2日目(12/30)

 夜中に寒くて目が覚める。
 しょうがないのでエンジンをアイドルさせてヒーターを入れる。こーんな寒いとは思わなかったぞ。九州。

 AM8:00起床。床じゃないけどね。洗面所で顔を洗ってモーニングサンド・セットの朝飯にする。今日も雲ひとつ無い快晴。サービスエリア内をうろちょろしてみると、玄界灘は見えず。きっと上り線なんだろう。ちょっとした公園みたくなっており、犬を散歩させている人がいる。わざわざこんなところまで毎朝来るのだろうか?サービスエリアの中でなぜかシャモやらヤギやら飼っているのはなぜ?「ヤギにエサをやったり、なかにゆびを入れたりしないようにしましょう」という看板は、読みようによっては意味不明だぞ。
 今日のルートを確認。8:00現在の道路情報では、大分自動車道は霧のため通行止めだそうだ。こちらは久留米から国道210号に乗って筑後川べりを東進し、とりあえず湯布院までいく。筑後川は確か九州最大の川で、中学校の合唱コンクールで「筑後川」を歌って以来の仲である。その後は大分か阿蘇山だ。

 AM9:55、日石で給油後、出発。京都ナンバーのMINIが追い越してゆく。走り始めてすぐ、なにかおかしいことに気付く。キナくさい臭いがしたかと思うと、車内に白煙が漂い始めた。うわっなんか燃えてる!と思って見ると、排ガスがまるで煙幕を張ってるようになってる。これが逆流しているらしい。とりあえずハザート点けて路肩に寄せてエンジンを切る。乏しい車の知識を総動員させて考える。まず、マフラーに穴が空いたケース。次にオイル上がりだか下がりだか忘れたが、とにかくオイルが異常に減った。油温計は異常値を指していないが、これは前になにがあろうと大した値を指さないのは経験済み。そしてゴムかなにか燃えた場合もありうる。外に出てボンネットを開け、オイル量のチェックをしてみると、ミニマム値以下になってはいるが、大したことはない。車内に戻ってミニ・メンテナンス・カタログと首っ引きに検討してたら、窓を叩く奴が。びっくりしたら道路公団のおにいちゃんだった。
 「ここ、あぶないんだよねー。様子を見るならパイル置いておくから、だめだったらあそこに電話あるからJAFでも呼んでねぇ。あっそうそう出るときパイルは外においといてねぇ。」
 なかなか話の分かるにいちゃんだ。ちょっとだけ待っておそるおそるエンジンをかける。とりあえず大丈夫そうだ。行ってみようか。と思ったらボンネットがちゃんとしまってない。ちゃんとボンネットをしめて、パイルを片して出発。乗用車が1台追い抜いていって前をふさぎ、ハザードをチカチカさせる。なんか文句あんのか、と思ったらハザード出しっぱなしだった。うわー。動揺してるなあ。

 白煙もおさまったようなので久留米インターチェンジを目指す。こういう仮説を立てて見る。夜間アイドル状態を続けていたのでプラグがかぶり、結果不完全燃焼でガソリンが燃えずに排気ガスに混じった。しばらく走ると、プラグのガスも飛び、正常に戻る。確か不完全燃焼が白くてオイルが多いと黒くなるんで合ってたよなあ。用心のために久留米でオイルの注ぎ足しをしておこう。

 久留米といえば久留米焼き。あいかわらず知識がない。道が狭くてくねっており、古い街を思わせる。インターチェンジを出てすぐにローバー・ジャパンがあったが、閉まっていたようなので、コスモ石油に乗り込む。ばりばりの九州弁だ。半分何言っているかわからんぞ。だからというわけでもないだろうが、「オイルを注ぎ足してくれ」と言ったつもりだったが、トイレから出てみるとオイル交換が進んでいた。まあいいか。しばらく交換してなかったし。オイルがZOAになってしまったが、気にせず出発。

 筑後川に出るまでにちょっとウロウロしてしまったが、すぐに国道210号、通称筑後街道に出る。さすがに筑後川は雄大に流れていた。ここから堤防の上の道をずーっと川を左手に見ながら走る。大河川はいい。河川敷は広いし、東京のように背景にビルが聳えたっていないのがいい。適当に車を停め、ミネラル・ウォーターとカメラだけ持って川まで降りてみる。相変わらずのいい天気のぽかぽか陽気。川では釣り糸を垂れる釣り人がちらほら。瀬には白い水鳥が遊んでいる。堤防の上をワインレッドのMINIがてこてこ走ってゆく。あー。昼寝でもしたい気分。しばしぼーっと川を眺めてから、再び走り始める。川にそって畑が続く。煙っているようにみえるのは、水蒸気? おおあれが野田知佑が怒っていた堰だな。確かに無粋ではある。道がいったん川から離れ、町中を走る。

 さっきから電柱に「イエロー・ストップ」の看板がしつこくくくりつけられており、九州の大手スーパーの宣伝だとばっかり思っていたら、突如気付いた。「黄色は止まれ」の交通標語だったのね。イエローハットとミニストップの親戚かと思っていた。なんて馬鹿なことを考えていたら、浮羽町というところで道に迷ってしまった。適当に走っていたら210号に出たので、東に向かう。この先で川と再会する。筑後川はなぜか上流に行くと名前が変わって玖珠川となる。いや、玖珠川は支流だったかな?忘れたけどまあいいや。ここらに来ると川はその様子を変え、峡谷を流れる狭い急流となりつつある。なぜか川縁の急斜面に張り付くように家が建てられている。こりゃあ豪雨になったら流されるのも分かる。なにもこんな所に建てなくても。ってのは大きなお世話だよな。天瀬町の手前のドライブインみたいな所で昼飯。PM1:30。地鶏めし・うどん定食。うまい。
 大分に電話。まだ帰ってない。この時点で大分は諦めて阿蘇に向かう決心をする。後で聞くとこの電話のまさに5分後くらいに帰ってきたんだそうだ。

