鷹ノ巣山

 倉戸山 1,169.3m 榧ノ木山 1,485m 鷹ノ巣山 1736.6m
 水根山 1,620m 城山 1,523m 六ツ石山 1,478.8m
 山域:奥多摩

記録
 山行日1998年10月25日(日)
 ルート倉戸口バス停→倉戸山→榧ノ木山→鷹ノ巣山→六ツ石山→水根バス停
 コースタイム0825 倉戸口バス停 → 0935/45 倉戸山 → 1040/50 榧ノ木山 → 1125 石尾根縦走路 → 1145/1215 鷹ノ巣山 → 1325/35 六ツ石山 → 1355 トオノクボ → 1455 水根 → 1510 水根バス停
 天候晴れ

奥秩父の縦走を終えると、以前より体力に余裕が出てきたような気分になった。そこでこの体力を試し、また維持したいと思い、ずっと行ってみたかった鷹ノ巣山の榧ノ木尾根コースに挑戦した。

朝は雨後星も見えず半信半疑だったが、立川に着くころはすっかり素晴らしい晴天になっていた。鷹ノ巣山は展望の山らしいのでこの天候は嬉しい。鴨沢行きのバスに乗り、倉戸口で降りて登山口に向かう。途中、奥多摩湖越しの三頭山から鹿倉山、大菩薩や、民家の柿を前景にした山々の展望を楽しみながら登山口に到着した。
倉戸山までで標高差の半分を登ってしまうことになる。最初は尾根を直線的に登り、一旦巻き道に入ったあと灌木の中をジグザグに急登していく。再び出た尾根は幅が広く緩やかな尾根で、その後緩急繰り返しながら落ちた木の実で埋まった道を、高度を稼いで行く。涼しい絶好の条件の中で気分良く快調である。紅葉には少し早いが、確かに秋の気候になってきているようだ。木の間から正面に倉戸山の高まりが大きくなって、最後の登りを頑張る。一旦南面に回り込んだあと、折り返して登り切ると広い山頂に出た。山頂の南端に三角点があり、女ノ湯方面への道が出ている。展望が良いとは言われているが、南面の木が育っており、それほど展望は無かった。

榧ノ木山へはゆっくりした登りと平坦な道が交互に現れ、展望は無いが広葉樹と落ち葉の気持ちのいい道である。しばらくすると左手にちょっと高い榧ノ木山のピークが見えるがまだ結構遠い。だんだん疲れが出てきて、とばしすぎを後悔したのもこのころである。何度かの緩やかな登りを繰り返し、ちょっと大きく裾を引いたピークを登りつめると、峰谷方面からのノボリ尾根の道を合わせてピークの西面を巻くようになる。ピークを見上げると看板が木につけてあるので、斜面を這い上がれば榧ノ木山の山頂であった。展望の無い狭い山頂ではあったが、こういう人がわざわざ立ち寄らない様な山頂は好きである

榧ノ木山を過ぎると道は少々下り基調となる。左手に目指す鷹ノ巣山と日陰名栗峰が木の間越しに見えてきた。山頂はもうそこまで来ているのだ。緩やかなアップダウンを歩いて行くとすぐに水根方面への分岐があり、再び急な登りで峰谷方面への分岐を経て一登りで石尾根縦走路に飛び出した。実は思った以上に榧ノ木山から先が短かったのであった。石尾根縦走路は平坦で快適な明るい道であり、気分も明るく楽しく快調に進む。鷹ノ巣山の山頂は随分な人で賑わっているようだ。途中で尾根筋の道に入ると、広い防火帯の道になり気分が良くて一気にスピードアップしてしまう。冠雪した富士山や、遠くに見える南アルプスの山々を横目に眺めつつ、鷹ノ巣山への最後の急登まで一気に登りきった。
山頂は多くの人で賑わっていた。場所を見つけてポカポカと暖かい草の上に横になり、廻りの山々を眺める。やはり、大岳山・御前山・三頭山あたりが立派であり、それぞれの山行を回想しながら時を過ごした。

