※敬称略。投稿到着順。新しいものほど上(前)に配置してあります。「本格ミステリ」という呼称自体に異同がある場合は、カッコ付きで補っています。また、発言の年月は、書籍からの引用の場合は基本的に当該書籍の初版刊行日に準じています。
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●「つまり「本格」とは「モルグ街の殺人」の精神とか概念を切り取ったもの、いわばイデオロギーということである。ニコラス・ブレイクのいう「高度に形式化したパターン」こそ「モルグ街の殺人」であり、それがそのままミステリ界のイデオロギーとなったのだ。やがてそのイデオロギーが変化していき、様々な違うジャンルになった。だが「モルグ街の殺人」からのイデオロギーは根強く残っている。それこそが「本格」である」
……Ryuhoku(『The Mysterism』管理人 『本格って何?』2004年3月25日より) ●「私にとっての本格ミステリとは、物語の中に普通では解けないパズルの問題が合理的かつ必然的に組み込まれていて、それが第三者である読者にも予想できないような解答を持たせようと試み、そして解答を明らかにする際にできるだけ解の証明のための論理と問題が解けたときの驚きを重視し、なおかつ物語とのバランスを保とうとしているものだと思っています」
●「私は、本格のキモっていうのは「腑に落ち感」にあるのかなあ、と。とりあえず今はそんな風に思っています。わけがわからないもの、モヤモヤしたもの、不思議でしょうがないものがすべてあるべきところへぴたりと収まるキモチよさ、これぞ本格の真骨頂なんではないかと」
●「本格とは作品世界内部だけでなくメタレベルに立つ読者に対しても、謎解きロジックによって、真相の真実性を保証する/しようとする小説作品」
●(本格ミステリとは)「『丁寧に伏線を追っていったら解決編を待たずして真相がわかる、と読者に思わせてくれる、あるいは思わせようとしている作品』。ポイントは『伏線を追うと本当にわかる』かどうかではなくて『わかったかもと思わせてくれる』でよいということ。前者でももちろんいいんだけど、本当に途中で気づくとやっぱりがっかりしてしまう。解答としてはちょっと無理のある論理の飛躍があったりしても、それをうまく隠蔽してくれれば勝ち」
●「本格とは、ミステリーにおいてより大きなサプライズを作りだすための仕組みなのだと思う。謎もトリックも謎解きも、すべて結末におけるサプライズをより大きなものにするために仕掛けられている」
●(ミステリィの定義とは?)「それはおそらくセンス・オブ・ワンダーである……(中略)……センス・オブ・ワンダーとは強いていえば『驚きの感覚』ということになるのでしょうか(とか言うと生粋のSFファンに怒られそうですけど)。すなわち、ミステリィで言えば『やられたっ!!』のあの感覚に近いのではないかな、と思います。この騙される感覚こそ、同時に驚きや新発見にもつながるわけで、そういった感覚を一瞬で感じてしまうモノ、それがミステリィの醍醐味なんじゃないかな」
●「謎も謎解きもドンデンがえしも推理小説なら本格じゃなくったって使っています。本格にあって他に無いものは何か。――それはトリック。トリックの有無こそが本格と他のミステリの最大の違いです。僕は、奇想天外な馬鹿馬鹿しいトリックほど本格そのものだと思います。だってそんなもの小説の中に使えるのは、本格しかないのですから」
●「“おおっ、そうだったのか! なんで、そんなことに気付かなかったんだ、俺は!”と、おもわせようと企み、実際、おもわせられる小説」
●参考:「あなたにとって本格とは」というテーマに基づく『掲示板ログ』
●(本格ミステリでは)「全ての記述が謎の伏線であり、物語の全てのベクトルは謎の解決に向かっている」
●「本格ミステリとは、「ハッ!」と、「なるほどそうか!」の小説である」
●「物語の伏線を最大限に活かす事による意外性の演出を目的とした文学形式」
●「「解決に当たる部分が、それまでの展開から、予想されてもおかしくないと思わせるもの」、これです。もう少しわかりやすくいうと、ラストで「あ、よく読んで考えたら、結末が想像できてもおかしくないやん」といえるものですね」
●「“本格ミステリ”とは“謎と説得力のある解決が中心となった(無関係の要素が少ない)作品”」
●「メインとなる謎に関する伏線によって作品のすべてが構成されている、というのが極私的な本格ミステリ観」
●「“本格ミステリは論理的(に見える)推理で解決する謎を中心に含んだ小説”というのが、私が考える本格ミステリ観の骨格」
●「平凡でないロジック、またはトリックによって(両方あれば尚よし)、結末の意外性が演出される物語」
●「「本格」をどう定義するかと言えば、方程式だと思う。「本格」=「方程式の解」という図式が私の中にはある。つまり、「本格」とは「謎」という方程式に代入した伏線がもたらす解、と言うこと。今まで挙げてきた「要素」は記号だったり、数だったり。そして、密室とかアリバイ、顔のない死体は方程式を解くパターン(二次方程式や三次方程式とかΣとかに相当する)。方程式は解答よりも寧ろ解答を導き出すプロセスが重要になる。それは、「本格」に分類される作品でも同様であろう」
●「ぼくは結末重視なんですよ。それまで飛行してきた世界のパーツが、空中で合体して落っこちてきて、土砂を巻き上げながら綺麗に着地する感覚とでも言いますか。世界が論理で反転するところとでもいいますか。そういうのを本格ミステリだと思うんです」
●「提示された謎を論理的推理によって解明することを主眼とする小説のこと。読者への挑戦状が挿入される形式のものを代表格とする。とにかく「いかにも推理小説らしい推理小説」のこと」
●「ワタシ的にはね、本格ミステリちゅーのは、まず“クオリティの高いクイズ”としての謎とロジックがあり、“それを最も活かす器として”のプロットがありストーリィがあるもんだと、そー思うわけ。ニンゲンの生き様や死に様にジーンとくるとかその手のもんは、あって悪いもんじゃないけど本格としてはあくまで“付加価値”ね」
●「(1)『犯罪もしくはそれに類する事件にまつわる謎を、論理的に解明していくことを主眼とする小説』ですね。で、その必須構成要素としては (2)「魅力的な謎」「必要十分な手がかり」「明快かつ論理的な謎解き」の3点。また、さらに含まれることが望ましい要素としては、(3)「なんらかのトリック」「なんらかのどんでん返し」「論理のアクロバット」「名探偵」ということになりますね」
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