三章 ばけもの屋敷にいらっしゃい

GM:家を出てみると、もう夕方になってる。これから屋敷に向かったら、探索は夜になっちゃうだろうね。

禦冦:夜にやった方がいいのかな。火の玉見たとかいうのは、夜の方が多いだろうしなあ。

GM:まあ、常識的に考えたらそうなるだろうけど。

禦冦:じゃあ、夜の間に行ってみよう。

殷雷:行ってみよう。ちなみに町の中歩いてても、特に僕の目にひっかかる鬼はいないですよね。

GM:うん、いないね。で、西側の屋敷の前まで来たけど、もう本当に荒れ果ててる。ツタやら雑草やらがはびこってて、玄関の扉は開きっぱなし。

禦冦:入れって事だよな、開きっぱなしって事は。

殷雷:屋敷って何階建てなの?

GM:うーん、一階建てだけど広い。平屋だね。

禦冦:とりあえず中に入ってみよう。

GM:とりあえず中に入ったのね。そうしたら、背後で扉がばったんと。

禦冦:ありがちだ。(GM/ふふふふふ)

殷雷:蹴り開けるっ(笑) GM、「体力」での判定だよね。

GM:本当に力ずくで開けるんなら。

禦冦:オレは余計な労働はやらない。

殷雷:おまえはよう。…体力11で蹴りたおせば、普通開くよね。とりあえず蹴ってみましょう。

GM:どうぞ。難易度は内緒ね。

殷雷:(ころころ)出目は10、足して21だと開くかな、開くかな?

GM:にやり、実は力ではどんな事をやっても開かない。(せっかく素晴らしい出目だったのにねえ)

殷雷:うっ、じゃあいいです。……はあ、力じゃ開かないって何なんだろ。見鬼術にひっかかるものもないしなあ。

GM:まあ、禁呪には「禁扉則不能開」(扉を禁ずればすなわち開く事あたわず)って術もあるけどね。

殷雷:ああそっか。

禦冦:いざとなったら…… こわそうぜ(笑) その辺の壁。

殷雷:おおっ。(手を打つ) そっか、壁には禁呪かかってないだろうしな。

GM:納得するなやっ(苦笑)
何はともあれ、屋敷の探索に向かう二人であった。

入ってすぐの所に立っている二人の前には、部屋の扉が二つ。そしてそれらの右側に、奥へと向かうらしい廊下がある。
禦冦:じゃあ、左の部屋から見ていく。

GM:そこはどうも物置だったみたい。中は荒れちゃってて何もないかな。

禦冦:部屋の中調べる。

殷雷:引っかかる物があるかどうかは「知覚」判定ですよね。僕は「知覚」9なんだけど… (ころころ)足して13です。

禦冦:こっちは21。

GM:そこまでていねいに探しても、何もない物は何もない(笑)
 そうやって君らがあちこちひっくり返してると、耳元で何かがぼそぼそってささやいたかと思うと、首筋にひやりっと。

禦冦:何かが通るような…。

GM:隙ありって事で恐怖判定してね。でも恐怖値10だから、大した事ないだろうけどさ。

殷雷&禦冦:(ころころ)ほんとだ、全然平気。

GM:まあ一般人だったら、かなり来るんだけどね。きみらは仙人で、普段から不思議な事には慣れてるから、こんくらいじゃ動じなくなってるけど。

禦冦:なるほど。

殷雷:今のって、幽霊でも通ったのかな。「見鬼」してみます。(ころころ)…… 足して7。見えない見えない(笑)

GM:それじゃあ何にも分からんよ。

殷雷:あはは。しょうがないから真ん中の扉開けます。

GM:真ん中の扉ね。そうすると、開けた鼻先にいきなり火の玉がぼぼんと。

禦冦:幽霊。もうこれはお前に頼むよ。

殷雷:うん……(ころころ) 9、見鬼9(爆笑)

GM:裏成功はしないのね? 全然分かりませんよう(笑)

