最近、野草のアレルギーって話題になりませんね
秋になると、野原を一面黄色にするこの草、みたことありますよね。外来植物で日本では1970年代に急増したといわれています。昔、これの花粉は喘息の原因になるから近寄ってはいけないといわれ、そばを通るときは、息を詰めて走って駆け抜けたりしていました。
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これが有名なブタクサ?いいえ、違います。これは正しくはセイタカアワダチソウといいます。花粉は大量に出ますが、特にアレルギーの原因になるわけではありません。さんざん悪者扱いされ、医者の中にもこれがブタクサ、アレルギーの犯人と決め付けている人がいますが、とんだぬれぎぬです。
なぜこの草がブタクサと取り違えられてしまったかは、よくわかりません。あの鮮やかすぎる黄色の花や大量の花粉に、いかにも体に悪そうなイメージがあるのでしょうか?
この草がかなり急激に増えたのには理由があります。じつはこの植物は根にアミンという毒をもっていて、他の植物はこの毒のために枯れてしまうのです。毒で武装して勢力をのばそうなんて、どこかで聞いた話じゃありませんか。
東京オリンピックや大阪万博などで大量に輸入された木材にこの草の種がついて運ばれたようです。ススキなどはつぎつぎとこの草にやられて姿を消し、一時は日本中を征服してしてしまうのではと、かなり恐れられました。
幸い、そうはなりませんでした。日本の野草は残っています。どうやら、他の草をやっつけたあとにセイタカアワダチソウがあまりに密集すると、養分が足らなくなったり、自分の毒でやられてしまったりするようです。植物のハルマゲドンは不発に終わり。この草も、共生の道を選んだようです。
ところで、本物のブタクサはというと、左のじみーな目立たない草がそうです。日本中を騒がせた雑草に名前を奪われても、ちょっとしょうがないかな。北米原産の帰化植物ですが秋になると、よく探せばそこら中にはえています。
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ところで、最近このブタクサに大敵が出現したことはご存知ですか?その名もブタクサハムシ。つい最近日本に帰化、つまり定着したことが確認された北米原産の小さな甲虫です。もともと北米でブタクサを食べていた虫がようやく追いついてきたわけです。
この虫の勢いはすさまじく、関東ではこのごろブタクサが急に減ってしまったそうです。このまま、アレルギーの一因を食べ尽くしてくれれば喘息患者としてはOKなんですがはたしてそのあとはどうなるんでしょう?
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