頂上からは石尾根縦走路の尾根筋を東に向かい、水根山、城山とピークを過ぎていくが、特に表示がないのでそれとは明確に解らない。尾根筋は防火帯の広々としたアップダウンの道である。城山を過ぎたあたりで切り開きが終わり、狭い急下降に入る。下りきると笹の中の道となり、巻き道の縦走路と合流した。一旦下ったあと、六ツ石山に向かって緩やかに北面の巻き道を登っていく。登り詰めたところが山頂への分岐で、冬に来たときに腰まで埋まる雪に覆われていた北斜面である。晴れた時に再訪しようと考えていたので、ちょうど今日はいい機会でもあり六ツ石山から水根に下ることにした。
六ツ石山山頂もハイカーで賑わっていた。冬に来たときはただ一面の白だった山頂も今はまだ青々として、鷹ノ巣山が良く展望できる。六ツ石山からトウノクボへの下りは、コースタイムの倍かかって雪の中を登ってきた道である。今日は広々と明るい美しい道だった。トウノクボでハンノ木尾根との道を分けて、樹林帯の中に入る。ここからは植林地の中の相当な急下降となり、歩きにくい道を呪いつつ、下山は石尾根かハンノ木尾根を下るべきだと思いながら、痛くなってきた足をだましだましで奥多摩湖が眼前に見える水根の集落までたどりついた。疲れたので水根沢など眺めながらのんびり車道を下っていくと、水根のバス停をちょうどバスが出ていってしまった。

*参照 ハンの木尾根から六ツ石山


参考図書・地図
アルペンガイド奥多摩・奥秩父・大菩薩(山と渓谷社1992年8月第1刷)
エアリアマップ 奥多摩(1994年版)
25000図 奥多摩湖
50000図 五日市

六ツ石山からの鷹ノ巣山
その他のコース
日原〜稲村岩尾根〜鷹ノ巣山
峰谷〜浅間尾根〜鷹ノ巣山
交通機関
奥多摩駅から東日原行き「東日原」下車
(平日は日原鍾乳洞行き「中日原」下車)
西東京バスを参照下さい。


Nifty FYAMA 投稿文

すばらしい鷹ノ巣山【奥多摩】

皆さんこんにちわ。ご無沙汰しています。奥秩父から帰ってきてから天気が悪かったり、行けない時に良かったりとちぐはぐな状態が続いていたのですが、日曜日は絶好の行楽日和という予報だったので、もし出かけなければ絶対後悔すると思い、頑張って初電に乗りました。
榧ノ木尾根からのコースはロングコースなので今までなかなか思い切れなかったのですが、逆に歩き易そうなコースでもあるので、ここをどのくらいで登れるか試して見ようという気持ちでチャレンジしてみました。すばらしいコースであることは間違いありません。

【日 程】98年10月25日(日)
【目 的】体力テストと展望
【天 候】晴れ
【コース】0825 倉戸口バス停 → 0935/45 倉戸山 → 1040/50 榧ノ木山 →
     1125 石尾根縦走路 → 1145/1215 鷹巣山 → 1325/35 六ツ石山 →
     1355 トオノクボ → 1455 水根 → 1510 水根バス停
【山 名】倉戸山 1169m 榧ノ木山 1485m 鷹巣山 1737m 水根山 1620m
     城山 1523m 六ツ石山 1479m
【メンバー 】単独
【山 域】奥多摩
【参考書】昭文社エアリアマップ 奥多摩
     アルペンガイド 奥多摩奥秩父大菩薩

