2004年5月6日

 さて5月の大型連休である。今年のGWはMINIで北海道へ行くのである。あいかわらず周囲の反応は「よくやるよ」「だいじょうぶか?」であるが、本人はそんなに心配はしていない。今回のルートは埼玉→新潟(関越道)、新潟→小樽(新日本海フェリー)、小樽→旭川(一般道)である。普通関東圏の人がフェリーを使う場合、大洗港へ向かうことが多いが、大洗港出発の場合は苫小牧着となる。北海道に着いてからが走る距離が長くなるのと、峠越えが出てくるので、この時期北海道は雪が降る場合があり、そうなるとMINIではキツいのである。実際にこの出発の数日前に北海道では雪が降っているのだ。
 うちから新潟港までは、mapfan.netによるとたかだか330km。んで、フェリーで1泊、次の日に旭川入りする予定。このルートは10年前、'93年に一度走っている経験済みのコース。違うのは、今回は0歳児の子供を含む家族連れということである。
 そんなわけで前回は2等先客でザコ寝だったが、今回は豪勢に特等船室である。さすがにやばいので前回書いたようにMINIを入院させ、約3万円の最低限の点検+エアコンガス充填を行い、10,000円のハイウェイカードを買っておく。

 出発は4/28(金)朝5:00。新潟港発のフェリーは11:00、乗船手続きがあるので10:00には到着していなければならないので、埼玉→新潟330kmを5時間で走る予定である。朝4:00に起きて子供を叩き起こし、5:00ちょい前に車を出す。運転席にオレ。運転席後ろの後部座席にベビーシート。その隣に奥様。荷物はトランクに鞄がひとつと、助手席にうずたかく積み込む。奥様が降りる度に荷物の大移動が必要だが、しょうがない。つわけで外環戸田西ICから乗り込み、一路関越自動車道を北上する。お天気の方は、前日は関東地方は大荒れだったが、今朝は快晴。平日のこととて道も空いている。うちのMINIも相当ガタが来ているので、昔のように140kmでぶっとばすようなマネはしないのである。100km前後でてろてろ走る。てろてろと言っても所詮はMINI。その振動と騒音には相当なものがあるが、そんな中でもウチの0歳児はすやすや寝ているのである。さすがはオレの娘である。よく寝れるよ。
 約1時間ほど走るとエンジンの調子もよくなってくる。というか、ウチのMINIはだいたいこの位で、急に高回転域での伸びがよくなるのである。

 天気はよかったのだが、関越トンネルを抜けて湯沢に入った途端、霧・雨・風がひどくなる。昨日関東地方を襲った低気圧が新潟方面に移動していて、それに突っ込んでいったらしい。涼しいのはいいが、山地の低気温ではウチのMINIにはきつい。しかも雨漏りしてるし(笑) しかし2度ほど赤ん坊への給油(ミルク)とパーツ交換(おむつ)のためにピットインしただけで、新潟に到着。したのだが、もう現地は台風状態。昨日東京を襲った低気圧に、ご丁寧に再び突っ込んでいったということらしい。しかも新潟亀田ICを降りると市内はめちゃ混み。結局新潟港に着いたのは10:30であった。
 車検証とネット予約の控えを掴んでフェリーターミナルへ走る。乗船手続きは一瞬で終わり。天候不良のため到着が遅れると言われる。ドライバーのみ車で乗り込み、同乗者はターミナルからの乗船となる。MINIは車高が低いので、他のシャコタン改造車と共に脇に寄せられ、後で長距離トラックと同じ1Fフロアに詰め込まれる(おかげで下船は早い)。荷物を担いで船に乗り込む。
 今回は特等A船室で、洋室のツインベットである。最近の特等船室には風呂、トイレ、エアコンまで完備していて、まるでビジネスホテル並である。しかもこの特等Aには、この部屋専用のプライベートデッキまでついているのだ(海の見えるベランダである)。すばらしい。高いだけのことはあるが、こちらには赤ん坊がいるので2等船室というわけにはいかないのだ(こちらがどうというより、他の先客に迷惑なのである)。
 んで、船内探索開始。売店、カフェ、レストラン、グリル(要予約の高級っぽいレストラン)、大浴場、喫煙ルーム、ビデオ個室、ビデオ上映ホール、ゲームセンター、自動販売機、と、その設備の充実ぶりにはびっくり。客はトラックドライバー、貧乏学生、家族連れがほとんどである。奥様は海に浮かぶスーパー銭湯と呼ぶ。
 新潟の天気が大荒れで、白波が立つほどの波。そのため少し揺れが大きい。船旅が初めてなウチの奥様はさっそく酔い止めを飲む。ウチの子は地面が揺れるので怒っている。怒るんじゃないっ(笑)しかし外海に出るに従って波も収まっていく。この日は昼飯にちょっと贅沢なグリルでステーキ。海を眺めながら大浴場に入り、昼間っからビールを飲んで、寝る。ちなみにプライベートデッキは、寒すぎて出てられん。

