浅間嶺

 浅間嶺 903m 一本松 930.2m
 山域:奥多摩

記録
 山行日1998年2月1日(日)
 ルート(払沢の滝入口→)松生山→浅間嶺→一本松→藤原峠→数馬峠→奥茶屋/td>
 コースタイム1110 松生山分岐 → 1125/1135 浅間嶺展望台 → 1145 浅間嶺山頂 → 1205/1220 人里分岐 → 1300 一本松 → 1335 数馬分岐 → 1350 藤原峠 → 1400 数馬峠 → 1420 一枚石橋 → 1425 奥茶屋
 天候晴れのち曇り

浅間嶺はゆったりとした散歩を楽しむことができる、奥多摩の峠道の一つだと期待し、いわば取って置きの山の一つだった。都心にも大雪をもたらした降雪の2週間後、楽しい雪上散歩を期待して松生山といっしょに歩いてみた。

松生山(より続く)から降りて再び登山道に戻り、真っ白な斜面をゆっくりと登る。広い冬枯れの尾根を真っ白な雪が覆い最高の優しい道である。浅間嶺の展望台からは、正面に笹尾根が大きく横たわり、その向こうは道志や丹沢の山が見える。そしてなんと言ってもここは真っ白な富士の展望台であった。
展望台から一旦下って西に向かう道は903mの浅間嶺の頂上を巻いていくが、稜線通しに歩いてみた。山頂近くに祠が奉って有り、その先が最高点で山頂の表示がある。但しそれだけで特に何も展望が有るわけでも無かった。このあたりは踏まれていない為、雪も深くかなり足がもぐってしまう。下り坂を雪を蹴散らせて歩けば、やがて右下を歩く人が見えてきて登山道に合流した。
浅間尾根道はピークをことごとく巻いていく平坦に付けられた道である。人里分岐を過ぎたあたりで、右側の開けた所から御前山が大きく見える様になってきた。目の前の雄大な湯久保尾根はなかなか立派で、じっくり登ってみたいものだと思った。一本松の南面を歩いていくと尾根が曲がり、これまでたどってきた浅間尾根が見渡せる所にでた。松生山が一番奥で高く、その手前にゆるやかな尾根が続いている。このあたりで右に入って行くトレイルがあり、入ってみるとすんなり一本松の頂上に立てた。木に大沢山(一本松)と書いたテープが巻いて有るだけの何もない山頂で、三角点は雪に埋まっているのか見つけられなかった。
やがて高度をおとしつつ道は南面に回り込み、伐採後の植林後の明るい道となる。このあたりは雪がだいぶん消えてしまっている。浅間尾根登山口バス停と風張峠への分岐からは、まだ早いのでもう少し先に進むことにした。踏み跡は少々細くなり、植林地の中をひたすら歩く道となる。途中藤原峠の看板が出てくるが、およそ峠という地形ではなく、看板が無ければ通り過ぎてしまうところだ。そこからすぐに車道に出てしまい驚いた。この車道は最近できたものらしく地図にはのっていない。風張峠方面の半分雪に埋もれている標識に従い、その方向に進むとすぐに道が右に直角に曲がって登っていくところに出た。ここには数馬峠と書いてあり、稜線から浅間尾根登山口に降りるもう一つの道のようだ。尾根の方はここから再び高度を上げていくことになるので、このあたりで失礼させてもらって下ることにする。下山を示す道標は無いものの、立派な道の様である。尾根に乗ってまっすぐおりると、竹林があり廃屋があった。何となく生活の跡も感じられる様で風鈴が鳴っていた。雪の季節に廃屋で聞く風鈴はなんとなく侘びしい。あとはどんどんジグザグに下り、畑の中の道となって、民家の脇を抜け舗装道路におり立ち、一枚石橋に出て奥茶屋バス停に向かった。


参考図書・地図
アルペンガイド奥多摩・奥秩父・大菩薩(山と渓谷社1992年8月第1刷)
エアリアマップ 奥多摩(1994年版)
25000図 猪丸
50000図 五日市

御前山と石尾根
その他のコース
・上川乗から浅間嶺
・小岩から浅間嶺
交通機関
武蔵五日市駅から払沢の滝入口方面行き
西東京バスを参照下さい。



Nifty FYAMA 投稿文

松生山と浅間嶺【奥多摩】

いつもの思いつき山行でなく、今週はちょっと狙いを定めての山行です。いつも候補にあげてて行くことの無かった浅間嶺なのですが、どちらかというと松生山に行ってみたかったことがきっかけとなりました。登山地図にも2万5千図にも名前が出ていて三角点もあるのですが、浅間嶺の尾根続きにあって、登山地図に道の無い山です。「奥多摩の尾根と沢」によれば、充分な道が有りそうですし、降雪後の薮の隠れたいい条件なので今回行ってみることにしました。そして、もう一つの目標は浅間嶺から風張峠に向けてどこまで行けるかです。