1.鷹巣山まで

朝出発した時は、雨が上がったばかりで星も見えず半信半疑だったが、電車が立川に着くころはすっかり夜も明け、素晴らしい晴天になっていた。鷹巣山はロングコースになるのでそう気軽にというわけにもいかずに登らずじまいだったが、展望の山らしいので今日の様な晴れた日に登るにはちょうど打ってつけである。また、前回の奥秩父では荷物が重くてスピードが上がらなかったりした後なので、軽い時にはどれだけ歩けるのだろうと試してみたい気分でもあったのだが、そういう時にこの歩きやすそうなロングコースは、またまたちょうどいいのであった。
家を初電で出ると奥多摩では8時の東日原行きと鴨沢行きが待っており、今日は南からなので鴨沢行きに乗る。倉戸口で降りて、登山口に向かう車道からは、奥多摩湖越しに三頭山から鹿倉山、大菩薩と展望されて美しい。今日はテンポ良く歩くことも課題であるが、晴れて美しい景色に立ち止まって、写真を撮ったりするので一向に先に進まない。民家には柿がたくさんなっていて、柿を前景に六ツ石山方面をパチリとか....そうこうしているうちにやっと登山口に到着した。
倉戸山までの登りで今日の標高差の半分を登ってしまうことになる。最初は尾根を直線的に登って行き、一旦巻き道に入ったあと、灌木の中をジグザグに急登していく。再び出た尾根は今度はかなり幅の広い尾根で、面白い地形である。傾斜は最初のうちは緩やかだが、やがて緩急繰り返しながら落ちた木の実で埋まった道を、高度を稼いで行く。少しだけ意識してスピードを上げて登っていっているが、涼しい絶好の条件なので気分良く快調である。紅葉には少し早いようだが、確かに秋の気候になってきているようだ。
そうこうしているうちに、木の間から正面に高まりらしきものが見えてきた。どうやら倉戸山らしい。最初からとばし気味なのでさすがに疲れてきているが1ピッチで着きたかったので、頑張って進む。道は頂上直下で一旦南面に回り込んだあと、折り返して最後の登りを登り切ると、広い山頂に出た。山頂の南端に三角点があり、女ノ湯方面への道が出ている。展望が良いとは言われているが、南面の木が結構育っており、それほど展望は無かった。
休憩のあと、榧ノ木山を目指す。ゆっくりした登りと平坦な道が交互に現れる広葉樹の気持ちのいい道で、道は時によってはっきりしたり、落ち葉に埋もれてしまったり、展望は無いが雰囲気のいい道である。左手にちょっと高いピークが見え、石尾根かな?とも思ったが、そんなに簡単に着く訳がない。たぶん榧ノ木山であろう。まだ結構遠い。
このあたりにくるとだんだん疲れてきたので、やっぱり体力はこんなもんか..もっとゆっくり歩けば良かったと思う様になってきた。何度かの緩やかな登りを繰り返し、先は長いなあと思いながら進んでいく。ちょっと大きく裾を引いたピークを登りつめると、峰谷方面からのノボリ尾根の道を合わせ、ピークの西面を巻くようになる。ピークの方を見上げると看板が木につけてあるので、斜面を這い上がれば榧ノ木山の山頂であった。若干風が出ていて肌寒いくらいの展望の無い狭い山頂ではあったが、こういう人がわざわざ立ち寄らない様な山頂は好きである。しばらく腰を落ち着け休憩をとった。
榧ノ木山を過ぎると道は少々下り基調となる。左手に目指す鷹巣山と日陰名栗峰が木の間越しに見えてきた。そういう意味では、もうそこまで来ているのだ。緩やかなアップダウンを歩いて行くともう水根方面への分岐である。再び登りにかかり、峰谷方面への分岐を経て一登りで石尾根縦走路に飛び出してしまった。実は思った以上に榧ノ木山から先が短かったのであった。
石尾根縦走路は平坦で快適な明るい道である。このあたりは気分も明るく楽しく快調に進んでいく。鷹巣山の山頂が見えているが、頂上は随分な人で賑わっているようだ。途中で尾根筋の道に入ると、広い防火帯の道に入りますます楽しい。こういう楽しい道に入ると一気にスピードアップしてしまう変な癖があるので、冠雪した富士山や、遠くに見える南アルプスの山々を横目に眺めつつ、鷹巣山への最後の急登も一気に登りきってしまった。倉戸口のバス停から3ピッチで休憩込みで3時間20分。まあまあではなかろうか。10年後もこれくらいで歩きたいものである。
鷹巣山の山頂は多くの人で賑わっていた。場所を見つけてポカポカと暖かい草の上に横になり、廻りの山々を眺める。やはり、大岳山・御前山・三頭山あたりが立派であり、それぞれの想い出を思い出しながら時を過ごした。下山時に西北の展望の得られるところで、七ツ石や雲取山も展望した。雲取山あたりに丸いなだらかな山頂が見えていたが、和名倉山かもしれない。

