高岩山

 高岩山 920m 高岩山展望台(上高岩山)990m
 山域:奥多摩

記録
 山行日1998年2月7日(土)
 ルート養沢神社→高岩山→展望台→芥場峠(→奥の院→大塚山→古里)
 コースタイム1005 養沢神社 → 1020 稜線 → 1205/1215 高岩山 → 1255/1300 展望台 → 1325 芥場峠
 天候曇り時々晴れ

サルギ尾根と高岩山について知ったのは「関東百山」の大岳山の項に打田氏が書いた文を読んだときだった。そういう山もあるのかという程度に記憶していたが、今度「奥多摩の尾根と沢」を読むとここにも記述があり、比較的易しそうだったので、ピークハントという気持ちで歩いてみることにした。

上養沢行きのバスは10分前に出たばかりなのでタクシーに乗る。養沢を過ぎてバスを追い抜いてしまったが、ガラガラのバスが何とも悔しい。養沢神社の裏に回って道を探す。どう取り付いても険しそうだが、かすかな足跡と赤テープがあったので、左手に進んで竹薮なかを登ってみた。しかし結局ブッシュになってしまい薄そうなところをめがけて強行突破で15分、桧の植林地に出るとすぐ尾根の踏み跡に出た。たぶんもっと登りやすい道がありそうである。ここから植林地の緩やかな尾根を登っていくが、一般登山道と言っていい程の道である。いい道でしかも人のこない地図にない道となると嬉しくなってしまう。しばらく植林地を歩き道に雪も見るようになると、尾根が左から合流してくる。これはすぐ先が採石場で切り取られている尾根でこのあたりは時折採石場の大きな音がする。樹木が繁っており、それほど展望のいい道ではないが、樹間からは日の出山方面や馬頭刈尾根が高く見える。高岩山に近づいてくるとだんだん露岩が現れる様になり、野趣に富んだ楽しい道になった。小さなピークをいくつか越えて平坦な頂上部にでると、最後に小さな高岩山と書いた標識を見つけた。樹木に囲まれて展望は乏しいが、樹の間から馬頭刈尾根を眺めつつ少々休憩した。
高岩山からは、正面に見えるサルギ尾根の上部の肩の展望台を目指す。ここから見ると、とてつもなく高いところにある様に見えて一気に気持ちが萎えてしまう。山頂から左に曲がり気味に急下降した後、展望台の方向へと右に曲がる。展望台は遥か頭上に見えているのに、どんどん下っていく道が恨めしいところである。下りきったら、922m地点に向けて下る尾根に横から攀じ登っていく格好になるが、この斜面は急傾斜で、かつ雪が10センチくらい乗ってシャーベット状になっており、一歩踏み出せば半歩ずり落ちるという状態でちょっと苦労した。尾根に乗ると直線的急登で登ってゆき、その分意外とあっさり展望台に着いてしまう。展望台には「高岩山923m」という標識がかけてあるが、名称はともかくとして標高はあきらかに誤りである。一般にここは高岩山展望台と呼ばれるらしく、標高としては990mくらいであろうか。展望台からは御岳を中心に日の出山や大岳山への尾根や金比羅尾根、馬頭刈尾根、そして今まで登ってきたサルギ尾根が良く見える。サルギ尾根上ではやはり高岩山顕著なピークとなっており、名前のあるピークであるのがうなずける。そして今まで歩いてきた地図に無い道を振り返る気分もなかなかいいものである。
展望台から縦走路までは3つのピークを巻いていき芥場峠に降り立つ。そして大岳山は今回立ち寄らず、鍋割山・奥の院経由で御岳山方面に向かった。


参考図書・地図
アルペンガイド奥多摩・奥秩父・大菩薩(山と渓谷社1992年8月第1刷)
エアリアマップ 奥多摩(1994年版)
奥多摩の尾根と沢(東京新聞出版局 1997年8月)
25000図 武蔵御岳
50000図 五日市

