立処山

 立処山 735m
 山域:西上州

記録
 山行日2012年2月25日(土)
 ルート間物→明家→立処山→古鉄橋バス停
 コースタイム1430 明家入口 → 1506 オバンドウ峠 → 1514 明家 → 1543 鞍部の峠 → 1618/20 立処山 → 1633 鍾乳洞入口 → 1657 立処山登山口 → 1700 古鉄橋バス停
 天候曇り

諏訪山より続く〜

万場への旅の後半は、間物から明家を経て立処山までの行程です。どちらかと言えば下りの方向ですので、それほどきつくはないと思ってスタートしたのですが、実はしっかりと歩かされ、最後は時間がかなり押してしまいました。立処山もガイドブックには、ついでの一山などと、不名誉な紹介のされかたをしていますが、結構急峻な山でした。

明家の入口から旧街道に入ると、しばらくは平坦な道が続きました。しばらく進むと、道は沢に沿うようになりますが、このあたりから少し傾斜が出てきます。そして、峠道のようにつづら折りに高度を上げていくようになりました。すでに気持ちは下りに入っているので、長く続く登りは疲れが倍化していきました。
しばらく登りが続き、稜線がだんだん近づいてくると、道は南の方へと尾根の下を進むようになります。そして、稜線に行き着いたところがオバンドウ峠、後半の最高点で860mあります。石仏と小さな祠のある峠です。ここで道は北に向きを変え、荒れた神社への上り口のあたりで廃村の明家が見えてきました。すでに人の住まない家の数軒立つ、山上の日当たりのいい小平地の集落でした。
明家からさらに北を目指します。未舗装ですが広い道を進むと道は二分し、左側を進んでいくと、車道は終わり尾根上の山道に入りました。左側はネットで保護された若い植林地で、時々登り返しはあるものの概ね下っていきます。踏み跡はしっかりしたものですが、残念ながら植林地保護のネットが踏み跡を超えて進出してきており、藪の中を歩かざるを得ないところが数ヶ所ありました。時折細くなる尾根を下っていくと道の横切る鞍部に到着。ここからも299号にエスケイプすることができます。
さて、立処山への最後の登りだと気合を入れて広い雑木林の尾根を登り始めます。なかなかの急登ですが、最後の登りと頑張りました。しかし、登りついたピークからは狭い岩稜の下りが始まりました。地図上の669mのピークだったようです。思惑が違った後の気の抜けない下りで一気に疲れてきました。鞍部から、今度は岩稜の急登になります。もう夕暮れが近く、気ばかり焦って体は一向に進まないという状況ですが、ここまできたら前に進むしかありません。慎重に登りきって、再び尾根を下り鞍部に降り立ちました。
さて三度目の正直です。最後の登りは約100m。雑木林の広い尾根の登りで、最初は緩やかですが、だんだん傾斜を増してくる登りでした。ゆっくりと歩を進めて山頂への分岐点に到着。山頂へは空身で往復することとしました。
山頂は少し緩やかに下って、岩の基部からスタンスを探して岩を登ります。たどり着いた狭い山頂からは、広く展望が広がっていました。北は東福寺川の奥のギザギザの稜線が、東には山頂部の無くなってしまった叶山が間近に見えました。爽快な場所ではありますが、日没も迫っており、僅かな時間で辞することとなりました。
分岐まで戻るとあとは下山だけですが、この下りが大変でした。最初からロープを張ってありますが、ロープにつかまらなければ立ってもいられないような急斜面の下りです。慎重に下ると鍾乳洞の入口がありました。中に入ることもできるようですが、残念ながら時間切れです。鍾乳洞を越えると少し傾斜は緩み、立ってはいられるようになりますが、まだまだ厳しい下りが続きます。ずっと一枚の雑木林の斜面で、ずっと下まで見通せます。最下部には植林帯があり、早く近づいてこないものかと下っていきました。下の方は岩もゴロゴロと転がってきますが、きっと上から落ちてきたものが溜まっているのではないでしょうか。植林帯に入ると間もなく登山口に出て僅かで神流川にかかる橋を渡り古鉄橋のバス停に出ました。最終の新町駅行きが来たのは僅か5分後でした。

今夜は万場の今井屋旅館での泊まりです。あの尾崎喜八の宿泊した、街道に面している古い旅館です。今夜の夕食はとても豪勢で、食後、旅館の外に出てみると、万場の町はすっかり静まり返っていました。体はとても疲れていて動くのも億劫な感じでしたが、気持ちはゆったりとした充実した夜を過ごすことができました。そして、明日の行程を確認しつつ眠りに付いたのでした。

本文中の写真

  • オバンドウ峠
  • 廃村明家
  • 立処山から見た東福寺川奥の稜線

  • 参考図書・地図
    ヤマケイアルペンガイド 奥日光・足尾・西上州(2000年初版) 昭文社エアリアマップ 西上州・妙義(1995年版)
    25000図 両神山・神ヶ原
    50000図 万場

    立処山からの叶山展望
    その他のコース
    一般道は、本文のルートのみとなります。
    交通機関
    新町駅より日本中央バス奥多野線「上野村ふれあい館」行き「古鉄橋」下車
    詳細時刻は、日本中央バスをご参照ください。