二章 怪談話は多々あれど

GM:とにかく、男が消えたとか殷雷君が言ったら、じいさんは「ギクギクっ、それはまさか」てな反応を示すけど。

禦冦:あ、じじいに聞け。

殷雷:うん。じゃあ、この体格をいかして脅す… のはやめましょう(笑) 戒律に曰く、「礼を貴び、常に笑みを以って話すべし」だし。

GM:ふふふふふ、非礼な事しちゃいけませんよ。徳が減るからね。 ……まあ彼が言うには、最近この村に幽霊が出るって噂が流れてるんだって。

殷雷:幽霊。オレの出番だぜって感じだね。よし。

GM:で、その幽霊ってのが、見る人見る人によってばらばらで、証言が違うらしい。

殷雷:とりあえず、おじいさんは見た事ありますか?

禦冦:あと、他にも見た事ある奴っているのか。

GM/老人:「わしは見た事はないのじゃが。そういえば、村長と村長の息子どのが一番騒いでおったのう」

殷雷:村長…。じゃ、村長の家の場所を聞いて、よくよくお礼を言って村に帰ります。

禦冦:その前に、さっきの家の中をのぞいてみない。

GM:見る? まあ、はっきり言ってただの掘っ建て小屋。村人の共同の物置みたいな物だったんだけれどね。

殷雷:本当に不審な点はないんですか?

GM:どうしてもって言うんなら、「知覚」判定でもいいけど。

殷雷:「知覚」判定、コロコロコロと。

GM:ああ、あのね。召鬼の人は「見気顕正」(気を見て正なるをあきらかにせんことを)っていう術で、陰陽の気を感じ取る事も可能だから。

殷雷:えっ、見鬼?

GM:いや、見気。これも使えるって覚えておいてね。時々判定で使うから。
一言。「見鬼」(けんき)「見気顕正」(けんきけんせい)も、どちらも召鬼の初歩の術にあるんです。しかも両方とも使用頻度が高い。…ややこしい(笑)
殷雷:じゃあやってみます。

GM:うん? 小屋の中には何もないよ?

殷雷:……じゃあ村に帰って、あたりの人をつかまえて、幽霊の話について詳しい聞き込みを行う。

禦冦:そんな事より村長に聞いた方が早いんじゃない。

殷雷:村長に会う前に手駒をそろえておかないとさ。話をうまく進めるには、根回しが必要なんだよ。

GM:(そこまで慎重にならんでも……。)
村人達の話によると、村の西側にある大きな屋敷が化け物屋敷のようである事、火の玉が飛んだりといったような怪奇現象が、村中でよく起こっているとの事。

怪奇現象は、夜だけではなく、時には白昼堂々起きることもあるとか。
殷雷:そういった噂が立ち始めたのは、いつ頃からなの。

GM:三ヶ月くらい前から。

禦冦:…三ヶ月前ね。その頃何か村であったわけ?

GM:村人達に聞く限りでは、何もない… と言うより、何があった分からない。

殷雷:ふーん… あっ、そうだ。そんなに色々怪しいというならば、これ(見気顕正)をやってみます。

GM:村の中でやるわけね? ここで使ったとしても、ただ普通の村人の気が感じられるだけ。怪しいものはないね。

殷雷:そうか(←残念そう) 何もないか。じゃ、とりあえず村長の話を聞こう。
と、いうわけで、村の北側にある村長の家に赴く二人。
殷雷:(扉を叩いて)すいませーん、村長さん、お話があるので出てきて下さーい。

禦冦:村長の息子の話も聞こうな。

GM/女の子:「はい、どちら様でしょうか」

殷雷:えっと、申し訳ございません、旅をしているものですが。

GM/女の子:「まあ、旅人の方でございましたか」

殷雷:はい、このたび、この村の中で様々な奇怪な事態がですね、起きている事をお聞きまして。……解決したいなと思い、お話なりと聞かせてほしいなと思いまして。

禦冦:(ボソリと)それじゃあやしい宗教だぞ(笑)

GM/女の子:「では、父にお会いになって下さい」

殷雷:あっ、お嬢さんでしたか。

GM:いや、実はおよめさん。村長の息子の。
 ま、そういう訳で、よめさんがダンナさんと村長さんの所に案内してくれる。それで、「これはまた珍しいお客人で。歓迎いたします」って。

殷雷:珍しいって?