 筑後川〜玖珠川は風景に変化があって面白い道であったが、阿蘇に向かうために別れを告げ、湯布院手前の水分峠で県道11号線、通称やまなみハイウェイに乗る。やまなみハイウェイはお勧めのドライブコースですね。水分峠から一気に山を登って下ると、背景に阿蘇の山々を見ながら見晴らしのいい台地状の草地をずーっと走っていく。車がいっぱいだったらヤになっちゃいそうだけど、今回はほとんど車のいない一本道を気分良く走れた。たまに後続車が来ると、すぐにパスさせて70〜80km/hrくらいでトコトコ走るのがいいのです。とにかく景色のスケールがそこらと違うのだ。地面の形もヘンだし。広いだけなら北海道もそうだが、あっちは見慣れているせいもあって土地が大味なカンジ。阿蘇は、なんとゆーか、うーん。なんてゆうんだろう?

 一の宮町を通って坊中から阿蘇登山道路坊中線(有料)へ。いきなり「この道は牛馬優先です」の看板に笑わされる。あまり急でもない坂を上るにつれ、雄大な山裾を見晴らすことができるようになる。ホントに凸凹したあまり高木のないヘンな土地だ。日は傾きつつあり、雲に溶け込むような阿蘇の噴煙になかば隠れている。

 あっという間に山頂パーキングに着く。が、乗馬コーナーと展示館はあるが、火口がない。カルデラっぽい巨大な平地になっているが、ここが山頂か? 看板を見るとここは山頂ちょい下の草千里ヶ浜というところだそうだ。だまされた。でも山頂と駐車料は共通のようなのでひと安心。山頂に行くには、ここから阿蘇山上広場というところに行き、ロープウェイにのるのだが、車でも行けるらしい。でわ、ということでトイレも行かずに出発する。PM4:45山上広場着。山頂は霞んでいてよく見えない。なんか駐車場空いてるなあ、と思ったら、通行時間はPM4:30までだった。んー、残念!

 ここからは、熊本に出て高速を使って宮崎に出るコースもあるが、せっかくなので阿蘇の裏っかわに行って高千穂を抜けて延岡方面へ出ることにする。延岡で一泊かな?

 阿蘇登山道路吉田線に乗って山を下る。急カーブの連続で、峠道の好きなヒトには楽しめるでしょう。テキトーにチョコチップスティックを囓りながら降りていると、福岡ナンバーのシボレーが。なんちゅう車種かしらないけど、オールド・アメリカン・スタイルの青い車である。よくこんなので山上るなあ、と感心してずっとついていく。国道325との分岐で別れ、延岡へ向かう。ほとんど車のいない林間コースであったが、すぐに日が落ちて延岡に近くなるにつれ、交通量が多くなってくる。ここらの車はなぜか数台固まって走っている。後ろに張り付かれるのはうざったいので(実はまぶしい)、パスさせるのだが、そこで気付いたのは、街灯がないので先頭車は疲れるのだ。したがって自然に先行者のテールランプにひっついていくことになるわけですな。

 延岡に着く。大都市の様相を示しており、人も車も多いこと多いこと。と、私の目には映るワケだ。久しぶりに交通渋滞に巻き込まれて、あれよあれよという前に郊外にはじきだされてしまう。戻るのも悔しいのでそのまま進む。国道10号に乗って南下。Merxという得体の知れない店があったので入ってみると、本屋、スーパー、パチンコ屋、マクドナルドが一ヶ所に集まった複合郊外型ショッピングモールだった。実はだいぶ前からドライバーズ・シートに穴が開いており、更に拡がりつつあったので、PIAA柄の座布団を買う。おお一気に座高が上がったぞ。天井に頭が付いてまう。

 時刻はPM8:00を回り、どこかでメシにしなきゃ、と思っている内にどんどん建物が少なくなっていく。PM9:00近くなって諦めてコンビニ弁当にすることにする。さてどっか喰う場所を見つけよう、と脇道に入れてみると、どんどん山のなかに分け入っていく。街灯ひとつない真っ暗闇である。贅沢なもので、車中でコンビニ弁当を食うにも適当な明かりが欲しい。電気つけたら外から丸見えだもんなあ。結局諦めて10号線に戻り、たまたま見つけたどこぞの事務所の駐車場にいれてメシを喰う。食べ終わって南下再開。ここいらまで来ると、左側に海が見えるはずである。当然今は真っ暗で何も見えない。この調子で行くとせっかくの日向灘を見ることができない。それじゃあつまらないので、適当な所で寝ることにする。

 一般道はどこで寝るかというのは悩み所である。まあ、当然車中泊なので、どこでもいいといえばそれまでなのだが、ある程度明かりは欲しいし、通行人に覗かれるのもヤだし。と、いうことで、とある交差点手前の車止めを見つけてそこで寝ることにする。場所は佐土原町の近く。
 明日の予定は日向灘沿いに南下。時間を見て、余裕がなければ内之浦を見て大隅半島を横断、佐多岬へ。時間があれば(こっちの可能性が高い)、内之浦はパスして桜島へ行き、取って返して佐多岬へ。錦江湾をぐるっと回って薩摩半島側から佐多岬に入るのは時間的に無理だろう。こっちは佐多岬からの帰路にしよう。

 ラジオを聞きながらPM11:00頃就寝。さて、明日は大晦日だ。

 本日の走行距離約420km。給油2回。タバコ1箱半。

[事前準備|12/15〜28|12/29|12/30|12/31|1/1|1/2〜3|まとめ]


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