ペット

喘息患者だからできないこと。喫煙、そしてペットを飼うこと。

最終更新日: 1999/12/27.

なぜ、悪い?うちのペットも?毛がなければ僕は平気対策は?

なぜ、ペットが喘息にわるい?

どうしてペットが喘息によくないのでしょうか?それはペットがアレルギーの原因になるからです。アレルギーを起す物質をアレルゲンといいますが、動物の毛やフケなどは代表的なアレルゲンのひとつです。

室内でペットを飼っていると目には見えなくても、ほこりの中に動物の毛やフケがたくさん含まれています。これが直接、アレルギーの原因となり、喘息を悪化させます。さらに、これがダニのえさとなり、ダニを増やす原因にもなります。

こどもの喘息の9割以上はアレルギー体質が関係しています。喘息の子供のいるうちでは犬、猫などのペットを飼うべきではありません。大人でもアレルギーのある人は同じです。
<用語解説>アレルゲン

うちのペットもダメなの?

では、どんな動物がアレルギーの原因となるのでしょうか?なんといっても犬と猫が一番多いのですが、その他にも毛の生えた動物はすべて原因になると考えられます。下の表は実際にアレルギーを起す動物の一覧です。

アレルギーの原因となる動物
イヌ
ネコ
モルモット
ハムスター
ラット
マウス(はつかねずみ)
ウサギ
ハト
セキセイインコ
ウマ
ウシ
ヤギ
ヒツジ
ブタ
ニワトリ
ガチョウ
アヒル

この表以外でも、最近増えている新しいペット達、フェレットだとかアライグマなどもいずれアレルギーの原因として問題になってくるでしょう。また、いわゆるペットだけではなく、家畜もアレルギーの原因になります。

毛のない動物ならだいじょうぶ?

毛が悪いのなら、その他のペットはどうでしょうか?最近のペットは多様化していますから、ありとあらゆる生き物がペットとして飼われる可能性があります。トカゲ類とか、熱帯魚などは問題ないのでしょうか?

犬や猫などでアレルゲンとなっているのは、毛だけでなくフケやつばの成分です。可能性としては毛のない生き物、たとえばトカゲなどのアレルギーがあっても不思議ではありません。おそらく、これまでは飼っている人が少なかったので実際に問題にならなかったのではないでしょうか?

水槽で飼う生き物についても、いくつか注意が必要です。熱帯魚や金魚などの粉末のエサがアレルギーの原因になることがあります。また、水槽から蒸発する水分で湿度が高くなり室内のカビを増やしてしまうと、やはりアレルギーを悪化させる原因になります。

僕は飼っていても平気だから

アレルギーの患者さん全てが、はじめから自分のペットに対するアレルギーを持っているわけではありません。それでは、いま症状が出なければ飼っていてもかまわないのでしょうか?

いいえ。アレルギーのある人なら、現在ペットのアレルギーがなくとも、常にアレルゲンを吸いつづけることで、いずれ症状がでるようになります。また、ペットのアレルギーがあっても自覚症状はないことが多いので注意が必要です。

血液検査で犬や猫のアレルギーがある人にアレルゲンを吸入させると7,8割の人が実際に発作を起します。そのなかでペットが喘息を悪化させると気がついている人は3割にも満たないそうです。喘息の場合、自覚症状はあまりあてになりません。上の表に出ている動物なら、すべて血液検査で確認することができますから、飼っている人や気になる人は一度検査をうけてみてはいかがでしょうか?

それでも飼うという人へ

結局、一番の対策はペットを飼わないことです。それがわかっていても、やっぱり飼うという人もいるでしょう。また、相手は生き物ですから、いくら喘息に悪いといっても引き取る人もいないのに、すぐに処分(!)してしまうこともできません。

以下の対策は、いくらか効果があるかもしれません。

1.1週間に1回程度、ペットを洗う。(犬、猫など)
2.寝室には絶対ペットをいれない
3.普段から徹底的に部屋を掃除する
4.フローリングなど、ほこりのたまりにくい、掃除のしやすい床にする

喘息患者さんのいるうちで、今飼っているペットが死んでしまったら・・・、次は飼わないで下さい。喘息を悪化させるのはペットだけではありませんが、いったんペットのアレルギーになるとペットを飼ったままで喘息がが良くなることはありません。

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参考文献
前田裕二:ペット(犬、猫) 環境抗原とアレルギー 、アレルギー科 、2:524−529、1996
山下直美:アレルゲン 気管支喘息治療の最前線 克誠堂出版:19−28、1997

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