2.六ツ石山経由で下山

鷹巣山の頂上からは再びもと来た道を下り、石尾根縦走路の尾根筋を東に向かう。水根山、城山とピークを過ぎていくが、特に表示がないので、なかなかそれとは解らない。この尾根筋の道は防火帯の切り開きになっていて、広々とした斜面のアップダウンの素晴らしい道である。城山を過ぎたあたりから、切り開きが終わり、狭い急下降に入る。木の根の斜面などもあって、雨の時などは歩きつらそうである。急下降を下りきると笹の中の道となり、やがて巻き道の方の縦走路と合流した。
縦走路は一旦下ったあと、六ツ石山に向かって緩やかに北面の巻き道を登っていく。ある程度登り詰めたところが、山頂への分岐である。今年の冬に来たときに腰まで埋まる雪に覆われていた山頂の北斜面である。あの時は晴れた時に再訪しようと考えていたので、ちょうど今日はいい機会でもあり、六ツ石山から水根に下ることにした。六ツ石山山頂もハイカーで賑わっていた。ここでは、冬に来たときはただ一面の白だった山頂も今はまだ青々として、鷹巣山が良く展望できる。六ツ石山からトウノクボへの下りは、あの時はコースタイムの倍かかって、雪の中を登ってきた道である。気持ちの良さそうな道だったので、晴れた再訪をと考えていたが、広々としてなかなかよかった。
急斜面を下るとトウノクボでハンノ木尾根との道を分けて、樹林帯の中に入っていく。ここからは植林地の中の相当な急下降で、歩きにくい道を呪いつつ、下山は石尾根かハンノ木尾根(伐採地の道が問題なく通過できればの話ではあるが)を下るべきだと思いながら、痛くなってきた足をだましだましで、やっと奥多摩湖が眼前に見える水根の集落までたどりついた。さすがに疲れたので水根沢など眺めながらのんびり車道を下っていくと、水根のバス停をちょうどバスが出ていってしまった。



この後、30分待ちなので奥多摩湖まで行ったら、バス停は黒山の人だかりになっていました。次のバスは満員で乗れなかったのですが、すぐその後空いたバスが続いて来てなんとか乗れました。このバスも超満員で水根からだと乗れなかったかもしれません。しかし、この3〜40分の間に水根から先が途中の橋の工事の為べったり渋滞してしまっており、あのバスに乗れていたらなぁ....と思ったものでした。約1時間かけて奥多摩駅に着き、人を押し分けてバスを降りて、駅に駆け込むと丁度ホリデー快速の千葉行きが発車するところに間に合って、ここはラッキーでした。
結構忙しい山行だったようにも思えるかもしれませんが、ちょっと早く歩くように気をつけてみたという程度です。コースタイムを気にして山を歩くなんて山を楽しんでいることにならないという意見もありますが、実際に歩いてみると、気にしようが、気にしまいが山は山であり、美しいものは美しく目に飛び込んでくるもんだということが解りました。ということで、これでも途中でフィルムも1本撮ってますし....たまにはこういうのもいいです。