2日目(04-8/9)

 朝ゆっくりと起床。徳山港に入港するのは13:30の予定である。合計18時間20分の船旅なのである。朝飯を軽く済ませ、日大三高とPL学園の戦いを見て(PLの負け)いるうちに船は紀伊半島の最南端、潮崎を通過。船の先端が水を切ると、トビウオが飛んで逃げていく。トビウオなんて初めて見たぞ。あんなに飛ぶもんなんだねえ・・・なんてまったりしているうちに船内アナウンスがあり、車に乗り込む。
 さあていよいよ本番である。
 13:00過ぎ、予定より少し早く徳島港に着岸。エンジンをぶぶぶいんとかけて甲板から降りると、そこは徳島県。ついに四国の地を踏んだぞ。
 うーん苦節5年3ヶ月。あの淡路島は津名港で力尽きて以来、虎視眈々と半分寝ながら狙っていた四国についに降り立ったのである!ちゃちゃちゃーん♪
 なんてのんびり感動しているヒマはなく、このまま船を乗り換えて和歌山港へ向かうのだ。徳島港発和歌山港行き南海フェリーは、末広大橋を渡って川向こうにある。ぶいんと15分も走れば南海フェリー乗り場である。一応16:40で予約していたのだが、早く着いたので14:10に便変更して乗り込む。

 和歌山港までは2時間の船旅。グリーン席はあるが、そこは椅子席なので一般の雑魚寝場所に陣取る。家族連れが多く、ガキ共が暴れ回っているが、ウチの娘も負けずに寝ているにーちゃんのもじゃもじゃ頭に異常に興味を示している。うるさいのでデッキへ連れ出す。そのうち淡路島を横目に見て和歌山港が見えてくる。
 16:15和歌山港着。これで和歌山県征服!日本征服まであと4つ!

 今日の宿は南紀白浜である。会社の組合が契約しているので安くなるのだ。しかしその前に、奈良県をなんとかせねばなるまい。特に用事があるわけじゃないのだが、奈良県も未踏の地なのだ。そんなわけで縦長の和歌山県をちょいと横切って奈良県に入り、すぐに引き返して南紀に向かおうということにする。これが甘っちょろい計画であることに、すぐに嫌でも気づかされることになる。

 和歌山港から国道42号に乗り、お隣の海南市へ。国道370号で西へ向かい、木津で道を降りて国道424号を抜け、国道480号に渡る。目指すのは高野山から白浜方面へ下る国道371号である。この国道371号線、別名高野龍神スカイラインは奈良県と和歌山県の県境を走っていて、これに乗っていると「ちょいと」奈良県に入れるのである。我ながらせこい(笑) それでいいのかと言われれば、胸を張ってこれでいいのだと応えるのだ。だいたい京都だって愛知だって一般道になんか降りちゃいないのだ。他の所に行く途中、高速道路上で通過しただけ。まあ、その程度の縛りでなきゃ46都道府県なんか行けませんぜ。
 なんて言い訳はともかく、しばらくは通行車も比較的少なく、快適にMINIを進める。
 走ってさえいればエアコンも快適、やっぱエアコンなしでドライブなんてよくやってたよなーと思いつつ国道480号へ抜けるために424号へ。しかしこの道、国道の割には道が狭い。初めは2車線あった道路が1.5車線に。北海道じゃこんな国道考えられねえぜ、なんて言ってるうちに車はどんどん坂をのぼり、ついには1車線道路となり、ガードレールもない崖の上の道と化していく。そのくねくねした道を、地元の車がびゅんびゅん飛ばしてくるのだ。ひぇぇ、怖ええじゃねーか。しかも上へ上へと登るにつれエンジンが息をつきはじめる。ああ、なんて非力なエンジン(涙)。