殷雷:でも、根性入っている僕はもう一度、見鬼をやるのでした。

GM:そんな事をしてる間に、火の玉の中に顔が出てきた後、わ〜っと笑ってふっと消えちゃうんだけどね。

禦冦:じゃあどうにもならんな。消えちゃったのか。

殷雷:こっちの部屋も調べてみます。

GM:かつては使用人の部屋だったみたい。こっちもガラクタぐらいしかないよ。
さらなる探索のため、右手の廊下を奥に進むと、すぐに突き当たって左に折れていた。

そこを曲がって右手の側には、また部屋の扉が二つ並んでいる。
殷雷:じゃあ手前の部屋から行こう。戸を開けてみて、閉まんないように戸を押さえつつ中を見る(一同笑)

禦冦:用心深くなってやがる(笑)

GM:(笑)はっはっは。

殷雷:また閉められたら冗談じゃないもん。

GM:じゃあ、戸に手をかけて中に入った途端、それこそ絞め殺されるようなすんごい声が聞こえる。

禦冦:どこから。

GM:どこからともなく… それに反響しちゃってるから分からないよ。あ、一応恐怖判定してね。恐怖値は10。

禦冦:(考えて)10って、オレたちがどんな悪い出目をふっても、全然怖くないんじゃないか?

GM:(その通り)

殷雷:悲鳴あげてたって事は、だれか幽霊でもいるのかな… 「祈願見鬼」。

GM:(見鬼、ねえ)いや、誰もいない。人も鬼もいない。

殷雷:変だな、幽霊屋敷ならいてもいいのに。

GM:(うんうん、「けんき」は「けんき」でもね)

禦冦:ところで、ここはどんな部屋なの。

GM:主の書斎だったみたい。机の上には、かなり使い込まれた硯がひとつと、もう毛がぼろぼろになった筆が何本か。壁際の棚には、ほこりをかぶった木簡がいくつか残ってる。

殷雷:ふうん。よし禦冦、中に入って調べてきてくれ。

禦冦:調べてきてとか言われたから、オレ部屋を調べるらしいぞ(笑)

殷雷:しょうがないじゃん、僕は扉を押さえてるんだから。

GM:閉まんないよ、今度は(笑) ま、さっき言ったのの他は、ほとんどゴミみたい。めぼしい物は隠れてなさそうだよ。

禦冦:木簡を開いてみる。何が書いてある?

GM:この辺を通っていった旅人から語り聞いた、各地のおもしろい話がいろいろ書いてある。妖怪話とか、建邑伝説とか。

殷雷&禦冦:うーーーん。

GM:雰囲気的には捜神記とか、聊斎志異みたいなもの。この館の主のじいさんが書いたものらしい。

殷雷:持っていきたいなあ。

禦冦:他に気にかかるものはある?

GM:いや、ない。

殷雷:じゃ、となりの部屋へ。

禦冦:で、また戸を押さえつつ(笑)

殷雷:いやもう、ハッハッハ(笑) で、中に何かありますか。

GM:がらんとした、今までと比べると小さな部屋。奥に部屋があるらしく、戸が一枚左手にある。それと、入って正面に、中ぐらいの大きさの銅鏡が飾ってある。

禦冦:それは気になるのか。

殷雷:すごく気になる。鏡見てみます。

GM:殷雷が見るのね。……ちょっと仙術抵抗して。

殷雷:何かあったんだあっ。(ころころ)出目は10、足して13。

GM:むう、なかなかいい出目ですな(ころころ) ……ふっふっふ、勝った。

殷雷:うっわっ、ごめんね、禦冦、君に斬りかかったらごめんね。

GM:じゃあ、鏡を見たら、映った君の顔が変化して見えた。非っっっ常に君の一番嫌な姿に変化して、

殷雷:ギャー。…ですね。うわ〜、うわ〜、オレの顔がああっ。

GM:(笑)君、「魅力」いくつ?

