先日の日記で触れた狂牛病の話だが、有用な資料を教えていただいたのでフォローをしておこう。
元資料はここ。
ここによると、豚や鶏に対するプリオンの感受特性は、脳内への直接投与という形で既に確認されているようだ。鶏には全く発症がなかったが、豚には10頭につき1頭の割合で発病が認められたとのこと。ただし、脳内直接投与による感染率は経口投与のそれに対して10万倍ということで(どういう根拠でその数字が出てくるのかは、当該論文には示されていない)、経口投与に関する感受性は無視しても構わない程度の数値だという。本当にそうだろうか。仮に1000万頭の豚が肉骨粉を投与されて生産されたとして、そのうちの10頭に関してはプリオンが含まれている可能性は否定できないのだ。
ある程度摂取しないと感染および発病しない、という知見は、これまでの例から(つまり疫学的に)得られているようなので、豚肉は安全だといっても構わない程度の危険性だとはいえるだろう。多分水道水や幹線道路の空気の方がよっぽど危険だ。酒やタバコなんかとんでもなく危険だろう。
どうせこの世はリスクに満ちている。リスクを避け続けて生きることはよほどの金持ちでもなければ適わない。我々庶民は精々安くなった牛肉をここぞとばかりにむさぼり食うのが正しい道ではなかろうか。
というわけで、本日二度目の更新。
iPodに関しては、それなりに各地で騒がれているようで、NOMADというシステムが同じ値段でHDDが20GBytesらしい。私が今までMP3プレイヤーというものに毛ほどの興味も示してこなかったのは、出てくる製品製品がデザインセンスの欠片もないだっさい代物ばかりだったからで、一見して判る安い外装を見るだけで、元々なかった購買意欲などどっかに吹っ飛んでしまうのである。ポータブルオーディオに対するニーズが個人的に下がりまくっているのも原因ではあろうが。
一応、iPodはその糞ダサいデザイン群に風穴を開けてくれる存在であると私は勝手に期待している。値段が高いのはJobsの趣味が遺憾なく発揮された結果であろう(リチウムポリマー電池とか、FireWire6Pin接続とか)。過去に、Apple(だけじゃなくてNeXTも)は、そのJobsの完璧主義のために手痛い失敗を繰り返してきた。さて、今度のは吉と出るか凶と出るか(小口株主としては吉と出てくれないと困るのだが。今マイナスだし)。
幸村誠「プラネテス 2」(モーニングKC)[bk1で購入]読了。
ここにマンガの感想を書くことはほとんどないのだが、敢えて書く。
良い。無茶苦茶良い。SFもしくは宇宙開発にちょっとでも興味のある人間は須らく読め。絵が気にくわないとかそういうことは言うな。ストーリーを追え。
bk1では24時間以内に発送になっている(マンガでは珍しいことである)が、bk1を使わんでも良い。どこでもいいから見つけ出して、買って読め。
宇宙空間の過酷さと日常レベルで向き合った作品はそんなにない。これはその稀有な作品のうちの一つだ。
我々がこのまま数を増やして、そして地球を食いつぶしてしまわないためには宇宙に出ることは必然だ。人間というのは、総体として見れば現状維持が精いっぱいで、それに幸せを見出すものだが、たまに飛び抜けた奴が出る。それが我々凡人の世界や暮らしを大きく変え、こういう下らない文章を綴るだけの余裕をもたらしてくれた。
私はその方向は間違っていないと確信している。たとえどんな困難が待ち受けていようとも、先端にいる人達には我々凡人がエールを送り、我々凡人ができる最大とは言わなくてもできる範囲でのバックアップはしてやろうじゃないか。
それが、平々凡々と思いつつも昔よりは遥かに高い生活水準を享受している我々凡人の義務だと思うのだ。
親が電話掛けてきたので適当にあしらう。
向こうは心配してるつもりなんだろうが、なんか責められている気分になるのは何故? 私が穀潰しの扶養義務保持者だからですか。
酒飲んだら覿面に頭痛。
と、腹が下る。一日一食程度の食生活を送っている間は何もないのだが、ちゃんと食べようとすると途端にこうだ。しょうがないので覚悟を決めて(主に出費の方)医者から紹介された胃腸科へ行ってみることにする。
まずは、予約前に薬の在庫が尽きてしまったので、つなぎのための薬を貰いにいつもの医者へ。
続いて、銀行。通帳が繰り越しになってしまったため。
そして胃腸科へ向かうが、東大宮駅へ向かう道が五叉路になっててさっぱり判らん。しっかり迷う。なんで埼玉県の道ってのは……。
なんとか午前中のうちに医者の受付を済ませることができたのは、奇跡ともいえるだろう。
んで、医者に事情を話して検査を頼んだら、保険に入れと説教される。しょうがないので退散。
帰りに市役所に寄り、国民健康保険の手続きを取る。こんなに長引く上に医者が必要になる事態はそれほど想定していなかったので、できれば避けたいところではあったのだが。また出費がかさむ。