【日 程】98年2月1日(日)
【目 的】浅間嶺
【天 候】晴れのち曇り
【コース】0800 払沢の滝入口 → 0840 時坂峠 → 0905 峠の茶屋 →
     0910/0930 セト沢の一軒家 → 1005/1010 小岩分岐 → 1015 稜線 →
     1040/1050 松生山 → 1110 登山道合流 → 1125/1135 浅間嶺展望台 →
     1145 浅間嶺山頂 → 1155 登山道合流 → 1205/1220 人里分岐 →
     1300 一本松 → 1335 数馬分岐 → 1350 藤原峠 → 1400 数馬峠 →
     1420 一枚石橋 → 1425 奥茶屋
【山 名】松生山 933.7m 浅間嶺 903m 一本松 930.2m
【メンバー 】単独
【山 域】奥多摩
【参考書】昭文社エアリアマップ 奥多摩
     ヤマケイアルペンガイド 奥多摩奥秩父大菩薩
     東京新聞出版局 奥多摩の尾根と沢
     2万5千図 五日市 猪丸

1.浅間尾根に登る

始発電車にこそ乗り損なったものの、五日市では電車から降りるとすぐ仏沢の滝入口行きのバスが来たので8時に登山口へ。数馬の方に行くバスを待つ人たちは、結構いたがこのバスに乗った登山客は1人だけ。逆走が主流なのだろうか。それともみんな笹尾根や三頭山かな?と思いつつ静かな道を歩き始めた。まだ早い朝の空気は冷たく張りつめているが、空は青々として今日はなかなか期待が出来そうである。2回程道標に導かれつつ車道をショートカットして時坂の集落を抜けていき、トイレのあるところから戻り気味に車道を横断して時坂峠への最後の登りに入る。植林地をゆったり登って着いた時坂峠は林道が入ってきておりあまり峠らしくないが、祠や石碑など往時の往来を偲ばせるものがある。
再び車道にでると峠の茶屋に着くが、ここは今日初めての展望ポイントである。まだ三頭山こそ遠いが、御前山と大岳山が立派だ。その向こうには鷹ノ巣山など、石尾根の山々も顔を出している。ついでに、新宿の高層ビル群なんかも良く見えた。今日はとても天気がいいのだ。
セト沢の一軒家の所で、支度を整える。一応軽アイゼンを装着したが、今日はあまり意味が無かったかもしれない。また「奥多摩の尾根と沢」によると、このあたりに、松生山からの道が一つ降りてきている様なので、形跡は無いか?と探したが、雪に埋もれていることもあり、見つけられなかった。
浅間嶺に至る道はゆったりと高度を上げていく峠道でとても歩きやすい。植林地を抜けると明るい道で三頭山を見つつ回り込んでいくが、このあたりも本当にゆったりとしていて、また雪の真っ白い道を歩いていくのはとても気持ちがいい。そして程なく右から1本のトレイルが上がってきて小岩分岐に着いた。
ここからは、左の展望台経由の道を選ぶ。松生山に近づけるからだ。だいたい松生山はこの当たりでは一番標高が高いのに、あまり山行の対象とされていない様だ。しばらく登ると浅間尾根に乗り登山道は右の浅間嶺方面に上がって行くが、今回は逆方向に折れる。松生山の道標もあり、なんと先人のトレイルが雪の上に一本ある。好きは人は私だけでは無かったのだ。

2.松生山に登る

松生山へは尾根を忠実に登っていくが、最初は雪の斜面の急登である。といっても先人のトレイルあり、また雪も結構しまっているので苦にはならない。かえって薮が隠れて歩きやすいくらいである。登り着いたところは平らな尾根になるがここが山頂ではない。ただ、この場所は樹幹越しに浅間嶺の穏やかな稜線が一望できる気持ちの良い場所である。さらに東に進むと小さなピークを何回か登り降りする様になり、狭い稜線が続く。そして936mの最高点に達するが頂上はまだ先である。一旦再び尾根は広くなって緩やかに少し下ると、再び登りに転じ、笹が多くちょっと薮が濃くなってくる。すると、1本の枝振りのいい松が現れる。まさか松生山の語源では無いと思うがなんだか面白い。その先が広くなっており、頂上の標識が3〜4個と三角点があった。山頂は北と南が刈り払われて展望も良く静かでいい場所である。北には御前山や大岳山。南は生藤山や笹尾根。そして樹幹越しではあるが、真っ白な富士山も大きくみえるポカポカと暖かい静かな頂上で来たかいがあったと思いつつ、休憩した。
ここからさらに進めば笹平のバス停か、セト沢の一軒家に降りられるらしい。トレイルも降りていっているが、今日の所は引き返して浅間嶺方面に向かう。来た道を忠実に引き返し、斜面は尻セードで滑り降りてもとの登山道に戻った。