殷雷:「魅力」… 11。

GM:11ね。じゃあ、(11足す6で)恐怖値17で恐怖判定どうぞ。

殷雷:う〜〜〜(ころころ) ……マイナス5で失敗(泣)

GM:「短時間の精神異常」だね、それは。戦闘中じゃないから、大した問題はないか。しばらく硬直して、心臓ばくばくさせてて下さいな。

殷雷:ああよかった、斬りかからなくって、この人に斬りかかってめったやらずに刀を振り回さなくて。

禦冦:(笑)なんだよそれ。

殷雷:いやだって、僕、君より体格いいから、斬りかかったらまずいだろ。

禦冦:……そうなったらオレ死ぬかもよ、まじめに。

GM:ま、実際には鏡に映ったように顔は変化してないんだけどね。そういう風に見せての心理攻撃だったみたい。

禦冦:そういや、この部屋に幽霊はいるのか。

殷雷:うーん、「祈願見鬼」… あ、でも鬼がいないからできないのか。

GM:(ここの部屋ではまだそう言ってないのに/苦笑)

殷雷:じゃ、「見気顕正」の方をやってみます。(ころころ)15。

GM:(それが正解)ばけもの屋敷にしてはどうも、陰気がうすいのが分かる。村で噂されてたような状態なら、本来はもっと陰気が濃いはずなんだけどね。

殷雷:どうも変だなって感じですね。ところで、この鏡の正体って何?

GM:のぞいた相手に、さっきみたいな術がかかるような細工がしてあったみたい。

禦冦:鏡にさ、面相墨で顔描いて、何か聞き出すってできる?

GM:それはかまわないよ。

殷雷:鏡に落書きしちゃいけないんだ(笑)

禦冦:うるさいな(笑) 話聞くんだからいいんだよ。

李済:横から乱入)描くんだったら美形の人がいいな(笑)

禦冦:美形の… 美人の女だな、描くとしたら。

李済:はっっ。(←何やらショックを受けたらしい)

GM:あ、女の子の顔にしたのね。

禦冦:あっ、それ何か問題になるのか?

GM:いや、ならないよ。じゃあ、鏡はかわいい女の子の声で、「なんですか」と。

禦冦:う〜んと、君には術がかかっているようだけど、誰がかけたんだ?

GM:「私はもともと、術を込められた鏡なんです。本来なら見えない鬼をも映す鏡として生まれました。ですがしばらく前に、何か変な術を上からかけられてしまったんです」

禦冦:ここに君を持ってきたのは誰なの。

GM:「そうですね、もう随分と前の事なので覚えておりません。記憶にある限りでは、ずっとここにいて、旦那様に家のお守りとして大事にしていただいてましたので」

禦冦:そうだ、二、三ヶ月前に、あなたが最後にご主人様を見た時の様子を教えてください。

GM:「三ヶ月前かどうか、私は道具なので時間感覚に自信がないんですけど、しばらく前からずっと、奥の部屋から出てこなくなってしまいまして」

殷雷:て事は、今も出てきていないのか。……えっと、僕にかかったような術をかけたのは旦那様ではないんですよね。どんな人でしたか?

GM:「子供の姿でしたけれど。何だか変なお札を背中に貼られちゃいまして、それで」 ひっくり返してみると、確かにそういう札がある。

禦冦:ひっぺがしてやれ。

GM:はがせば元の、不思議な物が見えるとか言い伝えられた、鬼が見える鏡に戻る。実際の効果としては、「見鬼」の術にプラス1のボーナスね。

禦冦:そうすると彼女(?)を連れ歩く事はできるのか。

GM:「そうですね、ここで一人でいるのもさみしいですから、お供させていただきますぅ〜」

禦冦:連れて歩くぞ。

殷雷:よしよし、将来僕と一緒に夫婦になろうね。

禦冦:だ、そうだ。(一同笑)

殷雷:いや、もとが金属どうしだから仲良く。

GM:(笑)顔、消さないでおくと本当に妖怪になっちゃうよ?

禦冦:いいよ、顔描きっぱなしで。

殷雷:うん、その間ずっと持ってるよ。そのうち気を込めて人間にするから(笑)


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