三郡山

 高宕山 330m 笹郷山 307.8m 三郡山 337m

山域:房総
2004.3.6


メールで、高宕山に行く話が盛り上がってきました。私としては、高宕山に行くのであれば、かねてより行きたかった三郡山への縦走に興味があったので、提案してみるとすんなりと受け入れてもらうことができました。その日は午前中は雨の予報でどうなることかと思いましたが、すでに登山口の段階で空は晴れはじめ、一安心でした。しかし大変風の強い一日でした。

怒田沢林道は八良塚への登り口のところで通行止めになっていました。車2台を下山地点の旧三島トンネルの南口に回送し、再び怒田沢林道に戻って車道を大滝へ向けて歩き出します。林道には確かに何カ所かの崩壊箇所があり、修理が進んでいるところでした。そして、その道沿いにはすでにタチツボスミレの花が咲いていて、早い春の訪れを告げていました。
石射太郎の方へ進む林道と分かれ大滝方面に向かうと、間もなく大滝の上で橋を渡ります。ここが大滝登山口で、高宕山へのスタートです。最初はしばらく植林地の中の階段の急坂が連続しました。植林の他にはアオキなどが多いのは、やはり房総の南の山の雰囲気です。
しばらく急坂を頑張ると、隣の八良塚なども近くなってきました。途中で展望の良い露岩のヤセ尾根があり、北の方の石射太郎や鹿野山が良く見えました。再び樹林の中に入り、しばらく進むと複雑な地形の中のアップダウンとなります。一旦石の重なる小沢のような所に降りてから再び登って行くと山頂直下の十字路に出ました。石射太郎から三郡山への縦走路と、山頂への道が交差しているところでした。
まず、山頂からは逆方向に進んで、高宕観音に立ち寄ります。稜線に出ると激しい強風に煽られ、少し先の高宕観音への降り口の岩穴では、まともに正面から風が吹き込んできて吹き戻されそうな感じでした。高宕観音は大きな岩壁の下に、岩を少しくりぬくように作られた建物ですが、以前に来た時のままで、きれいに保たれており、ほっとしました。中にある天狗のお面が印象的でした。
元の道を戻って高宕山へ向かいます。十字路から岩の出た道を登ると高宕山への急斜面です。このあたりに咲くスハマソウがお目当てでもあったのですが、幸いいくつかの小さな可愛らしい花を見ることができました。高宕山の山頂はとても風が強く、いつもは登って楽しむ山頂の岩も、今日は風に煽られて、かなりおっかなびっくりでした。
再び十字路に戻ると、今度は南を目指して進みました。しばらくは高宕山の山頂部を巻くような東側の斜面の道で、急斜面の所は少し崩れているところもあり、注意して行きました。このあたりは関東ふれあいの道となっていて、標識などよく整備されていますが、やがて関東ふれあいの道は、奥畑のバス停に向けて下って行きます。これから目指す三郡山の方へは道標は無く、よく踏まれた稜線をそのまま直進して行きました。
踏み跡はしっかりしていますが、道は少し細くなりました。小さなアップダウンのある尾根を時に巻いたり、そのまま越えたりしながら進んでいきます。相変わらず西側から吹く風はかなり強く、その風にあたれば肌寒く感じました。巻道も時折少し崩れている場所もあります。しかし、植林があまり無く、常緑樹が主体の森は歩いていて雰囲気の良いものでした。
やがて小さな標識のある宇藤木への分岐に着きました。植林地の中に小平地があり、風もあたらないところでしたので、ここで昼食としました。このあたりはお茶立場と呼ばれていますが、まさにその名の通り休憩した訳です。少し肌寒い空気の中で、燗をつけたらとても楽しかったのでした。
すぐにロマンの森の分岐を過ぎ、さらに南へと向かいます。以前来たときはここからロマンの森に下ったので、ここから先は初めてです。道は相変わらず同じような自然林のアップダウンが続きます。後ろを振り向くと、八良塚が青々としてこんもりと見えていました。
尾根は途中から左よりに曲がって行きます。直進したくなりそうな道もありますが、尾根を外さずにテープを探して進みます。このあたりは、あちこちを向いたヒメコマツの生育地を示す看板が掛かっているので、注意して進まないと混乱するかもしれません。右側に別れた尾根もそれなりに平行して南下しているので、幾分気になる所です。
左へと寄りながら尾根を辿って行くと、笹郷山登り口の看板があります。東側に巻道がありますが、ここは三角点のピークに敬意を表して登って行きます。この登りもスハマソウが咲いていましたが、この花はこういう山頂直下の斜面が好きなのでしょうか?急な坂を登りきると明るい三角点の山頂に着きました。はっきりとしたピークなので、気持ちが良い山頂でもありました。
笹郷山から下り巻き道を合わせると、すぐに露岩のある場所に出ます。なかなか展望が良いのですが、今日はあまりにも風が強く、露岩に立って楽しむという気分にはなれませんでした。
道はさらに南へと続きます。相変わらずの緑の自然林の中ですが、ますます木が大きく緑が多くなってきたような気がします。青空に向かう梢を下から見上げると、葉が透き通って、もう新緑の季節が来たかという感じがしました。
森林館への分岐、そして尾崎への分岐と過ぎ、崩壊地の縁を辿ったりしながらさらに南下していきました。やがて三郡山のある、房総を横断する稜線への登りとなって行きます。そしていくつかのアップダウンのあと、道が左右に分かれるピークに立ちました。ここは縦走路が直角に右に曲がるところで、右側に向けて下って行きます。正面に345mのピークがあり、何となくそちらの方に惹かれる所ですが、それよりも低い稜線を辿って行くこととなりました。
回り込んでいくような稜線を、稜線の左側を巻いて進んでいきます。だんだんと主稜線に合流してきたかもしれないという雰囲気になってきたところで、右側が開けた尾根上に出ました。そして、ここから三郡山は少しの登りで、植林の中ではありますが、広く間伐されて、意外と見通しのいい山頂でした。
山頂からの下りは標識も無くよく解らないのですが、尾根の踏み跡をたどり、間伐された植林地の中を適当に下ると横尾林道に出ました。その先で三郡山入口の看板を見つけ、あとはゆっくりと林道を歩くだけ。風がそれほど強く無ければ、陽射しがあってポカポカした道で、歩くことに堪能したという感じで旧三島トンネルを目指しました。