 4/29(みどりの日)

 朝4時に起きる。本来の到着予定は4:00のため、朝3時に叩き起こされるところであったが、天候が悪かったため到着が遅れ、1時間余計に寝ることができた。下船は同乗者も一緒に車で降りることができる。下船時にもチケットをチェックされるが、あれは飛び込み防止なんだろうなあ。夜間はデッキに出れなくしてあったし。
 さてそんなわけで朝5:30には小樽の町に放り出される。山の上の方には白い冠雪が積もっている。まだ春浅しなのだ、北海道は。今日の目的地は旭川であるが、小樽から下道を使って4時間ほど。そんなに朝早く行ってもしょうがないし、朝飯を食おうにも早すぎて店がどこも開いてないので、積丹半島に向かうことにする。天気はピーカン日照りでなかなかのドライブ日より。後部座席では母子ですやすや寝ている。よくMINIの中で寝れるもんだ。感心するよ。積丹岬まで行って引き返す。朝早くて観光客もだーれもいず、海もきれいでなかなかよかったです。寒かったけど。
 札幌までの帰りに学生時代に行っていた銭函の寿司屋で昼を食おうかと思ったが、見つからない。というか、町の感じが全く変わっていてどこがどこやらさっぱりよくわからない。店の名前と周りの風景だけで探そうって方も悪いのだが、やっぱ潰れたのかもしれない。なんせ10年以上前の話だし。てことでさっさと諦めて札幌まで行き、駐車場に車を入れて昼飯兼買い物。札幌はよく行っているので観光なし。昼飯も新しくできた駅ビルでカレーのみ。ウチのベビはデザートに付いてきたヨーグルトを貰ってご機嫌である。
 飯を食って出発。一般道を使って旭川へ。「フツーの車」で3時間の行程である。
 道央自動車道を使っても3時間。車より熊の方が多いと言われる所以であるが、北海道の道はえらく広く、走っている車も都市部を除けば大したことがないので、非常に快適なのだ。すぐに停まれることを考えれば、一般道の方が快適だったりする。ともかくてこてこ2時間半走って旭川に到着。17:30。飯食って風呂入って寝る。

 4/30(金)

