[其ノ八]嗚呼堂々の完結編

 ふぅ。昨年末から書き続けてきたMINIの旅を書き終えた。夏休みの宿題を終えた気分。北海道上陸作戦などというのは10年以上前の1993年の出来事である。はっきり言って覚えちゃいないのである。当時の適当なメモと、断片的な記憶を探りながら書いていたが、やっぱディテールがぼけててあんまり面白くないですな。ま、しょうがない。書くことに意味がある。(※なんて書いているのが2004年8月ですが。といういいわけを書いているのは2007年9月のことです。年を取ると気が長あああぁくなりますな。)
 さてそんなわけで、お次は待ちに待った(オレがね)『日本周回MINIの旅 最終章』の連載開始だったりするのである。

2004年1月5日

 エンスーな皆様も結婚して子供ができると、いつのまにか消えていってしまうそうです。かくいうワタシもMINIの旅が中断している間に結婚もし、子供も生まれた。知り合いのパンダ乗りも車を買い換えた。妊婦仲間のベンツ2シータ乗りも家族車への転換を強硬に言われているらしく、当然ウチも買い換え圧力が高いのだ。まあ、しょうがない点は多々ある。なんたってチャイルドシートが本当に乗るのか?というのが第一の疑問である。
 ビンボーMINI乗りなワタシは、MINIを快適に改造しようなんてアタマはさらさらなく、人間の方をMINIに合わせてきたのだが、さすがにオトナの女性はともかく、まだ人間になる途中の0歳児にそれを求めるのは酷というものだろう。
 まずは市で貸してくれるベビーシートを、運転席の後部座席に付けてみる。おお、なんとか乗るではないか。運転してると背中が当たるけどな(笑) てわけでさっそく子供を連れてドライブにGO! まあMINIはうるさいは寒いは熱いはうるさいはで、泣きまくるかと思ったが、走っている時も実に大人しい。このMINIの中でへーキで寝ているのだ。しかも信号などで停まるとグズり始める。走ってないと機嫌が悪いのだ。さすがオレの子である(笑) こりゃー、ちーと整備すりゃ大丈夫じゃん♪と思い始めるが、それは甘い。ルノアールのココアのように甘い。赤ん坊というのは付属してついてくるおまけが実に多いのである。トレジャーハンターに行って中古のベビーカーを買ってきたら、すぐに限界が。ベビーカーを載せる場所がない! かろうじて助手席に押し込んで支えながら帰ってきたが、シフトチェンジする左手と干渉する。後ろからずーっと支えてもらわないといけない。というひでー状態。そりゃそうだ。ゴルフバッグがトランクに入らない車である。ホントにイギリスの車なのだろうか(イギリス人はゴルフに行く時にMINIになんか乗らない)。
 さーてどうしよう。13年もの間優秀な日本車に乗る知人たちにバカにされながらも乗り続けて来たこのMINIともお別れの時が来たのであろうか。まあ、確かにモールははげてるしドアの下は錆で穴が空いてるしウッドパネルはニスが割れてはがれてきてるが、まだまだエンジン廻りは元気なんだよねえ。電気系はちょっとヤバめだが。

 FIAT500(昔のね、という注釈が必要になってしまった07年。)にチャイルドシートを乗せている車も見たことはあるが、あれはぜったいにベビーカーが乗っていないハズだ。てことでひそかにMINIバンかエステートをねらってみるが、そういやあれは2シートなのであった。だめじゃん。

 それともうひとつ。MINIに乗って以来の野望、あの日本征服計画が未達成ということがある。思い返せば5年前、淡路島で力尽きて以来、深く静かに潜行してはいるものの、まだ諦めたワケではない。あれ以来殆ど乗らない時期があったりしたが、2001年の車検の時に一念発起してラジエータを交換し、シートも張り替えた。少しオーバーヒート気味になったが、引っ越しはMINIですべて運んだし、妊娠・出産時期の病院の送り迎えもMINIでしたし、まだまだ活躍しているのだ。
 しかしそろそろ潮時が近づいてきたのかもしれない。一般的に言ってMINIは趣味のクルマである。とてもじゃないが実用車とは言い難い。さあて、そろそろ四国リベンジを果たさなければなるまい。徳島・愛媛・香川・高知・奈良・和歌山。残るは6県である。果たしてわたしはこの6県の地を踏めるのであろうか?