ついでに今月末が締め切りの市民税も払う。なんか出費ばっかり(当たり前)。
市役所の地下に場末としか形容のしようのない食堂があり、それなりに安い値段(ラーメン360円)だったのでそこで昼飯を食わんと試みる。
なんか70年代にタイムスリップしたような雰囲気。BGMはHNK第一(TVなんかあるわきゃない。ラジオだ)。パイプと合板の安っぽい塗装の長テーブル。緑色のビニールがクッションを覆っている背凭れのないパイプ椅子。
出てきたもやしそば(460円)は、どんぶりの大きさはそれなりだったが、もやしや麺の量は良く判らない。どうも湯麺ベースにもやしをあんかけ風にして乗せてあるようだ。
とにかくこいつの熱いこと熱いこと。あんかけになっているので、保温力が伊達じゃない。作戦の初期の段階で、舌の上1/3以上に火傷を負ってしまった私は、単に苦行として残りの食物を機械的に食道に流し込んだのであった。
で、帰ってきて疲れ果てて寝る。起きたら18:00過ぎ。ゴチバトルを見て、7/11で晩飯を買って、その後は某所で行なわれている1ターン/10分という恐ろしいネットマルチ対戦ゲーム。どうか寝ている間に全滅していませんように。
伊藤伸平「はるかリフレイン」(ジェッツコミックス)[bk1で購入]読了。
ふと感じた疑問。
さくらや先日値下げが発表されたVisor Edgeの在庫があったが、赤がなかったので寸でのところで踏みとどまる。いや、踏みとどまったからなんだということでもないが。
PSへの移植決定記念ということで、「果てしなく青い、この空の下で…」のサントラを買ってくる。
NHKでイスラム圏についての番組をやっていたのでついつい見入ってしまった。
SINPLE1500シリーズのRAY STORMとRAY CRISISが収録されている奴を買ってくる。
近所では見つかりそうも無かったので、さっさとbk1に注文してしまったもの。
これは、高一Challangeという名前のベネッセコーポレーションから出ていた雑誌に連載された作品である。
高一になって、やっとただの幼馴染みから彼氏に昇格したばかりの相手が、主人公はるかの目の前で交通事故で死んでしまう。当然はるかはその事態を変えたいと願う。すると、葬式の終わった夕方から事故が起きるまでの前日まではるかの時間は戻ってしまう。
後はタイムスリップ物の王道。歴史改変が如何に難しいかということを何度も何度も繰り返しドラマとして提示される。
なるほど、これはSFだ。星雲賞に勝手にノミネートされて勝手に落ちたということだったが、その年のマンガ部門はよほどの豊作だったようだ。というわけで1999年度星雲賞コミック部門のノミネート作品を見る。
は? この顔ぶれで「ルンナ姫放浪記」が受賞? なんか間違ってないか、それ? 私の評価尺度では、「ルンナ姫〜」は「はるかリフレイン」と比べるような作品じゃないし、無理矢理比較したとして、「ルンナ姫〜」の突出した部分(SFマニアに受けそうなギャグ)が「はるかリフレイン」のストーリーマンガとしての面白さを凌駕しているとはとても思えない。
まー、単なるファン投票に腹を立ててもしょうがないのだが、取り寄せた「はるかリフレイン」が発行第一刷なのは、日本文化の損失ですよ。白泉社は売れない本でも結構在庫を持っててくれるし、売れると判るとちゃんと増刷を掛けてくれる出版社だと私は認識している。
だから、そこのあなた。あなたがもし、まだ「はるかリフレイン」を読んだことがなかったなら、注文して入手しましょう。それだけの価値はこの作品に絶対ある。そしてあなたがもし、もう「はるかリフレイン」を読んでいて、多少なりとも私に共感できなら、友人達に勧めて回りましょう。
2001/10/27
午前中に起きる。
あんまり寝ていないのは、昨日の23:00から始まった内々のネットワークゲームに参加しているため。
PSOやUOの様なアクションゲームではなく、シミュレーションゲーム(シムシティもどき)なのだが、全然目が離せないのである。
何故かといえば、恐ろしいことに、普通は3時間という設定になっている1ターンを10分にし、300ターンを2日で(というか50時間で)やってしまおうというかなり無謀な企画だからである。
シムシティよりもリアルタイム性がある割りにはUIが1ターン/3時間を前提に設計されているものなので、入力をしている間にターンが進んでしまうという事態もまま起きる。
ついでに災害も起こりまくるので、ちょっと目を離した隙にあわや全滅寸前という事態も有り得る。
というわけで、寝不足の割りにはハイテンション。ハイテンションの割りには他のことに手が付かない。
自転車のハンドルの切れ角は、あんなに大きい必要がないばかりか、どう考えても危険だと思うのだが、あれは自転車の出す速度を勘案して、わざわざ切れ角を制限する機構を付けてコストが上昇することを嫌ったための措置なのだろうか。
