兜岩山

 兜岩山 1,368.5m 御岳 1,350m
 山域:西上州

記録
 山行日2014年7月26日(土)
 ルート荒船不動尊〜御岳〜兜岩山(往復)
 コースタイム1227 荒船不動尊駐車場 → 1303/17 稜線 → 1331 御岳 → 1403 兜岩山分岐 → 1414/42 兜岩山 → 1522 御岳分岐 → 1531/47 下降点 → 1612 駐車場
 天候晴れ時々曇り

週末に出来ればどこかへと、金曜日の夜早めに寝たのですが、目覚めると6時で山に向うには多少遅い時間でした。そういえばいつかこういう夏の日、12時に登山口に着いて、荒船山→兜岩山と目論見ましたが、時間の制約と、暑さと、水が切れたことで後半の兜岩山を諦めたことを思い出し、後半部分のリベンジでもしてみようかと出発しました。

前回敗退したのは、1995年の8月のこと、実に19年ぶりのリベンジなのです。長い間放置していた宿題を片付けるという感じです。梅雨明けの週末の高速道路は、子供たちの夏休みも始まって、この時間すでに渋滞の真っ最中でした。ナビの渋滞回避の案内に言われるがままに戸田南から東松山まで一般道を走ったおかげで、内山峠まで通常よりプラス2時間。まぁ、コースタイムも短いので慌てず騒がず運転していきました。途中で立ち寄ったサービスエリアは夏の暑さに歩くだけでも朦朧とするような状態でしたが、木立の中の荒船不動尊の駐車場は、それと比べると随分涼しい感じでした。
駐車場の奥から伸びる広い道に、かつて御岳の方から降りてきた記憶がありましたが、とりあえず荒船不動尊の方に舗装された車道を登ってみると、すぐに御岳・兜岩山への標識がありました。林の中に入り、樹林帯の中の小さな流れを越えると、再び広い道に出て駐車場からの道と合流しました。このあたりは鹿がたくさん駆け回っています。危険を知らせる甲高い泣き声を発しながら走り回っているところを見ると、それほど人に慣れているわけではなさそうです。明るい道をしばらく進み堰堤の前を横切ると、再び細い登山道へと入り、小沢を渡って小尾根を絡みながらの緩やかな登りとなりました。
道は急坂でもなく、柔らかく歩き易い登りです。決して暑くは無いのですが、風が通らず湿度も高いのか、汗が噴出して来ました。この時期だから仕方が無いと思いつつ、ゆっくり歩を進めて行きます。小尾根を辿ったり、沢に近づいたりと歩きやすい傾斜で作られた自然林の中の道を行くと、やがてある程度の傾斜の登りとなります。稜線が見えてくれば、左に水平に辿るようになり、峠道のような感じで稜線の鞍部に出ました。風が通って涼しく、しばらく休憩しましたが、登山口から30分と少々で、感じとしてはウォーミングアップが終わったというところでした。
ここからの稜線は数回のアップダウンの往復となり、それが前回リタイアした原因でもあります。風の通る稜線の登りは、途中から階段の急登となりますが、以前の記憶と比べてかなり木が古びていて、やはり時の流れを感じました。登りついた場所から「御嶽山園地」の標識に従い、右に少し下って登り返しますが、登るところが倒木で乱れていて、そのまま斜面を直登してしまいまい、銅像の背後に出てしまいました。僅かな登りなのでどうということは無いのですが…
樹木に囲まれた山頂に鎮座する銅像に過去の記憶を辿り、下りは正しい道を下って主稜線に戻り、兜岩山を目指します。ここからは初めての道です。結構急で長く下るので、帰りの登り返しを思い遣ってしまいますが、顕著な下りがないと一続きの山になってしまうだけなので、仕方が無い事だと言い聞かせます。やがて道は登りに転じ、少し進むと正面に岩が立ちはだかり右への巻き道となります。この巻き道にはシモツケソウが咲いており、清々しい感じでした。巻き終えて稜線に上がると小さな岩頭があり、今日はじめての展望です。そしてこれはこのコース唯一の展望です。午後の霞の中で遠望はありませんが、これから登る兜岩山とその手前の円筒状のローソク岩、振り返れば御岳とその奥に京塚山が頭を出しているのが見えます。対岸に岩の盛り上がりを見せているのは立岩でしょうか?すっと樹林の中だったので、この場所は爽快でありました。
再び稜線を辿り、ローソク岩の巻き道に入ります。巻き終えると稜線を戻るようにローソク岩への道がありますが、基部に行くだけで登れないのでパス。そのまま緩やかに登っていくと直ぐに顕著な分岐に出ました。星尾峠と田口峠を示す標識のみで、兜岩山を示す標識はなぜかありませんが、ここしかないという場所なので分岐から兜岩山を目指します。あまり元気の無い、樹下の笹の中の道を緩やかに下り、鞍部からひと登りで樹林の囲まれた山頂に出ました。広い山頂ではありますが、四方をすべて樹林に遮られている静かな山頂です。木が植林でなく、瑞々しい広葉樹林なのでそれでも落ち着きます。一応今日の目的地であり、最高点ということで、腰を落ち着けて休憩して静かな佇まいを楽しみました。
帰路は、来た道を忠実に辿るだけですが、唯一の展望地で再び展望を楽しんだ後、御嶽への登りをしっかりとこなし、御岳周辺では他にも踏み跡があったので試して見ると、他にも石像などを見つけました。御岳からの下りは少し急でしたが、下降点まで下って最後にゆっくり休憩し、下山となります。稜線からの下りは歩きやすく、あっという間に堰堤が見えてきて、周囲で再び鹿の駆け回る姿を見つつ、真直ぐ駐車場に向かいました。長年の宿題を片付けたという感じでしたが、自然林の中の歩きやすい道で、そうそう暑さも感じず、楽しい一日でした。

帰路荒船の湯に立ち寄って汗を流したあと、それほど渋滞もなく順調に帰宅することができました。群馬県から県境を越えて長野県まで入っているので、かなり遠い山ではありますが、静かな一日が楽しめる山でもあります。しかし、やはりここだけではなく、朝早く来て荒船山とセットで歩くのが正解かな?とも思いました。あまり頑張らない行程なので、こういう行程に慣れてしまうと、ロングコースに行くのが億劫になってしまうのが心配ですが。

参照:荒船不動尊から荒船山

本文中の写真(順に)

  • 御岳山頂の銅像
  • 円筒状のローソク岩
  • 静かな兜岩山山頂

  • 参考図書・地図
    マイカー登山ベスト周遊コース東京周辺(1994年6月改訂5刷)
    昭文社エアリアマップ 西上州・妙義(1995年版)
    25000図 荒船山 信濃田口
    50000図 御代田

    展望の岩頭から見る兜岩山
    その他のコース
    ・田口峠〜兜岩山
    ・荒船不動尊〜星尾峠〜御岳
    交通機関
    基本的にマイカー利用となります。
    公共の交通機関を利用する場合は、「三ツ瀬」から荒船山を経由するか、中込駅〜初谷のバス利用となりますが、後者は平日のみかつ登山には適していません。
    上記の荒船山のページをご参照ください。