2004年1月23日

 しかし考えてみると今年はGWも夏休みも他の予定で埋まりそうである。てことは四国なんて行ってるヒマないじゃん。困ったね。
 なんていいつつ、少しづつ買い換え車を漁り始めていたりする。日産パオという選択肢がある。デザイン的には遊びがあってOKなのだが(内装なんて甘すぎるくらいだ)、なんたって10年以上前の車、状態はどうでもいいのだが、走りの方がちょっとつらいかも。実際に乗ったことはないが、次に出たフィガロは乗ったことがある。所詮初代マーチベースなので、ふにゃふにゃのアクセルとはっきりしない走りがどうにも好きでない。排気量はどうでもいいのだが、もうちっとキビキビした車がいいなあ・・・。改造パオとかないのかなあ・・・。キューブ・キュービックだけはごめんだし、最悪フォルクスワーゲン・ポロくらいで押さえたい。ちょっと高いけど。あー。そうそう、バンプラ乗りたいなあ〜。

2004年3月23日

 MINI、雨漏り始める。
 フロントガラスのゴムパッキンが劣化して隙間ができたらしい。ここから水が入って、フロントパネルの灰皿にいったん溜まり、そこからセンターメーターに滴っている。おかげでウッドパネルに雨が染み込んでいる。末期的ではある。1/20に雪の中走っていると、アイドリング時にエンジンがすこんすこん落ちる。後から考えればオーバークールなのだが、その時は赤信号の度にヒール&トゥでなんとかしのぐ。疲れた・・・

 それはそれとして車だが、気持ちはだいぶVWポロに傾いている。奥様はとりあえずドアが4枚あればいいみたいなので(笑)、自分的にはできれば先代のMTのGTiがいいなあ・・・でも現行車種は4ATのみである。ドイツ車はキビキビ走るというよりクルージング向きらしいが(アウトバーンの国だしね)、MINIよりゃマシだろう。ちなみにポロの新車価格は188万円である。

 MINIはなにがいいかって、やっぱり動かした分だけ動く、というところでしょう。最近のAT車なんて乗ると、勝手に走っている車に乗っている感じしかしないが(おそらくそういうネライなのでしょうが)、MINIは運転者が意識して運転操作しないと走らないし、ぼーっとしてると20km/hあたりまですぐ落ちる。ある意味こんな安全な車はない。排気量が999ccしかないのでエンジンはかなり非力で、国産軽自動車に軽々と抜かれるが、壊れるくらいにエンジンを回せばなんとか付いていける。
 キャブと直管マフラーのおかげかもしれないが、エンジンのフケもよく、小気味よく走るのである。ハンドルも切った分だけ曲がるし。
 友人連中に言わせると、パワステ、パワーウィンドウ、キーレスエントリーがないと車じゃないみたいに言われるが、そんなことには全く興味がない。難を挙げるとすれば、エアコンが効かないこと。うるさくて会話できないこと。くらいなものである。「あたり」だったらしく、たいした故障もなかった(国産に比べればあるけど)。まあ、面白い車である。

2004年4月14日

 おそらく旧MINI乗りは、デザインで乗っている人、ドレスアップや車に手を入れる手頃なおもちゃとして乗っている人、の2種類くらいの人だと思う。今時コンパクトカーとして本当に便利だと思って街乗りに使っている人はいないだろう。どう考えたって実用車じゃなくてセカンドカーだ。そんなわけでオレのように、いきなり九州まで行ってみたり、MINIだけで引っ越ししてみたりしているのは、あんまりいないと思う。まあ、オレがビンボーだということもあるが、ワタシのライフスタイルがそうなっていたということなのである。普段は通勤も含めて車は使わない。休日たまにドライブ(それが北陸だったりするけど^^)するだけ。小旅行は電車で(酒が飲めないからね)。てことで、実は13年乗っている割に走行距離はそれほどでもない。昔は信号発進でも「軽なんぞに負けるか!」と、エンジンぶん回していたりもしたが、そのうちMINIに合った走りの方が面白くなってきたし。ウワサの故障はそこそこあったが、まあ、それほどでもないだろう。日本車だって知人の乗っていたピアッツァとに比べれば全然マシである。(走行中にシフトノブが折れた)