 隠れ里みたいな村をいくつか通り過ぎ、そういやタバコが切れてるが、自販機ひとつ見つからない。太陽が夕日の様相を見せ始めたころ、やっと道は下り坂となり、やっと国道480号にたどり着く。あー疲れた。面白かったけど、後部座席の奥様は生きた心地がしなかったそう。娘は寝てたけど。
 さて国道480号に入って明恵ふるさと館でひと休み。17:20。てことはそんなに走っていないのだが、当初の予想ではもう行程の半分くらいは行っているつもりなのであった。だって和歌山県の幅なんてせいぜい40〜50kmしかないのだ。ちょいと寄っていこうってな考えであったのだが、それは甘かった。箱根の東側にいる人間の考えなんてこの程度なのであった。しかし和歌山の攻撃はこれで終わったわけではない。
 思ったより時間を食ってしまっている。これからどうする。このまま奈良を諦めて戻って白浜に向かうのもひとつの手である。宿に入るのは7時と言ってあるが、それは電話でもすりゃどうにでもなる。うーん、じゃ、もう1時間行こうか。またさっきみたいな山道になるなら引き返そう。
 てな感じで再び走り始める。国道480号は川沿いの道で片側1車線道路である。途中で温泉なんかもあり、比較的よく整備されていた。更に1時間走って清水温泉に到着。日はさきほど没した。さあてどうする。371号までにはまだ少しある。戻るとするなら来た時間と同じだけかかる。371に出てしまえば白浜へほぼ直線に行ける。だがこの先の道がどうなっているかはわからない。うううむ。
 「・・・行っていい?」
 「うーん・・・」
返事を待たずに出発(笑)
 しかし少し走った所に看板が。「龍神スカイライン方面」。
 む。これは・・・地図を繰ると確かに371方面へバイパスする細い道がある。よしこれで時間を稼ごう!ということでその道に突撃。先ほどの424号ほどではないが、こちらも林間の狭い道で、小さな渓流や滝がある。すっかり暗くなった道を、ライトを点けてとぼとぼ進む。しかしそれなりに効果はあったようで、19:00頃には国道471号線に抜け出ることができた。高野龍神スカイラインはさすがに新しいきれいな道で、めちゃくちゃ快適である。ちょいと走ると奈良県と和歌山県の県境表示が。
よっしゃ奈良県征服!あと3つ!!

 ようするにここらへんは高野山。高野豆腐の高野山なのだが、こんなに険しいとは思ってもみなかった。だいたい紀伊半島だって、山深いってのは聞いてはいたが、こんなに海岸線からあがってすぐ山になってるとは知らなんだ。そういや雑賀衆のいた土地なんだよな。険しいはずだよ・・・
 ぼやきつつ先を急ぐ。あとはこのスカイラインをぴゅーっと白浜まで走れば今日は終わりだ。なんて思っていたら、道の上に白い煙がたなびきはじめる。ん?霧か?と思うのもつかの間、あっという間に視界はなくなり、ライトが乳白色の闇を照らすだけ。うひゃー。これは怖い。霧の中走ること自体はそんなに怖くはないが、こんな山道は前や後ろの車が突っ込んでくるのが怖いのだ。1mくらいしか視界のない道を最低速度でとろとろ降りる。時々急に対向車が登ってきてびっくりするが、さすがにそんなにすっ飛ばしてるヤツもいない。しかしこの人たちはこれからどこに行こうとしているんだろう。山を下りるといつしか霧も晴れ、やっとまともな道となる。ううん、疲れた・・・

 宿に電話を入れて遅れることを連絡。今日はずいぶん走ったような気がする、さっさと宿に行って寝ようと思って最期の力を振り絞り、南紀を目指す。国道311号を経由して国道42号へ。和歌山からまっすぐくる時はこの42号にずっと乗ってればいいのである。なんだかすんごく遠回りしている気がする。てか事実なんだけど。
 地図を見ながら宿を探す。南紀白浜空港の近くらしいのだが、道が錯綜しててよく分からない。一旦駅まで戻って地図をたどるが分からない。そのうち奥様がもう1枚の地図を発見。なんと全然場所が違うじゃねーか! みつからないハズだよって、どういうことだこりゃ。ま、ともかく違うなら違うでいいのだが、改めて探すとこちらも見つからない。なんだか和歌山県ってウチらになんか恨みでもあるんかい! ともかく現在地が分かるランドマークまで戻って、そこから交差点毎に停車して地図を確認する。この橋を渡って、この交差点で曲がって、少し行って、案内看板で曲がる・・・・看板がねーじゃねーかよっ! 時刻はすでに夜の10時過ぎ。腹は減るは赤ん坊は泣きまくるわ疲れるは腰は痛いわ大変なのである。結局片っ端から路地を覗いて、路地の「奥に」看板を発見。22:40ようやく宿に到着。
 つっかれたー。しかし当然こんな時間にレストランが開いているわけもなく、荷物を置いて再びMINIでコンビニへ行き、コンビニ弁当の夕食となったのである。わびしい・・・午前1時頃倒れるように寝る。と思ったら娘の夜泣きが。。。
本日の走行距離、226.1km

つづく>>>>>>


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