幽霊屋敷の怪

一章 道士出立

GM:それじゃ、導入はいつもの通り。お師匠さんたちが知りあいだった君たち二人、殷雷(いんらい)と禦冦(ぎょこう)は、その伝手から一緒に修行の旅に出る事になったと。

禦冦:うちの師匠… 絶対じじいでタラシだと思う。そのその反動で、オレがこんなんなっちゃってるんだから。

殷雷:僕のお師匠様は女の人だよ。アネゴっぽいんだ。

GM:その人が、祭祀用の刀であった君を人間にしてくれた、というわけだね。
 とにかく、ひょんな事からお知りあいだった君たち二人が連れ立って、てくてくてくと歩いていくうちに、ちっちゃな村が見えてきたよ。

禦冦:村ですか。

GM:うん。周りには森がたくさんある。平原の中の森の近くだね。

殷雷:わかりました。じゃ、とりあえず村… 町… 見えたら行くのがお約束。さあまいりましょう(笑)

禦冦:早く行きましょう(笑)

GM:うんうん(笑)
 行ってみると、近くに大きな邑(くに)があるせいで、大きな街道が通ってる。そのせいで宿場町みたいになってるから、旅人はあんまり珍しくないみたい。まあ、それ以外は普通だね。

殷雷:じゃあ、ぶらぶらと町中を歩く。

GM:…それじゃ、「知覚」で判定してみて。

殷雷:(ころころ) あ、失敗。

GM:惜しいな。何かひっかかるような気はするけど、それが何なのかは分からない。

禦冦:おれもやっていい? (ころころ) こっちは成功したが。

殷雷:禦冦さん、何かひっかかったような顔をしていらっしゃいますけど、何かお気づきになったのですか。

GM:随分ていねいな言葉づかいだな。

殷雷:…よう禦冦、何か気づいたかい?

GM:(笑) じゃ、禦冦は今すれ違った男の人が普通じゃない… 人間じゃないように感じたけど。

禦冦:だ、そうだ。

殷雷:何だって、今の奴が人間じゃないって? よっし、後つけてみようぜ。

GM:つけてくのね。じゃあ、「機敏」でふってみて。二人そろって成功しなかったら、どっちかがはぐれるか、見つかるかしちゃうからね。

禦冦:オレ、はぐれるかも(笑)
何のかんの言いつつ、二人とも成功。男に気づかれずに後をつけて行くと、やがて村はずれにまで来てしまったのであった。
殷雷:村はずれ。なーんか家がなくなってきたなあ。これってひょっとして村から出ちまうんじゃないか?

GM:いやいや。村はずれの小さな小屋に、彼は入っていく。

殷雷:……僕の式神、じゃなかった、使鬼を中に潜入させて中をうかがう。これってできる?

GM:感覚共有の召鬼術ね。うん、使鬼って霊体だし、壁とかすり抜けるからね。可能だよ。

殷雷:よし。で、中で何してるの。

GM:そうすると、何もないの。壁も何もない一つの部屋なのに、誰もいないの。裏口も地下室もないよ。

禦冦:どこ行った!?

殷雷:扉を開けて入ってみようぜ。ここまで不審な事されちゃ、黙っていられないぜ。

禦冦:よし来た。破壊して入ってみよう。

殷雷:だーめっ!! ちゃんと開けて入ってみる。

禦冦:開けるのか。(←不満そう)

碧羅:(プレイには参加せず、横で見ていたが乱入して)おいっ、戒律はいいのかお前らあ!!!

GM:(よく言った!) …そういう事をしていると、後ろから「あなた方、何してるんですか」と声がかかる。

殷雷:振り向くと?

GM:振り返ると、ここの村の人らしいおじいさんが一人。

殷雷:あー、あのですね、不審な男を見たんですが、ここに入って出てこないようなので、どこに消えたのか見てみようと。

碧羅:(再び乱入) 一言きいていいですか。

GM:どうぞ。

碧羅:突然村に来て不審な男見つけて、それだけで家の中のぞいていいんですか(笑)

殷雷:いいんです(笑)

禦冦:いいんです(笑) おれたちは許されるのさ。

GM:…………いいのか?(苦笑)


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