喘息に関する う・わ・さ

喘息にまつわる様々なうわさ。あなたはいくつ聞いたことがありますか?
あやしいうわさがほとんどです。

最終更新日: 2004/09/05.

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噂の信頼度
  大嘘 
 かなりあやしい  信じたくなるけど  

その1 喘息の子供は頭がいい!

喘息のためにあまり外へ出ないで家で本を読んでいるうちに、けっこう物知りになっていたりして。このあたりから出た噂でしょうか?現実には発作のコントロールがうまくいかないと、欠席が多くなり勉強についていけなくなります。

その2 喘息は人にうつる!

だれだ?こんなこというのは!あの子と遊ぶと病気がうつるからやめなさいと子供に話す親が実在するそうです。咳をする病気だからといっても、もちろん喘息は人にうつる病気ではありません。国民の3割がアレルギーと言う時代になってもまだまだ喘息という病気は十分に理解されていないようです。

その3 車に乗ると発作が治まる

病院に行くために車に乗っていると、いつのまにか発作が落ち着く、これは私にも経験があります。ただし、ドライブそのものが発作に効果があるというのはなんの根拠もありません。車の振動がリラックスにつながる?それとも、家を出る前に飲んだ薬がだんだん効いてきたというのが、案外真相では?

その4 喘息の人には超音波が聞こえる?

健康な人に比べて、可聴域(耳に聞こえる音の周波数の範囲)が広いといううわさ。まさか、ひゅーひゅーって音をいつも聞いているからなんてことはないですよね。まあ、害のないうわさなので、ごかんべんを。

その5 喘息の薬は心臓に悪い

これはあながち根拠がないわけではありません。発作止めの吸入β(ベータ)2刺激薬のうち古いタイプのもの、たとえばイソプレナリンは心臓や血管にも強く作用するため、使い方によっては心臓に害を及ぼします。1960年代にイギリスやニュージーランドで喘息死の患者が増えたのは、この吸入の使い過ぎが関係していると考えられています。そこで、いまでは主に病院でのみ使われています。

現在使われるβ2刺激薬は第2、第3世代とよばれ、より心臓への負担の少ないものに変わっています。ところが平成9年5月ごろより日本でもフェノテロール(商品名ベロッテック)と喘息死の関連が疑われニュースになっていますね。

勘違いする人が多いのですが、この薬は現在よく使われているβ2刺激薬と比べても特別に心臓に対する作用が強いわけではありません。ただし、MDI 1押しに含まれる薬の強さは他のβ2刺激薬の2、3倍はあります。

そこで「よく効く!」のですが、過剰使用になりやすく、肝心の予防薬を怠ると、大発作につながります。フェノテロールと喘息死の関連問題にはいまだ結論が出ていません。

現在ベロテックを使用中の患者さんへ。急にベロテックを止めるとかえって喘息発作を悪くする危険があります。医師とよく相談して、減量や他の薬剤への変更などの対応をしてください。

関連ページβ2刺激薬

その6 喘息はこころの病気?

喘息は確かに心と密接な関係があります。ただし、心だけが原因で喘息が発症するわけではありません。気道の過敏性やアレルギーなどが複雑に関係しています。繰り返しますが、患者さんは性格が原因で喘息になったわけではありません。

一方、喘息は慢性疾患であり、長く喘息で苦しむことは、当然こころにも悪影響をおよぼします。また、ストレスは体の疲労とともに明らかに喘息発作を起こしやすくします。そこで発作が続けばまたストレスという悪循環が生じます。

逆に喘息のコントロールが良くなり、体調がよくなれば気分も変わってきます。このように心と喘息は密接に関係しているのです。

心が先か、体が先か。心の問題から先に解決するのは、専門の神経科医や心療内科医にかかっても大変なことです。ストレスの原因が仕事など生活と密着している場合、簡単には解消できません。一方ほとんどの喘息は正しい治療でコントロールすることが可能です。心の問題も大事ですが、まずは体を楽にして悪循環を断ちきりましょう。

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その他、「××××は喘息に効く」という う・わ・さ、いわゆる民間療法は数限りなくあります。残念ながら実際に効果があるものは、ほとんどありませんが、いずれ取り上げてみたいと思います。

皆さん、へんなうわさに振り回されないよう正しい知識を持ちましょう!

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