展望台からの高岩山
その他のコース
・高岩山へは現在このコースのみで、当時より道標等整備されているようです。
交通機関
武蔵五日市駅から上養沢行き「大岳鍾乳洞入口」下車
西東京バスを参照下さい。



Nifty FYAMA 投稿文

高岩山・鍋割山・大塚山【奥多摩】

高岩山・鍋割山・大塚山という題ですが、高岩山といえば西上州、鍋割山といえば丹沢、大塚山といえば千葉などと同じ名前で、しかも有名な山があるのですが、3つの名前が奥多摩の武蔵御岳の地図に寄り添っているのです。しかし、御岳山から大岳山への縦走路に隠れて、それぞれ単独では取り上げられない山です。それらの山を繋いで歩いてみました。高岩山は登山地図に道の無いサルギ尾根上にありますが、「奥多摩の尾根と沢」に記述があったので参考にしました。

【日 程】98年2月7日(土)
【目 的】高岩山〜奥の院〜御岳〜大塚山
【天 候】曇り時々晴れ
【コース】1005 養沢神社 → 1020 稜線 → 1205/1215 高岩山 → 1255/1300 展望台
     → 1325 芥場峠 → 1350 鍋割山 → 1405 男具那ノ峰 → 1440 長尾平 →
     1450 滝本分岐 → 1510/1515 大塚山 → 1605 登山口 → 1615 古里駅
【山 名】高岩山 920m 鍋割山 1084m 男具那ノ峰 1077m 大塚山 920.6m
【メンバー 】単独
【山 域】奥多摩
【参考書】昭文社エアリアマップ 奥多摩
     ヤマケイアルペンガイド 奥多摩奥秩父大菩薩
     東京新聞出版局 奥多摩の尾根と沢
     2万5千図 武蔵御岳

1.サルギ尾根

サルギ尾根と高岩山について知ったのは「関東百山」の大岳山の項に打田氏が書いた文を読んだときだった。へえ、そういう山もあるのか程度に記憶していたが、「奥多摩の尾根と沢」にも記述があり、比較的易しそうだったので、ピークハントということで歩いてみることにした。
武蔵五日市駅で上養沢行きの時刻表をみるとなんと10分前に出たばかりで、次は1時間後。下山後なら待つのだが行きはそういう訳にもいかず、タクシーに乗る。養沢を過ぎてバスを追い抜いてしまったが、ガラガラのバスが何とも悔しい。養沢神社までタクシーは2980円だった。
養沢神社にお参りした後、裏に回って道を探す。ガイドには尾根に乗ってしまえばいい道だとあるが、いかに尾根まで到達するかである。どう取り付いても険しそうだが、かすかな足跡と赤テープがあったので、左手に進んで竹薮なかを登っていく。しかし結局ブッシュになってしまい。薄そうなところをめがけて、急斜面を木にぶら下がりながら強行突破で15分、桧の植林地に出てなだらかで歩きやすくなり、すぐに尾根の踏み跡に出た。ここからは、植林地の緩やかな尾根を登っていくが、一般道と言っていい程の道である。この様ないい道で、しかも人のこない地図にない道となると嬉しくなってしまう。但し、歩くためによく工夫された道ではないので基本が直登であり、緩やかな尾根とはいえ傾斜はそこそこある。しばらく植林地を歩き道に雪も見るようになると、尾根が左から合流してくる。これはすぐ先が採石場で切り取られている尾根で、時折大きな音がする。「採石場のため迂回して下さい」という下る人のための看板があったが、下りは直進で突っ込むと採石場に行ってしまうのだ。それほど展望のいい道ではないが、樹幹からは右手に日の出山の方が見える。左は時折馬頭刈尾根が高く見える。雪が出てきたが、一本トレイルがあるのでそれを辿っていく。少しづつ高岩山に近づいていくとだんだん露岩が現れる様になり、結構野趣に富んだ楽しい道になった。
小さなピークをいくつか越えて平坦な頂上部にでるが、特になにも標識は無い。こんなものか?と思ってもう少し進むと、大きく下っていく手前で小さな高岩山と書いた標識を見つけた。この標識によると、あきる野市の最高峰とあるが、市区町村境では馬頭刈尾根上のピークがここより高いものの、単独で名前の付いたピークということであれば確かにそうである。結構な登りの後でもあったので少々休憩した。
高岩山からは、正面に見えるサルギ尾根の上部の肩の展望台を目指す。ここから見ると、とてつもなく高いところにある様に見えて一気に気持ちが萎えてしまうのである。高岩山から左に曲がり気味に急下降していくが、少しして右に曲がる。うっかりしていると展望台の方から地図上の922m地点に向けて下っていく顕著な尾根に吸い寄せられて真っ直ぐ行ってしまいそうになるので気をつけた方がいい。私は10mくらい行きすぎて変なトレイルをつけてしまった。(^^;展望台は遥か頭上に見えているのに、無情にもどんどん下っていく。下りきったら、922m地点に向けて下る尾根に横から攀じ登っていく格好になるが、この斜面が結構傾斜が急で、雪が10センチくらい乗ってシャーベット状態になっており、一歩踏み出せば半歩ずり落ちるという状態で、おまけに靴の中にかなり染み込んで気持ちが悪く、結構うんざりした。尾根に乗ると、今度は直線的急登で登っていくが、結局急登の連続な分思ったより遥かに距離が短かったようで、意外とあっさり展望台に着いてしまった。
展望台には「高岩山923m」なんて標識がかけてあるが、名称はともかく標高はあきらかに誤りである。一般にここは高岩山展望台と呼ばれるらしいが、「サルギ尾根の肩 990m」とでもした方が正解では無かろうか。展望台からは御岳を中心に日の出山、大岳山への尾根や金比羅尾根、馬頭刈尾根と今まで登ってきたサルギ尾根が良く見えるが、高岩山はやはり顕著なピークとなっており、やはり名前のつくのがうなずける。