 日本最北の動物園、旭山動物園が熱い。
 おれが幼稚園小学生時代に遠足に行った当時はセコい動物園だったのだが、実は今、上野動物園に次いで入園者数全国2位を誇る動物園となっていたのである(2007年現在名実共にニッポンいちである)。なんと! 別にパンダもコアラも人気の動物はいないのだが、動物を見せるシカケが秀逸なのである。というウワサを聞いていたのでさっそく行って来た。休日ともなるとすごい混雑になるのだが、今日は一応は平日、狙うなら今日しかない。つーことで行って来た。昔ながらの小汚いオリもあったが、新しい施設がいくつかできていて、やはり言われるだけあって面白い。水族館の水槽や水中トンネルを見る感覚でペンギンを見せる。文字通り水の中で飛んでいるペンギンが見れたり、同様のアイデアでシロクマが泳いでいる所が見れる。ユキヒョウのオリは客の頭上にあって、肉球が見える。オランウータンが観客の頭上を渡っていく(見れなかったけど)。などなど。
 元々が山の斜面の動物園なので坂が多いのだが、新しい施設内はバリアフリー、人が混雑せずに流れたり、オリをいろんな角度から見ることができたり、トイレが多かったり、よく考えられていると思いました。んが、あの懐かしいタコの水道。蛇口が2つあったらタコじゃないじゃないか!
 んま、それはともかく、どうも園内の様子が気持ち悪い。なんでかと思ったら、小学生の時に見ていた視点の角度、大きさと違うからなのだ。なんだか不思議。赤ん坊は興味を示さず、眠そう。
 帰りに旭川ラーメン村へ。横浜ラーメン博物館のミニ版である。8件くらいが1棟に出店しているだけで、Homacなどの複合商業施設の一部としてある。いつもは混んでいるらしいが、今日は列が出来ているのは「天金」だけ。あと知っているのは山頭火だけだったが、山頭火は東京でも食えるので、適当に「なきうさぎ」に入る。
 旭川生まれのくせにオレは札幌ラーメン党で、旭川ラーメンにはたいして期待していなかったのだが、食べてみると結構美味しかった。聞いたこともない店だったのだが、元々は層雲峡の方だそうで。
 帰って、今日は兄弟が揃ったので寿司屋へ。旨い。けど創作寿司屋なので、出てくる料理が和洋中混合。

 5/1(メーデー)

 今日は特にすることもないので、男山自然公園のカタクリ群生地を見て男山酒造へ。
 カタクリ群生地は、特に興味がないので「ふーん」てなもんだが、あのアマチュアカメラマンの集団はすごいな。男山酒造は、おそらく北海道の地酒としては一番有名なのではないかと思われるが、元々は江戸時代から続く銘酒なのである。それがなんで旭川に?と思っていたのだが、その元々の木綿屋男山の十何代目かの子孫から譲り受けて旭川に復活させたのだそうだ。だから江戸時代から続く酒造というわけではないわけやね。ただ、オレ的には最近の甘ったるい(フルーティな、とも言う)日本酒が嫌いなので、辛口の男山は好きである。基本的に燗のできる酒が好き。
 それから新川の白鳥飛来地に行ったが、白鳥は1羽だけ、あとは鴨が大量に群れていた。家族連れと老人ホームのひなたぼっこにが多数来ていました。寒かったけど。
 夜はジンギスカン。ジンギスカン鍋買って帰ろうかなあ。フライパンじゃ気分が出ない。北海道はこれで終わり。明日はまたフェリーで内地に戻る。北海道で花見ができるかと思ったら、桜が咲くのに間に合わず。函館が満開で札幌が開花した頃で、旭川はまだまだ先であったのだ。うーむ。

 5/2(日)

 朝4:00に起きる。今日小樽から新潟へ帰るのである。小樽港は11:30発。渋滞の予想ができないので余裕を見て5:00出発としたのである。札幌までは読めるのだが、札幌−小樽が行楽客に捕まると酷い目に遭うのである。気温は2〜3度でえらく寒い。MINIに霜が降りている。そういやかつてそんな所に住んでいたのである。朝日が昇る頃に出発。したかと思ったら財布を忘れたのに気づいて取りに戻る。
 帰りは旭川鷹栖ICから道央自動車道に乗って延々走る。北海道の高速道路は景色がほとんど変わらなくてつまらない。しかし天気は上々で気温も札幌に近づくにつれて1度1度上がり、9:00頃小樽に着いた頃には14-5度まで上がっていて暖かい。うーん、東京にいるときはこの程度だと「涼し」かったんだけどなあ(笑)
 早く着きすぎたが乗船手続きをしてヒマを潰す。潰すといっても散歩に出てもどこも開いていない。結局ターミナルビルのレストランで朝飯を食う。この手のレストランには珍しく、おいしかったです。ベビ子はさっきまで車内で寝ていたのを叩き起こされたが、またヨーグルトを貰って旨そうに食っている。
 フェリーで往復すると、復路は10%割引となる。今回は高速道路を入れて飛行機と同額程度である。部屋のクラスを落とすと飛行機より安く行くことができる。まあ、時間はかかるけど、移動時間も旅の一部であると考える人には船旅もお勧めである。狭い船内に耐えられない人はやめておいた方がいい。てか、飛行機で行ってレンタカーを借りればいいやって人にはワタシの旅は理解できないでしょう。
 復路は特等和室を予約。この部屋は3人部屋なので非常に楽である。往路の洋室より狭いような気がするが、やっぱ和室は落ち着く。帰りは天気もいいので船も揺れず、プライベートデッキはないが、どうせ寒くて外にはでれないのだ、この時期は。さすがに帰りは空いていたが、ツアー客がいて賑やかであった。
 この日も酒をかっくらっていい気分になって子供と共に21:00頃寝てしまう。だらけた生活である。

