発作の前兆に気がつけば早めに対処することができます
昔、オーメンというタイトルの恐怖映画がありました。悪魔の子をなんとかやっつけようとする人が次々と返り討ちにあって死んでいくのですが、その死に方が直前に撮った写真などに暗示されているという内容です。
このタイトルのオーメンとは前兆(きざし)という意味です。それも悪いことのおきるまえぶれ、「ふ、不吉じゃ」・・のことです。ここではオカルト映画の話ではなく、喘息の発作がおきる、まえぶれについて考えてみましょう。
喘息の発作はいつも急に始まると思っていませんか?それまで元気にしていた子供が急に呼吸が荒くなってとか、直前までなんともなかったのに突然に呼吸が苦しくなってという話はよく聞きます。たしかに急激に悪化する発作もありますが、たいていは数時間から数日前に軽いゼイゼイや咳など、発作がすでにはじまっており、気がついたときにはけっこう症状が進んでいたというのが真相のようです。
それにしても、なぜ発作が始まっているのに、気がつかないのでしょうか?実は喘息の患者さんは発作を繰り返すうちに徐々に呼吸困難を感じにくくなっているのです。この傾向は喘息が重症なほど強く、発作のないときに比べて気道が半分ほどに狭くなってはじめて苦しく感じるという人もいるほどです。
また、小さなこどもの場合にも、ゼイゼイがはっきりあるにもかかわらず平気で遊んでいることがあります。こどもが自分で苦しいと訴えるのはよっぽど重症のときと考えておいた方がよいでしょう。
もうひとつ、忘れてならないのが喘息患者さんの気持ちです。発作は非常に苦しいものですから、発作がないときに喘息のことはできるだけ忘れていたいと思っているのも無理からぬことです。この気持ちが無意識のうちにも軽い発作の症状を気がつくことの邪魔をしています。
逆に体調の変化に気をつけていると、ほとんどの喘息患者さんに発作が始まる前のまえぶれとなる症状があることがわかります。この前兆をしっかり捕らえてピークフロー値を確認すれば、より早めに発作に対処することができ、発作も重くならずにすみます。
あなたの発作の前兆はどんな症状でしょうか?下の表は患者さんにみられることのある発作のまえぶれです。この中から自分にもよく起こるものを探して発作の対応に役立ててみてください。なお、大部分の症状は喘息とは関係なく起きることもある症状ですのでご注意ください。
表 喘息発作のまえぶれ 一覧 息がゆっくりになる 胸に圧迫感がある 頭痛がする 興奮する 涙目になる 冷や汗をかく 熱っぽくなる のどがいがらっぽい 口が乾く のどが痒い 咳がでる いびきがでる 鼻水が止まらない 脈が速くなる すぐつかれる 気がふさぐ 眼の下にくまができる 頭がおもい 肩がこる 背中が痛い
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これ以外に自分はこんな前兆があるという方、メールをお待ちしています。
メールはこちらまでjiei@cc.rim.or.jp
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