房総のコースの中ではロングコースで、同行者を得て車を下山地に置いて縦走することができました。この縦走路は、自然林が多く、常緑樹の回廊という雰囲気で、むやみに開発せず、維持して欲しいところです。道標は余り無く、良く踏まれた道も時々分岐しますので、進行方向はそれなりに気を使った方がいいかもしれません。

本文中の写真

  • 高宕観音
  • 笹郷山の山頂
  • 常緑樹:緑の梢
  • 三郡山直下の展望地


  • 同行いただいた方
    山百合子さん Componさん Ritzさん きくちさん TORYさん

    参考:高宕山:1996.02.03

    記録

    日 程

    2004年03月06日(土)

    天 候

    晴れ時々曇り

    コース

    0917 怒田沢林道トンネル → 0940 大滝登山口 → 1025/35 高宕観音 → 1055/1100 高宕山 → 1215/40 お茶立場 → 1325/35 笹郷山 → 1505/15 三郡山 → 1530 横尾林道 → 1600 旧三島トンネル

    スハマソウ


    参考図書・地図 その他のコース
    千葉県の山(山と渓谷社)
    25000図 鬼泪山 坂畑 金束 鴨川
    50000図 富津 那古 大多喜 鴨川
    高宕山へ
     石射太郎からの縦走路
     大滝コース(本文)
     怒田沢林道トンネルから八良塚経由
     奥畑から八良塚分岐経由
     関豊あるいは宇藤木からお茶立場経由
    稜線からのルート
     お茶立場から、ロマンの森
     お茶立場から、関豊・宇藤木
     森林館分岐から森林館
     尾崎分岐から尾崎

    バス
    木更津駅・君津駅からバスがあります。
    本数も少ない為、千葉&葛飾路線バス時刻表を参照下さい。