2.奥の院〜大塚山

展望台からは踏み跡も増え、縦走路までは3つのピークを巻いていく。最後のピークのみ直接越えていく道があるのでそちらを歩いてみるが、人が歩いていず、結構足が潜ってしまった。芥場峠に降り立ち、少し大岳山側に登る。ここまで来たからには大岳山とも思ったが、やっぱり疲れそうなので、右に折り返して鍋割山へ。サルギ尾根の到達点の1067mは頂上直下を巻いていってしまった。鍋割山へは雪の踏まれた歩きやすい道をゆったりと登って到着。直進して下る尾根も緩やかそうで興味のあるところではある。右に急下降し、鞍部から巻き道を分けて、岩のゴロゴロした道を男具那ノ峰の先鋒に向かう。頂上からは一気の急下降であるが、結構険しい道である。右手に高岩山がよく見えるがここから見ても、尾根上に大きく盛り上がっているはっきりしたピークである。
やがて一般縦走路と合流し、御岳神社から長尾平の旅館街を抜けてケーブルカー駅の手前から大塚山方面に入る。このあたりは落葉樹の冬枯れのいい光景である。今まで歩いてきた道はほぼずっと桧の植林地や、そうでなくても桧が結構混じった林だったので、晴々した風景に思えた。樹幹越しに男具那の峰の尖鋒が良く見える。大塚山は広々とした気分いい頂上で、今日初めての三角点峰であった。少し休んでいたが、もう時間が時間だけに結構冷たく、すぐに出発した。古里までの道は、前半は比較的明るい気持ちのいい道で、ちょっと柔らかい雪の上を滑るように駆け下りていったが、後半は真っ暗な植林帯で、大きくジグザグに切られた固い雪の道をひたすら歩き、相当飽きたころやっと車道に飛び出した。駅についたら立川行きの電車が丁度出発してしまって40分待ち。残念でした。

2週連続の奥多摩で、エアリアマップに道の出てない所を歩きました。それほど薮は無いのですが、どちらかというと雪の無い時の方が道が解って歩きやすいのかもしれません。あとは道標などは当然ありませんので、2万5千図は必携でしょう。
展望はあまり期待しない方がいい様で、静かな道を求める方向きかもしれません。