 5/3(憲法記念日)

 朝5:00起き。到着は6:30である。なんて健康的な生活なんだ。こんな生活ここ何十年も、というか、一回もしたことないぞ。朝ぼらけに中に新潟の町並みが見えて来た頃に下船準備を始め、みんな一緒に車で降りる。どっかで飯を食おうかと思ったが、またまたどこも開いていない。吉野屋に行ってもしょうがないので高速に乗る。新潟の田んぼを見ながら、さて、と思って見たら、ガソリンがない! やば、忘れてた! もうすでにメーターを振り切っていて、あとどれだけ走れるかわからない。この時は磐越自動車道に乗っていて、どこにサービスエリアがあるのか分からないし、案内も出てこない。前と違ってJAFには入っているが、ガス欠だなんて恥ずかしいマネは絶対にできん! しょうがないので大事を取って高速を降りる。ガソリンスタンドはすぐに見つかったが、開店は8:00。あと1時間弱ある。走り回ってもしょうがないので、コンビニに停めて朝飯休憩。だらだらして8:00に給油して再び磐越自動車道へ。
 今日は奥様方の田舎である会津に向かうのである。およそ100km。ずーっと山の中を走る。桜は終わっており、山桜だけが所々に咲いている。途中2回ほど休憩して会津若松ICで降りる。車は結構混んでいた。
 昼飯に前来たときに行ったソバ屋へ向かうが開いていない。後で聞くと廃業とのこと。そーだよなー、営業時間が11:00-14:00だけとかそんなんだったしな。んで、9:30頃到着。
 この日は近くにできた温泉に行って山菜の天ぷらを食って会津のお酒を飲んで寝る。

 5/4(国民の休日)

 フツーに7:30頃起きる。我が家の休日ではフツーではないが、田舎の朝は早いのだ。のんびりして10:00頃出発。さーて帰るぞ。会津若松に戻り磐越から東北自動車道に出る。さすがに帰省渋滞が始まっていたが、矢坂あたりで短い渋滞にはまっただけで、比較的快適に進むことが出来た。が、こちらは相当腰をやられている。昨日からそうで、温泉で少しよくなってはいたが、今日はかなり酷い。サービスエリアで降りると腰を伸ばせないほど。どうもシートの張り替えをしてからシートポジションがおかしいのだ。中のスポンジが潰れていて、腰が沈み込むようになった。座布団は敷いているが、これがよくないらしい。いろいろ座り方を買えてみるがダメ。MINIのシートもそうだが、この連休中赤ん坊を抱いて歩き回ったのも効いているらしい。右膝も痛い。年だなあ・・・
 今日は快晴で気温も高い。予報は雨だが結局降らず。やっとエアコンが威力を発揮した一日でした。さいたまで高速を降りて大宮へ。奥様の実家に立ち寄って23:00頃さいたまの我が家に帰着。うーん。さすがに疲れた。
 走行距離は約1400km。奥様はとても快適な旅だったらしく、あれだけMINIに文 句たれていた奥様が「フェリーで四国へ行くか」などと言っている。しめしめ、こちらの思うツボである。

つづく>>>


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