004  がんばるっきゃない

 7月16日、日曜日。梅雨が明けてしまったのか、頭の上はまっ青な夏空で、太陽がギンギン照りつけて暑い。バスを菩提原で下車して、我々一行23人は葛葉川本谷へと向かっている。とにかく暑い。汗が流れるように湧いてきて、Tシャツからパンツまでびっしょりだ。
 約50分歩いて溯行開始点に到着。驚いたことに、この場所には「葛葉の泉の広場」という名前が付けられていて、「葛葉の泉」から水をポリ容器に汲んでゆこうとする人や、バーベキューを楽しもうとする人が車で訪れていて、大変な賑わいだ。
 1961年、ぼくが初めて葛葉川本谷にチャレンジしたときは、もっと淋しくて暗い雰囲気が漂っていたのにと、39年という時間の流れをひしひしと感じてしまった。
 沢登りシューズにはき替えて、出発。参加要項にはヒザから上をぬらすことはないと説明しておいたが、余りの暑さと、太陽の光を浴びてキラキラ輝く流水の美しさに惑わされて、全員、最後は頭から水を浴びることとなった。板立の滝を越え林道が横切っている所でトレーニングを終了。ニノ塔尾根を下って広場に戻る。
 広場に戻って岩崎は、ホッと大きな安堵のタメ息をもらした。
 なんとなれば、いつも年中無休で忙しい岩崎だが、この4週間はことのほか忙しかったからなのだ。6月23日から30日までスイス。7月1日は水戸のアウトドアショップ「ナムチェバザール」創立記念イベントでサイン会、2日から7日まで北海道、後方羊蹄山と幌尻岳を登ってきた。憧れの七ッ沼カールにテントで泊まったので大々満足ではあった。
 8日は家にいたが、原稿用紙と挌闘。9日〜10日は、西吾妻山トレッキング教室、11日は神戸、12日は広島で救心製薬がメインスポンサーの「健康登山講座」。13日朝、スタッフと別れて牛田山を登ってから帰宅。
 14日は久々に机に向かい、15日はナムチェバザール主催の山歩き講習会で80人の生徒さんと筑波山に登る。1人2分間ずつぼくの後ろに付いてもらって、「岩崎流ゆっくり歩き」の足運びを学んで頂く。そして、16日の葛葉川本谷下半での「山の遠足トレーニング」であった。
 いやはやさすがにくたびれました。救心製薬の霊黄参を寝る前に2カプセル飲んで、なんとか肉体をダマシダマシ使ってきたという感じ。久々にわが家に6連泊できるので、ホッホッとしているが、明日23日は北海道への日帰りだし、24日から27日は聖〜光の縦走(註)が 待っている。
 がんばるっきゃないー。


(註)聖〜光の縦走
南アルプスの聖岳(ひじりだけ)から光岳(てかりだけ)の縦走のこと。

2000/07/20 記

いままでの「なんだ」
001 無名山塾に入会する法 2000年2月20日
002 ピッケルの長さ     2000年3月20日
003 2005年の夢      2000年4月20日


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