありそうなので、山頂付近にテントを張った。その夜は風もあまり吹かず静かであった。
翌朝は高曇りで、遠くまで展望が効いた。御岳、乗鞍から槍穂、後立山、頸城、霧ガ峰、浅間、八ヶ岳と白い山々がずっと続いていた。テントを撤収して前岳を出発し、雪稜を下る。傾斜の急な下りで急斜面のトラバースもあり、慎重になった。終始三ノ沢岳が左に大きく、また正面は御岳であった。やがて樹林帯に入り、固い壺足のトレールのある道を延々と下っていく。前岳から上松駅まで標高差で2000m 以上あり、合目が一つ減るのがとても長く感じられる。ラクダの背を緩やかに登ってしばらく行くと5合目となり、このあたりで雪も場所によってはほとんど無い状態になってくる。4合を過ぎてからは運動靴に履き替え足取り軽く下ると、やがて敬神の滝に出て、これでほぼ山行の終わりを感じながら沢の水を飲んだ。
あとは車道を渡って再び山道に入り、アルプス小屋から林道と合流して上松駅まで約1時間半の林道歩きではあった。今回は天候にも恵まれ、ほとんど無風の絶好の状態で2日間歩けた大変恵まれた山行であった。

本文中の写真

  • 千畳敷カール
  • 前岳からの木曾駒ヶ岳

  • 参考図書・地図
    エアリアマップ 奥秩父2(1998年版)
    25000図 木曽駒ケ岳 上松
    50000図 赤穂 上松

    前岳からの木曾駒ヶ岳
    その他のコース
    北御所登山口〜伊那前岳〜乗越浄土
    宮田高原〜乗越浄土
    桂小場〜将棊頭山〜木曽駒ケ岳
    木曽福島〜赤林山〜麦草岳〜木曽前岳
    木曽福島〜新和スキー場〜木曽前岳
    上松〜麦草岳〜木曽前岳
    交通機関
    駒ヶ根駅〜駒ヶ根高原(菅の台)〜しらび平行きのバス、
    および駒ケ岳ロープウェイの時刻及び運行状況につきましては、
    中央アルプス観光でご確認下さい。