1日目(12/28〜29)

 決行の28日の夜が明けた。

 とは言ってもわたしが休日に早起きするわけがない。目が覚めた時には、日は高く昇るどころかそれを越えて傾きつつあった。天気は上々、では、それでは参りましょうかね。とも思わず、とりあえず最近パソコンを買い換えたので、それをいじって遊ぶ。やっぱり換えても前の環境通りにならないと気持ち悪いよね。そんなこんなで日も暮れて、気が付くとNHKでは「Mr.ビーン」を放映している。おっとぼやぼやしてると次の日になってしまう。それでは、ということで準備を始める。

 ボストンバッグに適当に服と洗面道具を放り込み、毛布と一緒に後部シートに押し込む。助手席には地図、カメラ、TV、本2冊、カセット・テープ、タバコ2箱。履きなれた靴をはいてジャンパーをはおってMINIに乗り込む。ベカベカとアクセルを4回踏み、キーを回すと、一発で999ccエンジンに火が入る。ライトを点け、おもむろにタバコに火をつけ、しばし暖気運転をさせた後、シフト・レバーをローに押し込み、出発。

 既に日はかわって12/29 AM0:40。一路西へ・・・と、思ったが、そういえば腹が減った。そういうわけで駅前のラーメン屋へチャーハンとギョウザを喰いに行く。全然しまらない出発風景だが、しょうがないのだ。このラーメン屋のチャーハンは絶品との評判を以前は取っていたが、今は若干質が落ちている。でも真夜中すぎにあまり贅沢もいってられないので、スポーツ新聞を読みながらメシを喰う。
 喰い終わってAM1:00。近くのコンビニで非常食としてチョコチップスティックと午後の紅茶プラボトル2本購入。で、MINIに乗り込んで今度こそ出発。国道6号に出、16号に乗り換える。柏インター手前の日石で給油。これで準備万端である。柏インターから常磐道に入り、首都高を目指す。

 この日天気は快晴で、空には雲ひとつ見えず、満天と言うほどではないにせよ、きれいに星が見えたが、風が強く、結構寒い。首都高に入ると横風にハンドルを取られることもしばしばあったが、帰省ラッシュはまだ先なのか、道は比較的空いていて、かなり快適に走ることができる。首都高から見る都内の灯りは結構見物である。そういえば首都高走るのも久しぶりだなあ。いつも疲れるから下の道使うもんなあ。六本木の上を通過して東名高速に乗る。AM2:10。黄色のMINI発見!。

 東名はそこそこの交通量があり、みんなすごい勢いで走って行くが、こちらはハナっから無理するつもりはないので(なんせ長丁場だ)ちんたら走る。交通情報を聞こうかと思ったら、アンテナ出すのを忘れていた。うちのPanasonicはアンテナ立てないとラジオも聞けやしない。こーゆー時不便だよねえ。しょうがないけどさ。港北パーキングエリアに乗り入れ、アンテナを引き出し、ついでに缶コーヒーを1本買っておく。
 あとはひたすら走る走る。今日の予定は行ける所までとアバウトなことしか考えてない。九州に入るまでは、高速から降りるつもりはないのだ。秦野あたりで聴いたハイウェイラジオでは、「京都東インターまで渋滞なし」とのこと。案外早く行けるのだろうか?まあ広島くらいまでのもんかな。心配なのは、大阪あたりで帰省渋滞に巻き込まれることで、疲れてヘロヘロになった頃にそんなもんに捕まったら、オレは東京引き返しちゃうよ。

 ダークグリーンのMINIを追い越して先へ進む。夜も更けてだんだん寒くなってきた。まわりの車も少なくなってくる。暗闇の中、伴走車もほとんどなしに高速を走るのは結構苦痛ではある。最初の1晩くらい徹夜でもいけるかな?と思っていたが、最近生活がめちゃくちゃなもんで、やっぱり眠い。あまり無理してもしょうがないので、日本平パーキングエリアで仮眠をとることにする。時刻はAM4:00頃。出発してから約3時間半で240Kmくらい走ったことになる。結構スローペースですな。まあ、飯も喰ったことだし、こんなもんでしょう。