昔から思っていたのだけれど、自転車のハンドルが左右30゜くらいまでしか切れなければ、駐輪場で起きるトラブルの75%くらいは防止できるのではないか。これは自転車業界の怠慢なのではないか。我々は不当な扱いを受けているのではないか。
2001/10/28
午前中に起きる。
が、昼前から15:00過ぎまで寝る。
要するに、昨日からかかりきりのネットゲーのコマンドを入力して、それが消化されるまで(力尽きて)寝るというパターンを繰り返しているわけなのだが、寝ているうちに災害で壊滅状態ということが頻繁に起こるのでおちおち寝てもいられない。
で、結局どうなったかといえば、最後は壮絶な戦争状態を経由して、なんとか一位をもぎ取る。かなり乱数に助けられた感もあるが、運も実力のうちということで。
戦争状態への突入の原因を作ったのは別のプレイヤーだが、燃え上がらせたのは私だな。一応一位をキープしていて、二位のプレイヤーが追いつきそうだったので先にちょっかいを掛けてしまった。ちょっと拙速の感もあったのだが、結果が良かったのでまあ良し。
今日も一日これにずっとかかりきりだったので、他にはなんにもやっていない。だから当然書くこともない。
2001/10/29
街中に出て、本とかを色々買い込む。
おいおい、LOFTでもうクリスマスセールの飾りつけなんかやってるよ。いくらなんでも気が早すぎるのでは。
二枚組なのだが、一枚目はCDDBにちゃんと登録されているのに、二枚目は化けて登録されているのが謎。
実は本編はまだ途中で止まっているのである。さっさとやらないとなぁ。
そーか。イスラムの銀行には利息がなくて、銀行の収益が分配されるのか(銀行が損をすると元本割れする)。それはそれで正しい姿のような気がとてもする。
2001/10/30
本橋信宏「依存したがる人々」(ちくま文庫)[bk1で購入]読了。
自分が鬱病だと診断されてから(過去の様々な出来事を思い返すに、診断されるずっと前から私は鬱病だったのだと思う)、こういう精神病関連のノンフィクションに自然と手が伸びるようになった。これが良いことなんだか悪いことなんだかは良く判らない。
この本は、ノンフィクションライターである著者が、主に自分と自分の知人に起きた依存症というキーワードに関わる事件を、自分の主観を軸に描いたものである。
アルコール依存症。暴力をふるう男性とその男性から離れられない女性の関係、共依存。ドラッグ。不安神経症。そして自傷行為と、登場する病気は多岐に渡る。
しかし、これらの描写が主観的に留まっているのが物足りないのだ。医学的知識に裏打ちされた、ある種の冷徹なる客観性は、ここには登場しない。あくまで、自分と自分の知人の陥った状況を、自分の感想を交えながら書いたものなのである。
精神病に関して何の知識も持たない人間が読む入門書としてはこういうものの方が適切なのだろう。そういう意味では、私は読む順番を間違えたのかもしれない(つったってなぁ。これが文庫落ちしたのって最近だし)。
覚醒剤を服用するとどんな目に遭うのか、なんてことが結構真に迫る文章で描かれたりしているので、中高生辺りに読ませるにはいいかも知れないが、こんな重い本を読みたがるような連中は元々クスリなんかにははまらないだろうな。
私は、依存症が形成される可能性がある、という時点でその薬物の摂取は控えたいと思う人間なので(というか、そのことを知っていようが知らなかろうが、自ら進んで摂取する奴は馬鹿なので破滅しても当たり前だと思う。まともな生活を送っている人間に被害を及ぼさないために取り締まりは必要だろうが、彼らにはそのような道を選択した責任をしっかり取ってもらわなければならない)、そんなことにはならない、と胸を張ってではないが言うことくらいはできる。言うだけなら只だからね。
自分の父親はかなり重度のアルコール依存症だと今までは思っていたのだけど、彼の飲み方にはそれなりの節度が感じられるので、そんなことはない、と思うきっかけにもなった。本当のアルコール依存症者というのは凄まじいの一言である。
もうちょっと両親の問題に気持ちを振り分けるべきかもしれない、と柄にもなく(しかもそんな余裕のない状態で)思ったりもする。多分これも逃避の一種なんだろうけど。
2001/10/31
YOUNG KING OURS 12月号を買ってくる。
あぁ「朝霧の巫女」が、如何にも時間が足りなかった風の絵になっている。アシスタント募集も結構逼迫してるのかも。
アシスタントをしようにも、トーン貼りとベタくらいならまだなんとかこなせるだろうが、背景なんか絶対描けないし。
……まぁ、ウガワさんには今後とも頑張っていただきたいものである。
一通りやって、やっぱりRAY STORMの方が面白いことが判る。
なんか違うんだよなー。「ズレている」という言葉がいちばんしっくり来るのだが、これじゃ他人には伝わらない気がするし。
というわけで、RAY CRISISの面白さを私に納得させてくれる人を募集。賞品は出ません。