 ヒューズボックスのショート(交換)
 ウィンカーノブ不具合(修理)
 マフラーに穴があく(交換)
 燃料ホースに穴が空く(交換)
 カマを掘られてバンパー破損(交換)
 チャリンコおばさんが激突してフェンダーに傷+ミラー破損(板金塗装)
 トラックに突っ込んでフェンダー凹+ミラー破損(板金塗装)
 シートに穴が空く(シート張り替え)
 ウォーターポンプ破損(ポンプとラジエータ交換)
 ウィンカーの玉切れ(交換)
 フロントガラスのゴムシールからの雨漏り(放置)
 大量の錆(放置)

 一番大きいのがラジエータ目詰まりに起因する水ポンプ破損。オーバーヒート寸前まで行った。次がたいしたことないけど、燃料ホースの破れ。ショップによるとよくあることらしいけど、ガソリンをだばだばまき散らしながら走っているのは結構ビビる。(周りの方がビビってたけど)あと13年間でバッテリー交換1回。タイヤ交換1回。プラグかぶり3〜4回(笑)。パンクはゼロ。ワイパーブレード交換は4回くらい。細かいことを言えば、エアコンの冷媒抜け、カーステが時々音が鳴らない、などあるが、基本的にあまり気にしない所なのでOK。

2004年4月19日

 今年の5月連休はMINIで北海道へ行くことにした。赤ん坊連れなので飛行機は心 配。電車(北斗星)と船を比べると、スペースが広い分船旅の方がいいかな?ってなことで、新潟港→小樽とすることにしたのである。エアコンの効かないMINIと比べてどうかという気はしないでもないが、新潟まで300kmちょい。なんとかなるっしょ。
 てわけでMINIを点検に出す。埼玉に引っ越してからはガレージ・キャンティックにお願いしている。結構有名なお店らしいですね。知りませんでした。ともかく今年いっぱい保てばいいという条件で、お店側も「お金掛けたくないでしょ?」と了解して貧乏人には貧乏人なりのメンテナンスをやってくれるので非常に良心的なお店である。しかも手放すならウチに持ってこいとまで言ってくれた。オレも手元には置いておきたいのはヤマヤマだが、ここらの駐車場は1万以上が相場だし、とてもじゃないが持ちきれない。ともかくポイント交換とオイル交換、各部点検て約2万円弱。エンジンはすこぶる調子よくなって帰ってきたのである。しかしエアコンを効くようにしてくれと言ったつもりだったが、エアコンガス補充がされていないようだ。なぜ? やるだけ無駄? エアコンはどうせ効きが悪いので、ここ数年は使っていなかったが、さすがに赤ん坊がいるとエアコンなしはつらい。電話してみると「忘れてた」とのこと。「お金かかってもいいね?」と念を押されたが、たしかにウチは金持ちではないけど、他のMINI乗りはそんなにお金を注ぎ込んでいるのかなあ?
ちなみに北海道へ行くと言うと、絶句していた(笑)

2004年4月21日

 と、いうわけで会社を早引けしてガレージ・キャンティックへ。ちょいと調べてもらうと、エアコンガスはある程度残っていた。ガス漏れはそれほど問題なかろうということで、その場でエアコンガスを注入してもらって、エアコン復活! 数年使っていなかった割には優秀なエアコンである。ちょっとほこりっぽいけど。しかしこのMINIは当たりだなあ。大きな故障は殆どなし(ラジエータ/水ポンプ交換くらい)。さすがに車検時の部品交換には少しお金が掛かるけど、いい車である。ついでにアイドリング時の回転数を上げてくれたのだが、これはちょっと余計だったかも。うるさいっす。エアコンを付けるとエンジンに負荷が掛かるので、自動的にエアコンを切るスイッチが付いているハズなんだけどな。まあ、快適になったということでよしにしよう。

つづく>>


[事前準備1/北海道強襲偵察/事前準備2/1日目/2日目/3日目/4日目/5日目/6日目/7日目

All About Mini
Index
お問い合わせは
E-MAIL TO hustler@cc.rim.or.jp