 1時間半ほど眠ってAM5:45出発。東の空が明るくなりつつある。ここから先はわたしにとって未知の領域であるが、道路は相変わらず空いており、快適に静岡県を西進する。しばらく行くと右手に大きな湖が。おお浜名湖! といってもウナギくらいしか思いつかないけどね。ここらでAM7:00になったので、NHKラジオに合わせてニュースを聴く。沖縄女子高生殺人とペルーの日本大使館のニュースだ。年末だってえのに明るいニュースはないのかい。天気予報の言うことにゃ、今日の天気は晴れ。今年の帰省は分散型で、大渋滞はない模様とのこと。ひと安心。AM7:15日の出。

 小牧ジャンクションを経て名神高速道路に入る。日も高く昇り、そろそろ交通量も増えてきた。あっ!いかん。燃料計が"E"を振り切ってる!やばい!。全然気が付かなかった。気が付いたのは一宮インターチェンジあたりで、この先中央自動車道との分岐があって、トロトロの渋滞にハマってしまった。うちのMINIは"E"振り切ってからどのくらい余裕があるのか全然分からない。だいたいこの燃料計をほとんど信用してないのだ。だもんで大抵余裕のあるうちに給油するのだが、ボケてて気が付かなかった。高速の上でガス欠なんて恥ずかしいマネは勘弁してほしい。しばらく前からJAFもやめちゃったしなあ。ということで、とことん省エネ運転に徹する。アクセルはふかさない。シフトチェンジは丁寧に。下り坂はクラッチ切って・・・うーん。なんか侘びしい。

 なんとか養老サービスエリアにたどりつく。あー、間に合った。よかった。JOMOで給油してみると28.97リットル入った。危ない危ない。養老サービスエリアに着いたのはAM8:15頃で、朝飯時ということもあって、駐車場はゲロ混み。メシは断念して先へ進む。
 ここらあたりから風景は畑が多くなってくる。なぜかタテ続けに墓地が3つもある。なんかやだなあ。空には雲ひとつ見えないが、結構気温は低いのか、霜が降りていたりする。ちょっとスピードを落とす。30分ほど走って次の多賀サービスエリアに入り、朝飯。朝っぱらカレーライスなど食してみる。まずい・・・。窓を拭いてAM8:45出発。あ、そうそう。ウチのMINIにはウィンドウォッシャーがついてないのですよ。なぜか取り去られている。だもんでこまめに窓拭きをしないとエラい目に遭ってしまうという難儀な車だったりします。

 竜王というなんかかっこいい土地の近くで古墳のようなものを発見。その先の空に何か黒い影が、と思ったら、なんと数十羽のカラスが群飛んでいる。うーん。ヒッチコック!などど訳の分からないことを呟きつつ走り抜ける。メシを喰ったら眠くなると古人も言っているが、道が空いてくると比例して眠くなってくる。とりあえず桜井パーキングエリアに緊急避難して缶コーヒー1本とタバコを一服。すぐ出発。

 この先で名神高速もおしまい。中国自動車道に切り替える。おお大阪まで来てしまったぞ。大阪の運転は荒いとかなにわナンバーのベンツには近づくなとか聞いていたが、そうでもない。「ようこそ播磨路へ」の看板が見えたあたりで、本日初めてテープを取り出す。テキトーに選んだらBAHOだった。うーん。マニアック。

 中国自動車道は大阪から兵庫、岡山、広島、山口を抜けて内陸部を突き進む道で、雪が降ることすらあるという山間の難所である。果たしてにわかに空はかき曇り、暗雲立ちこめる美作の地を、風雪に弄ばれながらMINIは進む、なんてことにはならなかったのだが、道路際には残雪が。わたしにとって今シーズンお初の雪だ。大佐サービスエリアで給油。おっ距離計が47,777.7kmだ。PM1:15頃を回ったので昼飯にしようかと思ったが、あまりに混んでいて断念。アメリカンドック1本ですます。

 だんだん周囲の風景も山がちになってきており、なかなか風情のある光景が続く。もともと海より山が好きな男なもんで、峡谷なんてゆーといつまで見てても飽きない。神郷パーキングエリアに停まってみる。建物の裏側に回ってみると、なんか古き良き日本の田園風景が拡がっていた。山があり川があり田畑がありローカル鉄道が走っており、遠くの方に軽トラがてこてこ走っている。こーゆーの、好きだなあ。伝統的な箱庭的日本の田舎ですね。その先に「帝釈峡」の看板がしつこく出ていたので停まってみたが、こっちはたいして面白くなかったので、コーヒー1本買って出発する。売店の女の子が広島弁だ。

