松生山 (浅間尾根より)

 松生山 933.7m
 山域:奥多摩

記録
 山行日1998年2月1日(日)
 ルート払沢の滝入口→時坂峠→セト沢の一軒家→稜線→松生山
 コースタイム0800 払沢の滝入口 → 0840 時坂峠 → 0905 峠の茶屋 → 0910/0930 セト沢の一軒家 →1005/1010 小岩分岐 → 1015 稜線 → 1040/1050 松生山 → 1110 登山道
 天候晴れのち曇り

浅間嶺の東に登山地図に道の無い山がある。2万5千図にも名前のある松生山で、三角点峰のうえ浅間嶺付近の最高峰である。しかし浅間尾根道は尾根の街道であったため、このピークは巻いてしまう。気になる山ではあったが、降雪後の薮の隠れたいい条件の日に浅間尾根歩きと併せて行ってみることとした。

仏沢の滝入口でバスを降りて時坂峠に向けて歩き始める。朝の空気は冷たく張りつめ、空は青々として今日のいい天気を約束している。道標に導かれつつ車道をショートカットしながら集落を抜け、時坂峠への最後の登りに入り、植林地をゆったり登って着いた峠は林道が入ってきておりあまり峠らしくないが、祠や石碑など往時の往来を偲ばせるものがあった。さらに林道を歩いて峠の茶屋に着く。ここは素晴らしい展望ポイントで、大きな御前山と大岳山、その向こうに鷹ノ巣山など石尾根の山々も顔を出す。この日は新宿の高層ビル群なんかも良く見えた。とても天気がいいのだ。
セト沢の一軒家付近に、松生山からの道が一つ降りてきているとのことだが形跡は見つけられず、浅間嶺に至るゆったりと高度を上げていく歩きやすい道を登る。植林地を抜けると明るくなり、三頭山を見つつ回り込んでいくと、真っ白な冬枯れの雪道となってとても気持ちがいい。程なく右から1本のトレイルが上がってきて小岩分岐に着いた。ここからは左の展望台経由の道を選び、松生山に近づいていく。しばらく登ると浅間尾根に乗り登山道は右に折れて浅間嶺方面に上がって行く。今回は松生山を目指すので逆方向に折れる。小さな道標もあり、先人のトレイルも雪の上に一本あって安心であった。
松生山へは尾根を忠実にたどる。最初は雪の斜面の急登であるが、しまっており苦にはならなかった。登り着いたところは平らな尾根になっており、樹幹越しに浅間嶺の穏やかな稜線が一望できる気持ちの良い場所だ。東に進むと小さなピークをいくつか越える狭い稜線が続き、936mの最高点に達する。山頂はまだ先で、一旦尾根が広くなって緩やかに少し下ると再び登りに転じる。笹が多くちょっと薮が濃くなってくると、1本の枝振りのいい松が現れる。まさか松生山の語源では無いと思うがなんだか面白い。その先が広くなっており、頂上の標識と三角点のある山頂だ。北と南が刈り払われて展望も良く静かでいい場所である。北には御前山や大岳山。南は生藤山や笹尾根。そして樹幹越しではあるが、真っ白な富士山も大きくみえる。人の来ない展望もいいポカポカと静かで暖かな頂上での一時は充実した瞬間であった。
さらに進めば笹平のバス停か、セト沢の一軒家に降りられるらしいが、今日の所は引き返して浅間嶺方面に向かう。来た道を忠実に引き返し、最後の斜面は尻セードで滑り降りてもとの登山道に戻り、浅間嶺を目指した。


参考図書・地図
奥多摩の尾根と沢 東京新聞出版局(1997年)
25000図 五日市・猪丸
50000図 五日市

松生山の西の肩から振り返る浅間尾根
その他のコース
下川乗〜下川乗会館〜松生山
笹平〜松生山
・下川乗〜入沢林道〜松生山
・時坂〜瀬戸沢の一軒家〜松生峠〜松生山
交通機関
武蔵五日市駅から払沢の滝入口方面行き
西東京バスを参照下さい。