GM:…あのさ。君ら二人とも、身なりからして普通じゃないって、バリバリに宣言してるでしょうが。

殷雷&禦冦:あははははははははははは(複雑な笑い)

禦冦:いや、オレは普通だよ。

殷雷:おまえ、額に目があるし。

禦冦:いやオレは普通だし、普通だし。

GM:(どこがじゃい) 「いえ、そちらの御仁の額飾りはただ者ではない証かと」

殷雷:そうです、こいつはただ者じゃないんです。ぼくはただ者ですが(笑)

禦冦:うそつけ、うそつけっ。

殷雷:と、罪のなすり合いをしている場合ではございません(笑) あのですね、この村で起きている奇怪な事態について、お話をおうかがいしたいのですが。

GM:それには、ダンナさんの方から答えてくれる。
ダンナ曰く、彼と、父である村長とが西の屋敷の近くを通りかかった時に、幽霊を見たという。

ダンナが見たのは、胸に剣が刺さった老人の幽霊。ただ、その老人の顔の方は、おぼろげでよく覚えていないという。村長の方は、人魂やらラップ音などの怪現象を、前後して見たそうである。
禦冦:西の屋敷なあ。化け物屋敷になってるって言ってたのもそこだったな。

殷雷:そういえば、そのお屋敷に人は住んでいないんですか?

GM:じいさんが一人、そこに住んでたんだけど、三ヶ月より少し前くらいから行方不明になってるんだって。以来屋敷は放置されてて、何が出てもおかしくない雰囲気だって。

禦冦:夜逃げでもしたのか、そのじいさん(笑)

GM:さあ。でも子供とかにすごく優しかったらしい。森とかで怪我した動物や鳥を拾ってきては治してやったり、って事をやってたんだって。

禦冦:ところで心当たりってやつは聞いたのか。

殷雷:そう心当たりは?

GM/村長:「さて、私にはとんと」 といったところで、「知覚」チェックね。

禦冦:また失敗するんだよ(と言いつつころころ)

殷雷:……これって、どうしようもないかも(苦笑/ひどい出目)

GM:…えーと、禦冦の方がぎりぎり気づいたね。村長が何か隠してる気がするけど、気のせいかも知れないようにも思える。

禦冦:う〜〜〜〜〜〜ん。(腕組み)

殷雷:気になってる事があるようだな。相手の心を知る術とか、お前持ってる?

GM:召鬼術でもっとレベルが上がれば、可能だけど。

殷雷:うっっ!

禦冦:お前じゃんかよ。

殷雷:(術のリストを見て)あ、ほんとだ、行使値4の術にあった。(現在の彼の行使値は3)

GM:残念でした。

殷雷:う〜〜〜〜〜。 …そうだなあ、息子さんもこの話を一緒にしている?

GM:うん。

殷雷:息子さんの方は、ガタガタ震えてるとか脅えてるとか、人生経験浅そうなところ見せませんか?

GM:(??) 全然ない。むしろお父ちゃんよりどっしり構えてる感がある。ついでに言うと、奥さんは控えめで、幽霊騒ぎについてわりと気にしてるかな。

禦冦:ちょっと奥さん呼んで、隣の部屋でこっそり聞くとか(笑)

GM:こらこらこら(笑/人妻になんて事を)

殷雷:そんなあやしげな(笑) 僕が止めます。……で、どうする? そろそろ家を出ますかい、だんな。

禦冦:ああ、ちょっと待て。
 村長さん、これから我々はその屋敷を調べてみるつもりですが、もし幽霊が本当にいるんだとしたら、あなたたちにとって、そいつが残っている方がいいんですか。それともいなくなった方がいいんですか。

殷雷:そう、それによって扱いが違うぞ。

GM/村長:「その幽霊がなぜ成仏できないのかにもよるでしょうからねえ」

禦冦:成仏させられるとしたら、そうした方がいいですか?

GM/村長:「そうですね、お願いいたします」

殷雷:分かりました、という所で、いったんここは家を辞そう。


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