 山陽道との分岐を越えてますます山の中へ分け入っていく。トンネルが多く、峡谷がなかなかよろしい。道はガラガラでめちゃめちゃ気分がいい。PM4:20吉和サービスエリアで昼飯。かなり高度があるらしく、結構涼しい。残雪あり。スキー客多し。近くにスキー場があるのだろうか? スキーウェアのにーちゃんねーちゃんと、シャツ1枚のオレ。遅い昼飯は牛めし。もっといいもの喰えよな。でも思ったよりおいしかった。
 吉和サービスエリアを出てすぐに、中国道最高地点を通過。気温8度。親子のMINI発見。日が降りてきており、西に向かっているのでまぶしくてしょうがない。目が疲れたので荷卸パーキングエリアで仮眠。あまりにも寒いので、いけないと思いつつもエンジンをアイドリングさせたまま、ヒーターを入れて寝る。起きたら周りは真っ暗だった。しかも寒い。排気ガスが白煙になっている。明日遊びに行く予定の大分の先輩の家に電話を入れてみると、まだ来てないとのこと。あとでまた電話してみよう。

 完全に日も落ちて、真っ暗の中国道をひた走る。大都市近郊と違って、街灯もほとんどないので、本当に真っ暗である。自分のヘッドライトだけを頼りに走る。たまにくる後続車は、灯りがまぶしいのでパスさせて先に行かせる。そんなこんなで本州最後のパーキング、王司パーキングエリアに着く。晩飯は肉天うどん。これもなぜかおいしい。大分に電話してみると、今日はたぶん帰って来ないだろうとのこと。明日また電話します。
 さて、今日はどこまで行こうか?現在PM20:45。寝るにはちと早い。明日大分と連絡が付かなければ、別のスケジュールを組まなければならない。パーキングエリアのルート図をみると、九州の高速は十字形になっており、大分に向かうには鳥栖ジャンクションで東に向かう必要がある。長崎なら西。鹿児島へ直行するならそのまま南下だ。大分へ行くかどうかは明日また電話して決めるとして、そうすると今日は鳥栖の直前の古賀パーキングエリアで寝ることにしようか。

 すぐに関門トンネルになり、そこを越えると九州入りである。思えば遠くへ来たもんだ。なんとなく山の形も違うような気がする。道路はかなり立派である。思わす高速バス停車場に乗り入れて停めてみる。めちゃめちゃ星がきれい。街灯が無いのが幸いして、満天の星空だ。あんまし寒くなかったので、星を眺めながらタバコを一服。
 ぼやぼやしてて捕まるとやばいので出発。ラジオは韓国のKBSがやけによく入る。PM10:10、古賀サービスエリアに到着。大きなサービスエリアで、玄界灘が望める唯一のサービスエリアだそうだが、今は当然夜中なのでなにも分からない。ここでマップルマガジン ドライブベストコース九州を購入。ついでに九州限定発売「プリッツ博多明太子」を買う。

 マップルを見ながら明日の計画を立てる。まずここから久留米まで行き、高速を降りる。筑後川沿いに下を使って東へ向かい、昼頃大分へ電話。先輩が捕まればその晩は大分へ。大分で一泊後、海沿いに鹿児島へ向かう。もし電話が繋がらなければ、途中から南に転じ、阿蘇山を越えて鹿児島へ向かう。いずれにせよ大晦日の晩には鹿児島は佐多岬にいなければいけないワケで、その間まる2日で九州の東側を見て回ればいいのだ。正月からは西側を北上して、3日の朝までに和歌山まで戻る。ま、こんなもんだろうね。

 かねて用意の車載テレビを取り出すが、大して面白そうなものはやってない。ラジオに切り替えて、しばし本を読んで寝ることにする。MINIで寝るのは結構大事なのだが、シートを前に倒して後部座席で寝ることにする。トレーナーにジャンパーを羽織って毛布被って寝る。おやすみ。

本日の走行距離約1,304km、給油2回、タバコ2箱。

[事前準備|12/15〜28|12/29|12/30|12/31|1/1|1/2〜3|まとめ]


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