3.浅間嶺

登山道に戻って真っ白な斜面をゆっくり登るとすぐに浅間嶺の展望台に着く。笹尾根が大きく横たわり、その向こうは道志や丹沢の山が見える。そしてなんと言ってもここは富士山の展望台であった。しばらく眺めていたが、団体が到着し、騒がしくなってきたので、先に進む。あずま屋へと駆け下りると道は、903mの浅間嶺の頂上を巻いていくが、稜線通しに登ってみる。山頂近くに祠が奉って有り、その先が最高点で山頂の看板がある。但しそれだけで特に何も展望が有るわけでも無かった。このあたりは雪も深く結構足がもぐってしまうがここも先人の足跡があり、また赤テープもつけてあるのでそれを辿って稜線を下っていく。これだけ潜ると登りだったら疲れるかもしれないと思いつつ歩いていけば、やがて右下を歩く人が見えてきてしばらくして登山道に合流した。
しばらくはピークをことごとく巻いて平坦に付けられた道を忠実に歩いていく。人里分岐で休憩したあとさらに進むが、右側の開けた所から御前山が大きく見える様になってきた。御前山は4年前に登って以来足を踏み入れてないのだが、目の前の雄大な湯久保尾根はなかなか立派で、あの尾根をじっくり登ってみたいものだと思った。機会をみつけていつか実現してみたい。
ここのあたりから要所要所に猟師が立つようになった。じっと立っているが、どの程度収穫があるのだろう。一本松は標高差がありそうなので巻いていくと尾根が曲がり、これまであるいてきた浅間尾根が見渡せる所にでた。やはり松生山が最高峰で一番奥で高い。次ぎの曲がり角あたりで右にトレイルが入っていくのを見つけた。さっきよりは高度を上げているので、右に辿るとどうやら簡単に一本松の山頂に立てそうなので入ってみた。すんなり頂上に着いたが、ここも木に大沢山(一本松)と書いたテープが巻いて有るだけの山頂だった。三角点は、あたりを掘り返してみたが、雪に埋まっており見つけられなかった。登山道は先で合流するはずなので、山頂から尾根を西に向かう。ここにはトレイルは無いがはっきりしている尾根なので心配は無い。左下に登山道が見えてくるとやがて合流した。入った点も合流した点も両方とも木にテープが巻いてあるので、よく入っていく人がいるのだろうと思う。

4.数馬峠から下山

少しづつ高度をおとしつつ道は南面に回り込み、伐採後の植林後の明るい道となる。このあたりはもう雪がだいぶん消えている。やがて浅間尾根登山口バス停と風張峠への分岐に出るが、まだ早いのでもう少し先に進むことにする。トレイルはだいぶ細くなり、植林地の中をひたすら歩く道となる。途中藤原峠の看板が出てくるが、およそ峠という地形ではなく、看板が無ければ通り過ぎてしまうところだ。そこからすぐに車道に出てしまって驚いた。この車道は最近できたものらしく地図にはのっていない。数馬側に降りれば麓まで降りられそうだがと思っていたら、高い所に立っていた猟師が腕を振っているのでその方向を見ると、風張峠方面の標識が雪に半分埋もれて立っていたので、その方向に進むことにする。すぐに、道が直角に曲がって右に大きく登っていくところに出た。ここには数馬峠と書いて有る。これが、稜線から浅間尾根登山口に降りるもう一つの道のようだ。尾根の方はここから高度を上げていくことになるので、仲の平まで行ってもあまりいいことも無さそうだし、今日はこのあたりで失礼させてもらって下ることにする。下山を示す道標は無いものの、立派な道の様である。途中分岐点もあったりするが、尾根に乗ってまっすぐおりると、竹林があり人家がある。人は住んでいない様だが何となく生活の跡も感じられ庭で風鈴が鳴っていた。雪の季節に廃屋で聞く風鈴はなんとなく侘びしい。あとはどんどんジグザグに下り、畑の中の道となって、民家の脇を抜け舗装道路におり立ち、程なく一枚石橋に出た。この道は逆からくると全く道標が無いので、解かりにくいだろうと思う。
奥茶屋バス停ではバスは50分後だったので、入ってビールとおでんを頼む。バスは笛吹で席は埋まってしまい、後も各バス停からどんどん乗ってきて満員になっていた。45分くらいで五日市に着いたが、席に座っていた私はいつの間にか眠っていた。

奥多摩もなんとなく久しぶりです。今日はちゃんと朝早くから歩いたので結構構充実していました。できるだけいろんな稜線を繋いでみたいと思いますが、当面の課題としての、鞘口峠〜御前山に新たに、数馬峠〜風張峠というのが加わってしまいました。この二つは2回行かないと無理のようです。前者を歩けば一応、柏木野/生藤山〜鋸尾根を経て奥多摩駅まで繋げるので、是非歩いてみたいと思っています。